まさか…。声が出ない。主将の吉田は腰に手を当てたまま動けない。槙野はぼうぜんと立ち尽くした。前半26分、トルクメニスタンMFアマノフが右足で放った約30メートルの弾丸ミドルは勢いよくネットに突き刺さった。想定外、痛恨の先制被弾だった。
前半は攻撃がノッキングし、守備が空回りする悪循環が続き、3-1とした後にはPKで1点差に迫られた。初対戦だった相手に、W杯とは違うアジアの厳しさを味わった。「最低限の結果だが、この試合に臨む決意と覚悟を持って臨めたか、自問自答をしなければならない。簡単なゲームがないことが証明された。僕たちへの警告にもなった」。吉田は試合後、神妙な面持ちだった。
▽日本代表・長友(大迫の2点目をアシスト)「アジア杯は甘くないと学んだ。これくらいでちょうどいい。これで一つ慣れる。失点も全て想定内。ハーフタイムや試合中も『ナーバスになるな』と言っていた。きれいなサッカーだけじゃなく、泥くさくやろうと切り替えることができたことは収穫だと思う」