手軽なのに効果絶大『Chrome』を高速化する14の設定(flags)
標準状態では設定項目が少ない Chrome ですが、開発・実験段階の機能が隠し機能として搭載されています。
隠し機能を有効化するだけで、ページ表示速度が高速化します。これが同じChrome?と思うほど。Chrome が重いと感じている人は一度試す価値はあります。
隠し機能の設定方法
Chromeの隠し機能は通常の設定からはアクセスできないため、アドレスバーから直接設定ページに飛びます(VivaldiはChromeと同じ、Operaは設定できる項目が異なります)。
flagsのページにある機能は正式に導入されたものではないため、設定の変更は自己責任になります。ただ、ここで挙げている設定は普通に使われているものなので怖がりすぎる必要もありません。
不安を感じる方はこちらのページを先にお読みください。
flagsページの各項目への移動は項目を検索、または各機能の紹介の下にあるURLをアドレスバーにコピペで項目に移動することもできます(右のアイコンクリックでクリップボードにコピーできる)。
- 1. 使用していないタブのメモリを自動で開放
- 2. タブを閉じる早さを高速化
- 3. 表示しているタブ以外の自動読み込みを抑止
- 4. シンプルキャッシュ
- 5. QUIC 新しい通信プロトコル
- 6. ハイパーリンクの監査
- 7. ブックマークをマテリアルデザインにする
- 8. 画像処理にGPUを優先する
- 9. ラスタライズにGPUを使う
- 10. 画像描画の同時処理数を指定(1~4)
- 11. Canvasの2Dの描画をGPUで処理する
- 12. 実験的ウェブプラットフォーム機能
- 13. Webフォントを別サイズのキャッシュで代用
- 14. 指の位置から次のスクロールを予測して先に描画する
- 15. スクロールをスムーズにする
- 16. chrome://flagsから消えた項目
- 17. 一般設定
使用していないタブのメモリを自動で開放
Automatic Tab Discarding Win Mac
「Enable」または「有効化」
メモリ開放の優先順位はブラウザにおまかせで指定不可。調べ物をしているうちに50も60もタブができてしまい、スワップが発生して重くなる環境なら効きます。
重さ対策にはなりますが、メモリが開放されたタブを開くとページが再読み込みされます。メモリが解放されると、住所など入力フォームなどの内容は消えてしまうので注意。
タブを閉じる早さを高速化
Fast Tab/Window Close Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
タブを閉じる際の処理をバックグラウンドで行うようになるため体感速度が向上します。
表示しているタブ以外の自動読み込みを抑止
Only Auto-Reload Visible Tabs Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
回線がつながっておらず、読み込みに失敗したタブは、回線が回復するとバックグラウンドでリロードします。
このオプションを有効にすると、開いているタブ以外の読み込みをしなくなります。「重い」とまではいかなくても、もたつくことは減ると思います。
右の小ボタンで↓をクリップボードにコピー、アドレスバーにペーストで隠し機能へ。
シンプルキャッシュ
Simple Cache for HTTP Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
ブラウザのキャッシュファイルチェックにかかる時間を短縮する新しいキャッシュシステム。
キャッシュのチェックを高速化することでウェブページの表示速度を向上させる。
QUIC 新しい通信プロトコル
Experimental QUIC protocol Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
サーバとブラウザ間のデータのやりとりを開始するまでの時間を短縮するために開発されたプロトコル。
従来の手順を端折るため、対応したサーバではレスポンスがよくなる。
GoogleやYouTubeで使われている(このサイトもQUICに対応)。
理屈はわかりませんが、YouTubeで再生が中断されるときは、QUICを有効に、下にあるハイパーリンクの監査(hyperlink-auditing)を無効にすると途切れなくなるかも。
ハイパーリンクの監査
Hyperlink auditing Win Mac Linux ChromeOS Android
「disable」または「無効」
ハイパーリンクにpingを送って確認する。これは無効にする。
YouTubeで再生が中断されるときは、これを無効にして、上のQUICを有効にすると途切れなくなることもあるらしい。YouTubeが途切れる症状が出たらQUICK有効、これを無効にしてみてください。
ブックマークをマテリアルデザインにする
Enable Material Design bookmarks Win Mac Linux ChromeOS
「Enable」または「有効化」
ブックマークをGoogleの推奨するインタフェースのデザインルールであるマテリアルデザインに変更する。
デザインがシンプルだからか、画像自体が軽く、表示も早くなる。
アイコンのデザインが変わるので不便に感じる人もいるかも。
画像処理にGPUを優先する
Override software rendering list Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
ソフトウェアで描写していた部分もGPU(グラフィックカード・チップ)のハードウェア処理機能に置き換えます。
ラスタライズにGPUを使う
GPU rasterization Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
