「朝鮮学校」無償化を命じたトンデモ裁判官 “教育”の実態は
社会週刊新潮 2017年8月10日号掲載
真夏の夜に狂ったように撃ち込まれたミサイルは、かの国からの祝砲だったのか。北朝鮮と繋がりの深い朝鮮学校を巡る裁判で、まさかの判決が下ったのだ。我々の血税を金正恩に捧げよと言わんばかりの内容だが、トンデモ裁判官の頭の中はどうなっているのだろう。
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7月28日、大阪地裁の西田隆裕裁判長は、大阪朝鮮学園が起こした訴えを認めて、国が高校授業料無償化の対象から外した決定を違法と断じたのである。
判決では、国が朝鮮学校について「法令に基づく適正な運営の確証が得られない」としたことを非難して、〈戦前・戦中の軍国主義的な教育への反省からできた教育基本法の趣旨に反する〉と言ってのけた。
そもそも、〈軍国主義的な教育〉をしているのはどこぞの国なのかとツッコミたくもなるが、朝鮮半島事情に詳しい関西大学の李英和教授はこうも指摘する。
「本来なら日本の学習指導要領に基づいて教育が行われるべきなのに、教師たちは朝鮮大学校出身者でほとんどが教員免許を持っていません。7月19日に広島地裁で行われた同種の裁判では無償化を認めない判決が出ましたが、極めて妥当な判断。真逆の判決を出した大阪地裁の西田裁判長は“ヤブ医者”ならぬ“ヤブ裁判官”と言っていいでしょう。北に支配され、独裁者を崇拝する教育を行う学校に税金を投入するのは、どう考えてもおかしい」
ちなみに、この裁判長は北朝鮮の実質的な出先機関である朝鮮総連が、学校へ“一定の関与”をしていることを認めながらも、現場が不当な教育を強いられてはいないと結論づけたというから呆れる他ない。
果たして裁判長は学校の実態を把握しているのか。
授業で使われるハングルの教科書を独自に入手し、翻訳を続けている現代朝鮮史家の萩原遼氏が解説する。
「教科書では、日本のことを『日帝』と呼び、その悪行を史実とは違う形で無茶苦茶に書き連ねて金王朝を賛美しています。例えば、全3巻からなる『現代朝鮮歴史』では、金父子に必ず〈敬愛する金日成主席様におかれては〉〈敬愛する金正日将軍様〉と敬称をつける徹底ぶりです」
さらには、当時の小泉総理が訪朝し、北朝鮮が公式に拉致を認め謝罪した会談についても、2002年に〈歴史的な朝日平壌宣言が発表された〉と、たった1行書いただけ。拉致被害者の帰国など、その詳細には触れず自国の犯罪行為については一切無視を決め込む教育方針を貫いているのだ。
北への忠誠を強制
「日本の新聞は“朝鮮語等の科目を除けば一般高校と変わらない”と報じますが、とんでもない間違いです」
と憤るのは、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の代表で元大阪経済大学准教授の山田文明氏である。
「子供たちは、課外授業と称して北への忠誠を尽くす政治団体に強制的に入れられます。日本の小中にあたる初級学校や中級学校には『少年団』があって、北朝鮮の学校と同じ制服を着て同じ敬礼の仕方を教えられる。『元帥様の幼き日々』といったレクチャーを通して、金王朝礼賛の洗脳教育が頻繁に行われています」
さらに、選抜された学生が、平壌へ派遣されることもあるという。
アジアン・リポーターズ代表の蒲生健二氏によれば、
「1987年からほぼ毎年、平壌では朝鮮学校の生徒らが舞踏を行うソルマジ公演が開かれています。学校側は関与を否定しますが、校長が引率して金父子の銅像に頭を下げさせているのです」
在日朝鮮人は親族の多くがまだ北にいて、人質を取られているのと同じ。そのため、入学を余儀なくされているというのだ。
神戸朝鮮高級学校OBの男性がその実態を明かす。
「教師たちは、在日で学齢期の子供がいる家庭を訪問して、絶対に入学せよと指導します。拒んだ家には何度も執拗に押しかける。まるで宗教の勧誘です。一度、学校に入ってしまえば就職、結婚もそのコミュニティの中で完結しますし、献金も求められる。総連の組織拡大、ひいては北の政権維持に利用されているのです」
同様の裁判は、9月に東京地裁で判決があり、名古屋と福岡は審理中だが、頭の中が“真っ赤”な裁判官なら、これらの切実な訴えは決して耳に入るまい。
ワイド特集「真夏の狂い咲き」より