状況確認2
裸足でぺったんぺったん、廊下を歩く。
足裏の感覚がない上に、体のバランスがどうにも違和感で、一歩一歩慎重に踏み出した。
廊下はすぐに切れ階段が下へと伸びている。俺は普段の感覚そのままに足を一段下へと伸ばした。
ら。
膝がかくんと逝って画面が激しくぶれた。ドドドドンと、かなりの騒音が耳へと届く。
だが体の感覚が鈍いため、一瞬、何が起きたのか自分でもよく分からなかった。
目が回る。
すげぇな。ゲームって脳の揺れまで再現すんの?
あ、でも、神経になんか信号とか送ればどうとでもなるか。
床に横たわってそこまで考えた時、あの可愛い同居人が、部屋から飛び出して、慌てた様子で駆け寄ってきた。
「だっ、大丈夫!?すごい音がしたけど」
俺の前に膝をついてこちらをのぞきこんでくる。
「レイヴン?大丈夫?お姉ちゃん、わかる?」
お姉ちゃんか。
第一家人は俺の姉のようです。
可愛い女の子とひとつ屋根の下というシチュエーションに、少しでもわくわくした俺が馬鹿だった変態だった。
冷静になった。
うむ。
……これ、どうやって返事するの?