画像の形式を変換し、表示する処理にグラフィックカード・チップを使うようにします。
画像描画の同時処理数を指定(1~4)
Number of raster threads Win Mac Linux ChromeOS Android
「4」を選択
同時処理数の設定。増やすほうが早くなるので4に。
Canvasの2Dの描画をGPUで処理する
Accelerated 2D canvas Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
Canvas描画にグラフィックカード(チップ)のハードウェアアクセラレーション(ハードウェアでの処理)を使う。
Canvas は画像や地図を表示するための枠組み。
実験的ウェブプラットフォーム機能
Accelerated 2D canvas Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
67以前の「不透明化したCanvasを使用」は、この「実験的プラットフォーム機能」に統合されています。これを有効にしておけば、以前の機能も使えるということ。
グラフや図形描画を HTML と Javascript で描画できる Canvas を含む。Canvas はゲームや地図の描画にも利用されている。
Webフォントを別サイズのキャッシュで代用
FontCache scaling Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
ウェブフォントは太さ(フォントウェイト)が違うと別書体として扱われ、各々ダウンロードされます。
1つのサイトでも複数の太さのフォントを指定していると、その個数分のフォントがダウンロードする時間が発生し、結果として表示が遅くなる。
FontCache scalingを有効にすると、手持ちのフォント(書体)のキャッシュを拡大・縮小して一時的に代用します。。
そのため指定のフォントのダウンロードが終わるのを待つ必要がなくなり、ページが早く表示されるようになる、のですが。機能しているのかよくわからない部分がある。
指の位置から次のスクロールを予測して先に描画する
Scroll prediction Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
指の一から次の動きを予測して、指が触れる前に描画してしまうというもの。説明からするとタッチデバイス用っぽいですが、PC版にも有効かも?みたいな書き込みがあるので一応。
スクロールをスムーズにする
Smooth Scrolling Win Mac Linux ChromeOS Android
「Enable」または「有効化」
長いページでのスクロールがスムーズになる…けれど環境次第のところも。マウスのドライバのスムーズスクロール設定をしていて、カクつかないなら不要。
chrome://flagsから消えた項目
WebGL2.0の設定
Chromeでは標準仕様となったためか、WebGL2.0の設定は廃止されています。
使っているブラウザがWebGLをサポートしているかの確認はこちら。
(Operaでは今でもchrome://flags#enable-es3-apisでアクセス可)
不透明化したCanvasを使用
「Enable」または「有効化」
実験的ウェブプラットフォーム機能に統合されています
html5のcanvasを初期に不透明化しておくことでページの表示を早くする(らしい)。
Canvasはブラウザ上で図を表示させる(書く)ための仕様で、画像とは異なり動的に書き換えができます。そのため地図表示、グラフ、ゲームなどに用いられます。
■chrome://flags/#enable-experimental-canvas-features
一般設定
おまけの標準設定。
chrome://settings/privacy
予測サービスを使用してページをより迅速に読み込む
「有効化」
アクセスしたページにあるリンクから、次にクリックされる可能性のあるページを予測して読み込む。
事前読み込みをするので早くはなるがトラフィックは増える。また読み込んだ先のクッキーも設定される。
ウェブサービスを使用してスペルミスの解決を支援する
「無効」
ページの読み込みには関係ないが、入力したテキストのスペルチェックをするため遅延が生じる。
Googleにデータが送られるので、プライバシーの観点からもオフにする方が。
ディスカッション
コメント一覧
Chrome67から不透明化したCanvasを使用は消えたようです。。。
ゴリラの使いさん、お返事したつもりができてませんでした。すみません。
お知らせありがとうございました。
現在は「Experimental Web Platform features」という項目で変更できるようになっています。
Chrome設定いろいろ参考にさせていただきました。
Chrome(最新)です。Experimental QUIC protocolを有効かデェフルトの設定とありますが、Chromeが遅い場合の対処法として多くのサイト(私が閲覧した分)がExperimental QUIC protocolを無効(Disabled)を進めているサイトが多く見られますが、Chromeの使用状況に多く左右されると思いますが、Experimental QUIC protocolを有効にした方がいいのですか?
川村さん
閲覧いただきありがとうございます。
QUICを利用するYoutubeやグーグルのサービスで重くなる不具合があったようです。昔の不具合ですし、とくに問題が生じないなら有効でいいと思いますよ。不具合が出たら無効で。
正式に採用されるまでは、あっちを立てればこっちが立たずということもあるかもしれませんから、支障があったり軽くならなければ「無効」でいいと思います。
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