関西の風習がなぜ広島で?
「恵方巻」の風習は、戦後、いったん廃れていたが、1970年代に大阪の海苔問屋組合が販促キャンペーンを展開して、一部地域で復活していたと言われている。だがそれはあくまで関西ローカルの話だ。それが、いつ、なぜ、どのようにして今に至り、全国区になったのか?
調査によると、現在の恵方巻ブームのルーツは、まずは1989年(平成元年)に遡ることができると判明した。
セブン-イレブン・ジャパンのホームページでは、このように解説している。
事の始まりは1989年、広島県のセブン-イレブンより。――その当時、関西の風習としてあった「節分の日にその年の縁起のいい方角(恵方)を向いて無言で太巻き寿司をまるかぶりする」という情報にもとづいて恵方巻を一部の店舗で販売したのが始まりです。『縁起のいい風習』としてお店で紹介しながら、翌年より販売エリアが広がり、95年には関西以西の地区に、そして98年には全国のセブン-イレブンで恵方巻を販売するようになりました。
整理すると、
1989年 広島県のセブン-イレブン一部店舗で販売
1995年 関西以西で販売
1998年 全国のセブン-イレブンで販売
セブン-イレブンのこの成功を見て、その他コンビニチェーンが追随した。
だがしかしこの説明では、大きな疑問が残る。
1989年に、「広島」の一部店舗が、関西(特に大阪周辺)の旧い風習をコンビニの商材として扱おうと思ったのはなぜなのか?
その謎解きの展開は次のページから。