オーバードッグ 名犬ポチ《完結》 作:のぶ八
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「どうかなさいましたか? モモンガ様」
アルベドは天使のような微笑みを浮かべモモンガに問いかける。
だが返事が返ってくることはない、モモンガが紡ぐのは失意の嘆き。
「なんで、なんで名犬ポチさんに繋がらないんだ…。まさか、俺、俺だけが異世界に来てしまったのか…、そんな…」
モモンガの瞳から徐々に光が失われていく。
「嘘だ…、名犬ポチさん…、俺を、俺のことをもう一人にしないって言ったじゃないか…!」
まるでその言葉が合図だったかのように、モモンガは沈黙した。
◇
アルベドは声が震えそうになるのを抑え、再び明るい声を出す。
「モ、モモンガ様? どうなされたのですか?」
再度の問いかけにもモモンガからの返事はやはり無い。
アルベドはモモンガの身に何が起きたのか察した。
至高の御方々の一人であり、最後まで自分たちを見捨てなかった慈悲深き方。
そして自身の最も愛しい御方。
その心の洞察には自信があった。
そしてその頭脳で導き出される結論。
ああ、モモンガ様はお眠りになられてしまったのだ。
私たちシモベを見捨てず、身を削り、心を砕き、ずっとナザリックを一人で支えてくれた我らが主。
他の至高の御方の帰還を信じ、ずっとお一人で耐えてきたモモンガ様。
だがモモンガ様は御心を手放された。
アルベドは両手を顔に押し付け、感情を抑える。
ダメだ、泣くな、泣くな、泣くな…!
ここはモモンガ様の御前。
守護者統括として、忠実なシモベとしてみっともない姿を見せるわけにはいかない。
たとえモモンガ様の御心がここに無いとしても。
零れそうな涙を抑え、震える体に鞭を打ちなんとか平静を保つ。
そして次にアルベドの心に沸いたのは怒り。
これが答えか…?
他の至高の御方の帰りを信じて待ち続けたモモンガ様に対する答えがこれか…!
アインズ・ウール・ゴウン。
くだらぬ。
私が忠誠を誓うのはモモンガ様のみ。
そのモモンガ様を悲しませるのならば何者であろうとも許さない。
例え自身の創造主だろうが、排除してみせる。
「アルベド」
玉座の下に待機していたセバスが顔を上げ問いかける。
「モモンガ様の身に一体何が起きたのでしょうか…?」
セバスの言葉に同意するように待機していたプレアデスからも同様の視線を感じる。
アルベドは考える。
ここは間違ってはいけない。
一歩間違えれば自身の破滅を招く。
なぜならば自分はこれから至高の御方のご命令に背くことになるのだから。
「わからないわ、セバス。私はその原因を探るために姉のニグレドの元へ向かいます」
アルベドのその言葉にセバスとプレアデス達からわずかな殺気が放たれる。
それもその筈だ。
この場にいたセバス達は分かっている。
モモンガはアルベドに持ち場から離れてよいという命令は下していない。
「…どういうおつもりですか、アルベド。モモンガ様はそのようなご命令を貴方にしてはいないと記憶していますが…」
至高の御方の言葉は何よりも優先される。
例えナザリックの仲間であろうともそれに逆らうことは許されない。
セバスの怒りは最もだ。
だがアルベドは動じない。
「ええ、その通りよ。モモンガ様の許可はないけれど、私はタブラ様から与えられた玉座の間を守護せよという命令を放棄します」
そう言い放つアルベドにセバスとプレアデスの殺気が一気に膨れ上がる。
「正気ですか、アルベド…? 私がそれを見逃すとでも…?」
その殺気を前にしてもアルベドの表情は変わらない。
「貴方こそ現状を理解できているの? セバス」
「……。どういう、意味でしょうか?」
ここからだ。ここからセバス達を丸め込む。
アルベドはその頭脳をフル回転させる。
「現在モモンガ様の身に何かが起こったことは明白。そしてモモンガ様の最後の言葉からこのナザリック自体にも何らかの問題が起こっている可能性が考えられるわ」
アルベドの言葉にセバス達からの殺気が薄まる。
全く予期せぬ問題を提起され動揺しているのだ。
「もちろんモモンガ様がご健在ならばそのお言葉に従うけれども、現在モモンガ様は我々に命令さえ下せない状況にあると考えられる。なので私が動き、原因を探る。もし何かの間違いで気づかぬうちにモモンガ様に危険が及ぶようなことになってしまったらどうするの? それこそ我々が最も避けなければならない事態でしょう?」
「し、しかし…!」
アルベドの言葉には納得がいった。
だがそれでもセバスには命令を無視することへの忌避感が捨てきれない。
