【サッカー】絶対エース、オマーン戦欠場 「大迫依存」脱却チャンス2019年1月13日 紙面から
【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】絶対エース欠場で非常事態宣言だ。サッカーのアジア・カップに出場している日本代表のFW大迫勇也(28)=ブレーメン=が右臀部(でんぶ)痛のため、13日午後5時半(日本時間同10時半)からの1次リーグF組第2戦・オマーン代表戦を欠場することになった。森保一監督(50)が12日の公式会見で明かした。大迫以外のFW登録選手は1年以上も無得点。勝てば決勝トーナメント進出が決まる一戦では「大迫依存」からの脱却が求められる。 大迫の欠場が正式に決まった。2得点を挙げたトルクメニスタン戦で、昨年12月に負った右臀部(でんぶ)痛を再発。2日続けて全体練習を回避し、宿舎で治療とリハビリに専念した。森保監督は公式会見で「明日(13日)の試合はおそらく難しいが、順調に回復すると早期に戻れると思う」と言い、「残った選手、スタッフで、次の試合を勝てるようにやっていく」と静かに語った。 絶対的な中心軸だ。懐の深いポストプレーで攻撃の起点役を務め、ゴール前ではヘッドで、右足で得点を連発。「このチームのエースだというのは間違いない」と主将の吉田。チームの危機も、いとも簡単に一撃でひっくり返してしまう千両役者は、アジア相手ではまるで役者が違う。 代役がいない存在でもある。2017年のE-1選手権決勝・韓国戦で小林悠(川崎)がゴールを挙げて以降、W杯ロシア大会や親善試合も含め大迫以外のFW登録選手が無得点なのは見逃せない。森保監督は「間違いなく、新たに明日の先発に入ってもらう選手がいる」とした上で、「まずは得点を奪う、得点に絡む、FWとしてのクオリティー、選手の役割を出してほしい。攻撃にも守備にも、全てに貢献してほしい」と強く奮起を求めた。 優勝した2011年大会は、故障や出場停止でスタメンを再編するたびに「日替わりヒーロー」が生まれ、勢いづいていった。それだけに、吉田は「逆に言うと、サブの選手はこのチャンスをつかまないといけない」と声高に訴えた。 大迫不在の非常事態も、ベンチを温めていた選手にとっては千載一遇の絶好機。大迫依存からの脱却は、アジアの覇権奪還に向かうチームの必要条件だ。 ◆2失点を反省 権田完封宣言オマーン戦に向け、正守護神の権田は「初戦は2失点したので、失点をゼロに抑えることを考えてやることが大事」と完封を宣言した。トルクメニスタン戦でアジア杯デビュー。それでも、「浮かれる時間はない。ぼくはどんどん成長していかないといけない身」と表情を引き締めた。
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