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【大相撲】

稀勢の里、貴景勝指名8勝1敗 「とにかく前へ」

2019年1月10日 紙面から

土俵際で粘って貴景勝(手前右)に反撃する稀勢の里=東京都江東区の尾車部屋で(いずれも志村拓撮影)

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 大相撲の二所ノ関一門の連合稽古が9日、東京都江東区の尾車部屋であり、初場所に進退の懸かる横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が、関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=を相手に8勝1敗。「一番強い」と指名した先場所Vの若手を寄せ付けなかった。

 背水の陣へ稀勢の里が、迷いなく貴景勝を土俵に呼び込んだ。「一番強いし、圧力負けしないように」

 この日の稽古相手で番付最上位という意味か、当たりの強さを見込んでか。真意は明かさなかったが、先場所Vの相手得意の押し相撲に応戦し、8勝1敗と圧倒して「とにかく前に前にと思ってやりました」と納得の表情だった。

 昨年の九州場所では、初日で顔を合わせて敗れて流れに乗れないまま、横綱として87年ぶりの4連敗で途中休場。一方、相手は13勝で初の賜杯をつかんだ。これ以上なく明暗が分かれた苦い取組の記憶を、力ずくではねのけてみせた。

 7日の稽古総見では横綱、大関陣を相手にしたが、左太ももを俵に強打したこともあって6番(3勝3敗)どまり。そこからの上昇気配に「15日間もたない」と、不安視していた本紙評論家の北の富士勝昭さん(元横綱)は「下半身がしっかりして踏み込みも良かった。少しは期待できる」と前向きな言葉を並べた。

 そして「『(稀勢の里を)横綱にする会』の会長だったからな、オレは」。先輩横綱として復活を期待するからこそ「本場所は簡単にいかない」と忠告も忘れなかった。

 そんな言葉に応じるように、稀勢の里は「あとは自分を信じて、1日1日集中してやっていきたい」。ギリギリまで追い込んでいく。

  (志村拓)

北の富士勝昭さん(右)に水を付ける稀勢の里

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