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愛知でも豚コレラ 犬山で野生イノシシ感染

 愛知県は二十二日、同県犬山市野中の山中で十九日に捕獲された野生イノシシから、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の陽性反応が出て、国の検査で感染が確定したと発表した。豚コレラは九月に岐阜県の豚で確認され、野生イノシシにも広がっているが、愛知県内での感染は初めて。岐阜県内で確認されたウイルスと同型で、県境を越えた感染拡大が決定的となった。

 愛知県内での感染は一九八〇(昭和五十五)年以来、三十八年ぶり。県は国の防疫指針に基づき、発見地点から半径十キロ以内を調査対象区域に設定。区域内で豚の飼育施設三戸を立ち入り調査し、異常が無いことを確認した。感染したのは家畜ではないため、搬出や移動の制限措置は取らない。

 県によると、感染したイノシシは体長一〇〇センチのメスで、犬山市猟友会が十九日午後、わなにかかっているのを見つけた。県中央家畜保健衛生所(岡崎市)で検査したところ、二十一日に豚コレラの陽性反応が出たため、二十二日に国の機関が遺伝子検査し、感染を確定した。

 発見場所は、岐阜県可児市で十一月に野生イノシシの感染が確認された地点から南に七~八キロ。愛知県庁で会見した岡地啓之畜産課長は「一頭だけとは考えにくい。今後も広がる可能性は十分ある」との認識を示した。県内農家に消毒などの徹底を呼び掛けるとともに、県内全二百四十七農場の立ち入り検査を始める。

 愛知県は可児市での感染確認を受け、十一月十五日から来年三月十五日まで犬山、小牧、春日井各市の全域で狩猟禁止にした。今回の発見地点の半径十キロ以内に含まれる名古屋市守山区と瀬戸市も対象にする方向で検討する。捕獲されたイノシシの検査は犬山市のみで実施してきたが、小牧、春日井両市にも広げる。

 岐阜県内では、豚とイノシシの家畜五例の感染が確認され、豚などが殺処分された。野生イノシシは七十九頭の感染が確認されている。

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