「セバス。なぜ今回に限りモモンガ様が貴方とプレアデスを玉座の間まで付き従わせたと思うの?」
「そ、それは…」
それはセバスにも分からないことだった。
こんなことは創造されてから初めてだった。
主に付き従うよう命じられ玉座まで着いてきたものの、一向に命令は下されない。
「私はねセバス。モモンガ様がこうなることを予想していたのではないかと思うの」
「……。どういうことです?」
「貴方たちをここに待機させたのは、このような不測の事態において御身を守護させるためではないか、と」
セバスはなるほど、と思う。
ここに待機させたのは命令を下すためではなく、守護させるためならば納得できる。
「もちろん、あくまで私の推測よ。本当は何か別のご命令があったのかもしれないわ。でも現在のようにモモンガ様の身に何かが起きている。その身に危険が迫るならその排除こそ私たちの役目」
そう言いアルベドはセバス達を睨みつける。
「例え後で叱責され命を奪われようとも行動するべきでしょう? それが我ら守護者の役目であり存在意義よ。だからセバス、私が居ない間、プレアデス達と共にモモンガ様を守って頂戴。何があってもこの場から動かずにモモンガ様をお守りするのよ」
「……。言われずともモモンガ様の御身は必ずや守ります。それと先ほどは申し訳ありません、アルベドの忠義を疑うようなことをしてしまいました…」
深々と頭を下げ謝罪するセバス。
「いいのよ、私が命令に背くのは事実なのだから。責任はちゃんと取るつもりです。それとセバス、モモンガ様の身に何かあったらすぐに知らせて頂戴」
「かしこまりました」
そうしてアルベドは玉座の間を出ていく。
セバスとプレアデスから見えない場所でアルベドの顔は邪悪な形に歪んでいた。
◇
‐地下7層 溶岩‐
「どうしたのかねアルベド、君がこんな所へ来るなんて」
三つ揃えのスーツを着た黒髪の悪魔が突然の来訪者へと問いかける。
「ええ、デミウルゴス。モモンガ様のご命令で姉のところへ行くの」
「…なるほど。どのようなご命令なのかお聞きしても?」
「申し訳ないけれど私も多くを聞いているわけでは無いわ。とりあえず姉さんの所へ行ってそれからメッセージでモモンガ様から詳しい命令をお聞きする予定なのよ」
「…そうか、それは邪魔をしてしまって悪かったね。早くニグレドの元へ行くといい」
「ええ、そうするわ。じゃあねデミウルゴス」
そうしてデミウルゴスの横を通り過ぎ、去ろうとしたアルベドへデミウルゴスは宝石の目を光らせる。
「私の予想では、至高の御方の捜索。それがモモンガ様のご命令だと思うね」
デミウルゴスに振り返ることなくアルベドは返す。
「そう、かしら…?」
「そうだとも。今日は幾人もの至高の御方がナザリックへご帰還なされた。皆すぐに再びお隠れになってしまわれたがね。そしてこのタイミングでわざわざニグレドを使うなんて普通ではないよ。何らかの関係性があると考えるのが当然ではないかね?」
アルベドに聞こえないような小さな声で「本当にモモンガ様のご命令ならね」と続けるデミウルゴス。
「……モモンガ様をお待たせするわけにはいかないの。私はこれで」
「ああ、気を付けてアルベド」
そうして再び歩き出しながらアルベドは思う。
デミウルゴス。やはりあいつは駄目だ。
あいつだけは今後の自分の計画において邪魔にしかならない。
むしろナザリックを動かすための枷になる。
どこかで消さなければ…。
そう決意しアルベドは進む。
◇
地下6層 ジャングルの守護者アウラにマーレ。
地下5層 氷河の守護者コキュートス。
こいつらは簡単だった。
モモンガ様のご命令だと言えば何の疑いもなく通してくれる。
そしてこの氷河に存在する館「氷結牢獄」。
ニグレドのいる部屋のギミックを無事終えるとアルベドは話を始める。
「ナザリックの周囲の確認?」
「ええ、そうなの。お願いできる?」
「モモンガ様のご命令なら当然よ。しかしなぜ? 誰かが攻めてくるの?」
「詳しくは後で話すからとりあえず周囲の確認をお願い」
「分かったわ」
そして魔法を展開するニグレド。
魔法から映し出されるその映像は昔とは違うものだった。
かつてナザリックの周囲にあったはずの沼は無くなり草原が広がっていた。
「な…!」
驚愕するニグレド。
だがそれを見たアルベドは、やはり、と思う。
モモンガ様は最後に、俺だけが異世界に来てしまったのか、そう仰っていた。
そしてこの周囲に広がる光景から判断するに、ナザリックごとどこかに転移してしまったのだろう。
