日米両政府は、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先に予定する同県名護市辺野古での米軍ヘリコプターの飛行経路について、2本の「V字」滑走路を前提に、陸地の上空を通らない「海上ルート」を設定することで大筋合意した。
日米両政府は今年に入り、代替施設滑走路を1本の「I字」ではなく、「V字」案を前提とし、普天間に現在配備している米海兵隊のヘリCH46のほか、配備計画のある新型輸送ヘリMV22(オスプレイ)を対象に飛行経路を協議。2月までに合意した。
海上ルートは、ヘリの操縦士が視界の良い時に目視で操縦する「有視界飛行」の際、代替施設の南東方向の海上を回る楕円(だえん)形のルートとなる。
悪天候などで視界が悪い時などに、装置を使って操縦する「計器飛行」の経路についてはすでに合意しており、その場合はわずかに陸地にかかるが、集落上空にはかからないとされる。有視界飛行はヘリが通常行っている操縦方式で、計器飛行経路と異なり、陸地の上空をまったく飛ばないことになる。
代替施設の周辺では米軍機の騒音問題が懸念されており、国会質問などで「有視界飛行の経路が陸地にかかるのではないか」との指摘が出ていた。日本側は海上ルートを主張。墜落事故のリスクを減らす意味もあり、米側も受け入れた。将来的に、代替施設を現在の予定より約50メートル沖合に移動させ、沖縄側の理解を求める案も検討している。
日米両政府は5月ごろに外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開く方向で調整しており、V字案での合意を目指している。昨年5月の日米共同声明で、代替施設の位置、配置、工法について次回の2プラス2までに「検証及び確認」を完了させると明記したためだ。
6月下旬に予定する菅直人首相の訪米を控え、日本側に「2プラス2で移設問題を前進させることが必要」(関係者)との見方は強い。
ただ沖縄県では名護市長が移設に強く反対し、仲井真弘多知事も「県内移設は事実上不可能」との立場。4日の記者会見でも「(県外移設へ)政府を説得しないといけない」としており、飛行経路に関する配慮が沖縄の移設問題への対応を軟化させる状況にはない。(鶴岡正寛、河口健太郎)