トピックス
一覧マレーシアの材料曝露実験サンプルが日本に引き渡されました!~来年春に「きぼう」で船外実験開始予定!~
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2018年11月2日、マレーシアの材料曝露実験サンプルがJAXA筑波宇宙センター(TKSC)において、関係者が見守る中、JAXAに引き渡されました。今後、国際宇宙ステーション(ISS)への輸送準備を行います。 2018年10月に、JAXAとマレーシア・プトラ大学(UPM)との間で、日本実験棟「きぼう」船外に取り付けられた簡易曝露実験装置(ExHAM)を用いた長期材料曝露実験と受動積算型宇宙放射線線量計(PADLES)を併用した船内材料曝露実験に関する「きぼう」利用の協力合意を締結しました。今回の実験サンプルはその協力合意に基づくものです。 [続きはこちら] |
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プレスリリース
一覧-
- 2018年12月5日 14:00 [発表]
- 「きぼう」船外利用にかかる民間事業者の企画提案募集について ~「きぼう」利用事業の民間開放 第2弾~
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- 2018年11月11日 07:15 [発表]
- 宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)の大気圏への再突入完了について
国際宇宙ステーションと日本実験棟「きぼう」とは
| 国際宇宙ステーション(ISS)は、地上約400km上空に建設された、人類史上最大の宇宙施設です。その大きさは約108.5m×72.8mとほぼサッカー場ほどの大きさとなり、質量は約420トンにもなります。 ISSは地球1周約90分で自由落下しながら回っているため、その中は地上の100万分の1ほどの重力しかありません。 また各種の宇宙放射線が降り注ぎ、ISSの周りは大気がほとんどがありません。 こうした特別な環境を利用して、宇宙での実験・研究や地球・天体の観測などを行うプロジェクトがISS計画です。 科学・技術をより一層進歩させ地上の生活や産業に役立てることを目的としています。 ISS計画にはアメリカ、ロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本の15ヶ国が参加しており、各国が最新技術を結集したこの国際プロジェクトに、日本も日本実験棟「きぼう」や宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)などで参加しています。 |
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国際宇宙ステーションと日本実験棟「きぼう」の特徴
1.日本初の有人実験施設日本実験棟「きぼう」
日本初の有人実験施設となる「きぼう」は、ISSの中で、最大の実験モジュールです。 船内実験室と船外実験プラットフォームの2つの実験スペースからなり、船内実験室は長さ11.2m、直径4.4mの大きさで、内部は1気圧に保たれており、宇宙飛行士は普段着でISSの他のモジュールと行き来をすることができます。 船内実験室では、実験ラックを使用して微小重力環境や宇宙放射線などを利用した科学実験が行われています。 船外実験プラットフォームは宇宙空間に直接曝されており、宇宙空間を長期間利用する実験や天体観測・地球観測などができるISSの中でも独特の施設です。船内実験室にはエアロックがあり、「きぼう」のロボットアームを操作して、エアロックから船外実験プラットフォームへ実験装置を直接出し入れすることが可能になっています。 2008年3月に船内保管室、2008年6月に船内実験室とロボットアーム、2009年7月に船外実験プラットフォームがそれぞれ取り付けられ、「きぼう」は完成しました。 | |
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2.有人宇宙技術を獲得するために
宇宙飛行士の滞在するISSには、非常に高い安全性が求められます。 その構成部品一つ一つが人体に対して安全であるのはもちろんのこと、どこかに不具合が発生しても決して人命には危害を及ぼさないよう、二重、三重の安全策がとられています。 これまで有人宇宙施設を持っていなかった日本にとって、「きぼう」の開発は新しい挑戦の連続でしたが、NASAなど諸外国から有人宇宙技術を吸収することで、日本独自の技術として昇華させた結果、「きぼう」は外国人宇宙飛行士からも称賛される、非常に完成度の高い実験モジュールとなりました。 また、「きぼうは、運用管制チーム(JFCT)により、 筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室から24時間体制で監視・運用されています。 ISSを安全に運用するためには、ISSを構成する各国との連携が重要です。有人宇宙施設を運用するノウハウも、「きぼう」を通じて、獲得することができました。 これらの技術と経験は宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)の開発・運用にも生かされています。 | |
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3.日本実験棟「きぼう」のさらなる活用
宇宙航空開発で培った技術はこれまで様々な分野に転用(スピンオフ)されてきました。 特にこれまでアメリカやロシアを中心に発展してきた有人宇宙技術は既に私たちの生活に密着した分野で応用されています。 「きぼう」が完成したことで、日本が優先的に利用できる有人宇宙施設を保有することができました。これからは「きぼう」をいかに利用していくかが課題になっていきます。 JAXAでは、「きぼう」を利用した実験テーマを大学などから公募したり、企業と共同研究を行っています。また企業が有償で「きぼう」を利用できる制度も始まっています。 今後、「きぼう」を通じて、宇宙実験や利用が、ますます私たちに身近になっていくことでしょう。 | |
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特集
- 2016年2月25日
- 国際宇宙ステーションでの日本の活躍
- 2010年6月30日
- 宇宙実験で広がる未来への可能性~「きぼう」日本実験棟での実験の成果~
- 2009年7月31日
- 向井千秋 「きぼう」の完成で期待される「宇宙医学」の発展
- 2007年10月24日
- いよいよ始まる「きぼう」日本実験棟の組立て