「ア、アルベド!? これはどういうこと!? モモンガ様はなんと!?」
「モモンガ様も原因不明と仰っていたわ。今はこの世界の情報を一刻も早く収集しなければならない。協力してもらうわよ、姉さん」
「そ、それはもちろん。しかしどうやって?」
「姉さんにはこの世界の国やその他の大きい勢力を探してもらう。見つかったらシャルティアを含め《ゲート/異界門》を使えるシモベ達によってナザリックの隠密に特化した者を送り込む。そしてそこに住む生き物をいくらかナザリックへ拉致してもらうわ。後はニューロニストに頼んで情報を引き出させる。多角的な情報が欲しいからより多くの国を探して頂戴」
「分かった」
そしてアルベドはニグレドが作業している間にシャルティアの元へと向かう。
それと同時に隠密や捕縛力に特化した者を選別する。
ここからはスピードがものを言う。
多少強引だとしても一刻も早く周囲の情報を入手しなければならない。
デミウルゴスが動く前に。
現状自分がデミウルゴスに対して持っているアドバンテージはモモンガ様の状態の有無を知っていること。
そしてデミウルゴスはウルベルト様の命令に従って地下7層を動けないであろうことだ。
あれほど忠誠心が高い男が命令に背き、持ち場から離れることはないと思われる。
だが絶対ではない。
もし気づかれた場合、ナザリックを扇動するのが難しくなる。
急がねばならない。
◇
モモンガの命令と言われたシャルティアは喜々として働いていた。
そしてゲートを通り、ナザリックのシモベ達が次々と現地の者を拉致してくる。
「人間が多いわね」
アルベドの問いにニグレドが答える。
「ええ、周囲にあるのはほとんどが人間の国みたい。少し遠くなるけどドワーフやドラゴンの国もある。シャルティア達の人間の国での作業が終わり次第そちらにも手を付けるわ」
「よろしくね、姉さん」
そしてニグレドがずっと疑問に思っていたことを聞く。
「ねぇ、アルベド。モモンガ様は何をされる予定なの? 世界征服でもなさるおつもり?」
この問いかけにどう答えるかアルベドは悩む。
ニグレドには今後も監視や探索などで多いに活躍してもらわなければならない。
そのため今後、外で活動する自分の行動を隠し通すことは不可能だ。
ある程度、腹を割るしかない。
幸い、シャルティア達は作業に出ておりここには二人しかいない。
話をするにはもってこいだ。
「いいえ。至高の41人が一人、名犬ポチ様の捜索よ」
「なんですって!?」
バッ、という音を立て瞬間的に顔を向けるニグレド。
「もちろん可能性の問題。いないかもしれないけれど、いるとするなら最も可能性が高いのが名犬ポチ様よ」
「そ、それなら名犬ポチ様を直接…、あっ!」
何かに気付いたようにニグレドが目を見開く。
「そう、多くは知らないけれど名犬ポチ様の持つスキルのおかげで探知系の魔法やスキルでは発見できない。近くまで接近できればその至高の御方の持つ気配から見つけられるのだけれど…」
「<小動物の気配>ね」
名犬ポチの持つ<小動物の気配>というスキルは探知の魔法やスキルなどに対して効果を発揮する。
自身をその辺りにいる小動物と同様の存在として知覚させるのだ。
なので名犬ポチという個人を特定することはできない。
森などに逃げ込まれたら見つけるのはまず不可能だろう。
ただし情報系の魔法やスキルに強い反面、デメリットとしてステータスの低下等がある。
まぁ名犬ポチの場合、そのスキルを解除したとしてもステータスは守護者達に届かないのだが。
「それにこの世界にどれだけの敵がいるか次第で捜索方法が変わってくるわ。もし至高の御方と同じプレイヤーが多数存在するなら秘密裡に慎重に動かねばならない。そして我らの戦力で踏みつぶせる相手ならば踏みつぶして探せばいい、そうでしょう?」
「なるほど、でもナザリックの守りはどうするの?」
「もちろんナザリックの守りをおろそかには出来ない。本格的な捜索チームは私が指揮を執り、少数精鋭で行くわ。状況次第ではあるけど、守護者から何人か、そしてレベル80以上のシモベを15体以上に、ルベドも動かす」
その言葉にニグレドが驚愕に震える。
「何ですって!? 私は反対よ、絶対にスピネルはナザリックに災厄をもたらすことになるわ…!」
ニグレドの強い言葉にアルベドはどこ吹く風だ。
「あら、私たちの可愛い妹じゃない。そんな風に言っては駄目よ。それにモモンガ様が許可して下さったのよ?」
「……! モモンガ様が…。それなら仕方ない…」
諦めたようにニグレドは肩を落とす。
本当にルベドを動かしていいのかニグレドは不安に駆られる。
