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【サッカー】

大迫、日本救う2発も怒り心頭 「きれいなサッカーをしてちゃ絶対勝てない」

2019年1月10日 紙面から

日本-トルクメニスタン 後半、同点ゴールを決める大迫(中央)=アブダビで(共同)

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◇アジア杯 日本3-2トルクメニスタン

 【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア・カップ第5日は9日、当地などで行われ、2大会ぶり5度目の優勝を狙う国際サッカー連盟(FIFA)ランキング50位の日本は1次リーグF組初戦で、同127位のトルクメニスタンに3-2で競り勝ち、森保一監督(50)就任後初の公式大会を白星で飾った。0-1の後半、FW大迫勇也(28)=ブレーメン=が2得点、MF堂安律(20)=フローニンゲン=が1得点を挙げ、試合をひっくり返した。

 チームを救った。2得点を挙げた。なのに、大迫は怒り心頭だった。試合が終わると、腰を折って悔しがった。まるで敗軍の選手のように鬼の形相だった。そのままベンチ前まで引き揚げてくると、一気に飲み干したペットボトルをピッチにたたきつけた。

 「もっとうまくできたと思う。応援してくださったサポーターにも、もっといいプレーを見せられたら良かった」

 1点を追う後半11分だった。ゴール前で原口の横パスを受けると、大迫はすぐさま左足で切り返し、相手DFを引き剥がした。この時点で勝負あり。右足で冷静に右隅へ流し込んだ。代表通算11点目。停滞、沈滞した空気をたった一撃で一掃する価値ある同点弾だった。

 4分後。相手のスキを突いた長友からラストパスを送られ、再び右足で押し込んだ。ふがいない戦いの中、エースとして背負う大看板を証明する3度目の1試合2発だった。

 まさかの先制点を奪われた。若いチームは戸惑い、動揺した。パスは横へ、横へと“各駅停車”。縦パスを入れれば、あっけなく奪われた。親善試合で披露した美しく、躍動感のある崩しに固執するあまり、ゴールへ向かう積極性、原点とも言える泥くささを見失っていた。

 ハーフタイム。仲間たちに向け、大迫はゲキを飛ばした。

 「『僕らはきれいなサッカーをしてちゃ絶対勝てない』と言った。『もっとゴールに向かっていくプレーを増やしていこう』と声掛けをした」

 相手を追い、走り、球際でファイトした。技術、戦術以前にプレーの大原則に立ち返った。その中心に、大迫がいた。そこから流れが戻ってきた。そして、当然のようにゴールを決めた。不敗弾は9試合に伸びた。

 次戦のオマーン戦に向け、「気持ちをしっかり出す試合をしないといけない」と大迫。勝ってこそ、アジアの覇権奪還への道は開く。

 

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