日本の都市景観はどうして良くないのですか?
2009/11/2817:23:22
日本の都市景観はどうして良くないのですか?
ヨーロッパ諸国に比べると、どうしても日本の街並みが汚く(クリーンだけれど、ごちゃごちゃしたような・・)感じてしまいます。
日本には都市景観に対する認識がないからではないかと思ったのですが、以前、江戸時代末期の東京の写真を見たのですが、あまりの美しさにびっくりしました。
日本も、かつては、都市景観を大事にしていたんだと思います。
では、なぜ、日本の都市は急速に煩雑になってしまったのでしょうか?
よく、「日本は空襲を受けたからしょうがない」という意見を耳にしますが、それなら、なぜ、同じように空襲をうけたドイツの街並みがきれいなのかが説明できないと思います。
いったいどうして、日本の都市景観はごちゃごちゃになってしまったのでしょうか?
ベストアンサーに選ばれた回答
2009/11/2821:33:15
明治維新以降の急速な西欧化(文明開化)による「乱(都市)開発」に大きな原因があるように思います。
「日本(の為政者)には都市景観に対する認識が乏しかったから」という理解で当たっているのではないでしょうか。
文明開化以降の具体的な都市景観の劣化は;
建物の形式が和洋混在となり、かつ高度制限が緩かったので、屋根の稜線(?)がまったく不揃いになってしまった。
電線(電力線、電話線など)が空中架線となり、電柱と配線の錯綜で、見苦しくなってしまった。
車(路面電車を含む)の交通量の激増に対応する道路網整備が無秩序に行なわれた結果、見通しの悪い通りになった。
もともと緑地を含む公園(公共の広場)を都市に配置するという考えが乏しかった。
・・・などが挙げられると思います。
それでは、文明開化以前には、都市景観に対する認識があったのか?といえば、これは怪しいですね。
そのような認識が弱くても、質問者の感じたように江戸の景観が美しかったのは、結果的にたまたまそうなっていただけで、意識的な努力は江戸時代初期から幕末にかけて減衰していったとみるのが妥当かと思います。
江戸は徳川家康の開幕以後、それなりの都市計画に基づいて開発された都市だということは良く知られています。
その点では、素晴らしい事柄です。実際に人口が世界第一の都市にまで急速に発展したのですから。
ただし、都市景観という意味では、結果的に美しくなった要素が多いと思います。
江戸時代の屏風絵や風景画を見れば分かる通り、下級武士や町民の住宅は構造も部材(寸法)もほとんど同じで、建物の高さや形状に大きな差異が出来るはずはありません。それらと併存して、大名屋敷や寺社建築がアクセントをつけているわけです。
町の周辺部には緑地もまだ豊富に残っていて潤いを与えていました。
これらは、為政者が意識的に施策で作り上げたものではないでしょう。結果として自然に現代の私達から観て「美しい」「すっきりしている」「潤いがある」と映るのだと思います。
戦後の高度経済成長期以降は高速道路や鉄道の高架が都市景観を大いに劣化させていますし、電線の地下埋設化は遅々として進んでいません。建物の高度規制や外観保存も統一性がないようです。
文明開化と高度経済成長による「乱開発」のツケを清算するには相当時間がかかるでしょうね。
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ベストアンサー以外の回答
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2009/12/321:40:56
1)現在は絶対権力者の歯止めがありません。
昔、日本では扉のデザインひとつにしても、階級的規制がありました。それが無いからです。
2)絶対的金持ちがいないからです。
小金持ちのほとんどは、どうしようもなく趣味が悪い。また、小金くらいではいい建物は出来ません。
3)宗教などの国民的共通項がありません。
個人個人ばらばらです。
4)個人の資質がありません。
太平洋戦争の空襲で明治からの気構えなどの資質がすべて焼けてしまいました。
5)一番の原因は東大官僚が整備した建築法規のだらしなさが街を悪くしました。
外国の法律では、国造りや環境に対するポリシーがはっきりとわかります。
強者(企業等)の言動に妥協した、ふにゃふにゃの骨なし法規です。
【結論】官僚が日本の町並みを壊しました。官僚の手の届かない、地方にはまだ捨てがたい町並みが残っています。
2009/11/3011:42:14
2009/11/2902:47:42
都市景観での一番の違いはヨーロッパでの集合住宅に対して日本では個人住宅であることです。ヨーロッパの都市には3階建て以上の複数階の建物が都市を形成し、平屋の個人家屋は見かけられません。一方日本では平屋や二階屋の家が主流です。
集合住宅は標準化を徹底するのにはもってこいの住居です。標準化こそ都市美観の必須条件です。一方個人所有の住宅ではその所有者一人一人に都市計画の標準化を強制することこそ難しいものはありません。経済的な背景が所有者各人で異なり、建物への美的感覚も異なり、その都市としての景観などを纏めることなど出来ません。
日本では土地付きの家を持つことを人生の大目標においています。自分の好きなように設計し、施工させ、家族が大きくなれば、好きなように増築をします。一方ヨーロッパでは家は移り住むものとの考え方があります。家とは大きな建物の一部であって土地つきではありません。結婚当初は二人だけの狭い家、子供が出来れば広い家に移ります。転勤や転職で家を変えるのに躊躇しません。老後はまた二人だけの狭い家に動きます。個人よりも都市を優先させます。
都市計画に対する市民の考え方がこのように日本とヨーロッパでは違います。
小泉政権時日本は観光立国を目指しました。しかし大失敗に終わっています。それは以上のような理由によるものなのです。
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