菅官房長官は、毎日、国政のために献身的に働かれて、ほんとうに頭が下がります。

 その菅官房長官の記者会見、特に東京新聞の望月衣塑子さんの質問の動画がよくツイッターで流れてくるのですが、謎の音声が入っているのです。

望月さんが話し始めて数秒経つと、「質問は簡潔にお願いします」という男性の声が聞こえ、その後も、それこそ数秒ごとに、「質問は簡潔にお願いします」というリピートがあるのです。

社会通念として、どんな質問でもさすがに数秒ではできないので(望月さんが三倍速で話せば別でしょうが、それでは菅官房長官はじめみなさん聞き取れないでしょう)、これには何か別の理由、あるいは意図があるのではないかと思い、考察してみました。

まず考えられるのは、あの「質問は簡潔にお願いします」という声は、記者クラブや菅官房長官の脳に認知的負荷をかけるいわゆる「脳トレ」、官邸でやっているので「官邸脳トレ」なのではないかという可能性です。

「質問は簡潔にお願いします」という声があるので、それが邪魔になって、望月記者の質問が聞き取りにくいのですが、脳内回路にはいわゆる「カクテルパーティー効果」というのがあって、ノイズとシグナルを仕分けできます。

しかし、そのためには認知的に負荷がかかる脳活動が必要なのですが、あのように「質問は簡潔にお願いします」というノイズを定期的に加えることで、国民全体の脳トレをはかり、これからの高齢化社会に備えようという深謀遠慮なのではないかということです。
ということは、あの「質問は簡潔にお願いします」という男性は、厚生労働省の医務官の方なのでしょうか。

別の可能性としては、あれは実は望月衣塑子記者の声(おそらくソプラノです)に、男性の声を合わせる(おそらくバリトンです)芸術表現、すなわち官邸でやるコーラスだから、「官邸コーラス」なのではないかということです。
2020年東京オリンピックに向けて、芸術文化プログラムの充実が求められていますが、ひょっとしたら、東京オリンピックの開会式、望月記者とあの男性で、世界初の「官邸コーラス」を披露しようとしているのでしょうか。

最後の可能性として、あれは「質問は簡潔にお願いします」と言っているのではなく、実は「回答は簡潔にお願いします」、「回答は簡潔にお願いします」と、菅官房長官に対して要望しているのではないかということです。

というのも、望月記者が、たくさんの事実を並べて、最後に菅官房長官に見解をただしても、いつも菅さんは「問題ありません」「特にコメントすることはありません」と秒速で応えられます。
まるで、望月記者の質問が「ふり」で、それに対して塩対応の回答をするという「コント」をしているかのようです。

ということは、実はあの男性の言っているのは「回答は簡潔にお願いします」で、それも合わせて望月記者が質問という「ふり」をし続け、最後に菅官房長官が塩対応のコメントをすることで「オチ」になるという高度な「官邸コント」なのでありましょうか。

なお、ネットでは、あの男性の声が「質問は簡潔にお願いします」というのがいつも判を押したように同じなので、実は「質問は簡潔にお願いします」ボタンがあるのではないかという噂も流れているようです。

そして、実は菅官房長官が足で「質問は簡潔にお願いします」ボタンを押しているのではないかという説もあるのですが、この「官邸ボタン」説については、まだその真偽が確認できていません。

いずれにせよ、あれだけタイミングとテンポよく、望月記者の質問の邪魔をする「質問は簡潔にお願いします」ボタンを足踏みするのはかなり難しいので、菅官房長官は学生時代ドラマーをしていた経験があるのではないかと言う方もいらっしゃいます。

また、菅官房長官が望月記者に対してずっと塩対応をされているのは、何年後か、官房長官としての最後の記者会見をするときに、突然にっこり笑って、望月記者の質問に丁寧に答えて、その後で「実はずっと好きだった」と告白して、えーっ、そうだったのかというサプライズ、「ノッポさんが喋った!」的な大団円を演出するためなのではないかという一部情報もあります。

現場からは、以上です。


(クオリア時評、コメディ版)



菅官房長官塩対応.png