【一般スポーツ】カヌー羽根田卓也インタビュー 五輪連続メダルへ「受圧を力に」2019年1月10日 紙面から
カヌー・スラローム男子カナディアンシングルのリオデジャネイロ五輪銅メダリスト・羽根田卓也(31)=ミキハウス=が、1年半後に迫る東京五輪への手応えを語った。年末年始は練習拠点を置くスロバキアから、愛知県豊田市内の実家へ帰省してリフレッシュ。昨年はW杯4大会で一度も決勝に進めないなど苦戦したが、五輪で進化した姿を見せたいと話した。 (聞き手・木村尚公) -昨年はW杯や世界選手権で予選落ちが続いた 「アジア大会で2連覇できたことは評価できるポイント。一方で国際大会では自分の思い通りにいかない場面が多々あった。最初は『何でだろう』と思ったけど、シーズン終わりの方になって状態がわかった。来年に向けていい気付きができた」 -苦戦の原因は 「リオ五輪が終わってから課題のスピードに取り組んできたが、弱点にとらわれ過ぎていた。世界の流れはスピードよりテクニックに向き始めていて、コース設定も難しくなっている。スピード重視で難しいコンビネーションに挑戦していなかったから、ミスが増え、本来武器であるはずのテクニックが生かせなくなっていた」
-パドルの長さなども試行錯誤している 「パドルはリオ五輪のときより3センチ長い141センチにしている。シート位置も前にしたことで、より重たい水をキャッチして推進力に変えることができている。あとはスピードをうまくコントロールできる技術が備われば。歯車はきっと合う。リオ後に現状維持で行っていたら、もっとひどいことになっていた。世界は進んでいる」 -冬の期間に力を入れている点は 「どんなトレーニングでもより実戦的にと考えている。例えば立ってやるウエートトレーニングを正座でやったりと、カヌーの姿勢で発揮できる力をつけようと心がけている。今まではスピードを重視して心肺機能や筋力を重視して鍛えてきたが、スピードと技術のバランスを取りたい」
-間もなく東京五輪の会場が完成する 「実際にトレーニングができるなら最大限利用しない手はない。地の利はすごく働く競技。コース、水の流れを知ることは何よりのアドバンテージになる。利用できる期間が長ければ長いほど、日本に拠点を置く期間も長くなる」 -東京五輪では2大会連続メダルの期待が 「そういうもの。変にプレッシャーをかけないでと言うつもりはない。そういう声をいいエネルギーに変えられる選手にならないと。今年は世界トップにどれだけ近づけるか。秋の世界選手権ではどうあっても1桁順位には入っていきたい」 ▼羽根田卓也(はねだ・たくや) 1987(昭和62)年7月17日生まれ、愛知県豊田市出身の31歳。175センチ、70キロ。豊田市立朝日丘中から杜若高へ進み、卒業後は単身スロバキアへ渡って武者修行。2016年にスロバキア・コメニウス大学大学院を卒業した。カヌースラローム男子カナディアンシングルで北京五輪14位、ロンドン五輪7位。リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した。ミキハウス所属。
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