彼女はニグレドやアルベドとはまるで違う創造のされ方をしているのだ。
だが至高の御方が動かすと決めたのならきっと問題はないのだろう。
そう考えるがニグレドの不安が晴れることは無かった。
◇
アルベドはニューロニストから上がってくる情報に笑わずにはいられなかった。
スレイン法国という場所にケイ・セケ・コゥクとルンギースというワールドアイテム級と考えられるアイテムが存在するようだ。
その効果と特性が本当ならばワールドアイテムそのものの可能性もある。
このアイテムを残したプレイヤーという存在。
かつてナザリックに攻め入った者共と同じような存在ならばありえない話ではない。
仮にワールドアイテムだったとしてもワールドアイテムを所持する自分には全く恐れるに足らない上、強者と言える存在も一人しか確認できていないらしい。
ならばこのスレイン法国とやらを滅ぼすのは容易いだろう。
何より、これらの情報が本当ならばデミウルゴスを支配でき、名犬ポチの存在をこの世から抹消できる。
まだ詳しい世界情勢は分からないが危険を冒してでもこのケイ・セケ・コゥクは入手する価値がある。
デミウルゴスさえ支配下に置ければナザリック全てを掌握することも可能なのだから。
当初はルベドを使ってデミウルゴスを抹殺しようと考えていたが、後でどうやって他の守護者達を説き伏せるか頭を悩ませていたのだ。
言い包める自信自体はある。
だが流石に守護者の一人が死亡となれば、命令を放棄してでもモモンガ様に謁見する者が現れるだろう。
それはマズい、計画が根底から崩れてしまう。
しかしケイ・セケ・コゥクでデミウルゴスさえ抑えれば他の奴らがどう騒ぎ立てても簡単に制圧できる。
それにルンギースもその効果が本物ならば嬉しい誤算だ。
アルベドの見立てでは名犬ポチがこの世界にいる可能性は高い。
至高の御方達はナザリックから去る時はいつも円卓の間や玉座の間などナザリック内でその気配を消していた。
だが今回の名犬ポチだけは違う。
アルベドの記憶が確かならば、ナザリックの外へ出て行き行方が知れなくなっている。
今までの至高の御方のようにナザリック内で気配が消えたわけではないのだ。
事情が違う。
至高の御方達が暮らすリアルに帰っているとは限らない。
いないならそれでいい。
だがもし、いるのなら間違いなく殺す。
仮にモモンガ様の前に姿を見せるようなことがあればモモンガ様がどのような行動に出るか分からない。
最後の言葉を聞く限りでは怒りを、恨みをぶつけ、決別してくれる可能性もある。
だが慈悲深きあの御方はきっと許すだろう。
そして名犬ポチに連れられナザリックを去ってしまうかもしれない。
そんなことは認められない。
もうモモンガ様が目を覚まさなくてもいい。
もうモモンガ様の声を聞けなくてもいい。
もうモモンガ様に触れて頂けなくてもいい。
名犬ポチが、他の至高の御方がいなければもうモモンガ様は心を取り戻すことはないだろう。
だが、それでいい。
モモンガ様が去る恐怖に耐えるくらいなら、物言わぬモモンガ様に永遠に寄り添い続ける。
私はもうそれだけでいい。
何があろうとモモンガ様をナザリックに縛り付ける。
だから殺す。
邪魔になりそうな存在は残らず殺す。
仲間だろうが殺す。
自分の創造主だろうが殺す。
殺す。
名犬ポチは必ず殺す。
必ず、消す。
◇
名犬ポチは今更とてつもないことに気付いてしまった。
もしかして俺の言葉って通じてないんじゃね?と。
この考えに至ったのはニグンという男の存在である。
めちゃくちゃ気持ち悪い男だがこいつは自分の言っていることを大体だが察せられるらしい。
ここでふと気づいたのだ。
俺ってわんしか言ってねぇ、と。
やたら話合わないと思ってたんだよなー、おかしいと思ってたわ。
そしてこうなるとこのニグンという男の価値は急上昇。
捨て置くのは勿体ないので連れて歩くことにした。
気持ち悪ぃけど。
とりあえずカルネ村の連中には挨拶をして今はエ・ランテルという街へ向かっている途中だ。
道中暇なのでニグンにスレイン法国という場所のことを聞いていた。
「わん(へぇ、その漆黒聖典とやらが法国の最大戦力なのか)」
「そうなのです! ただ口惜しいことに最近漆黒聖典から裏切り者が出ましてね、クレマンティーヌという女なのですが法国の恥です! ああ、全く許しがたい大罪です!」
「わん(濡れマンてぃーぬ? すげぇな、そんな名前の奴いんのかよ。イカレてんな)」
「ええ、全くその通りです! 神のお怒りもごもっともです! 神に仕える我が国の宝を盗むなど神への冒涜です! ですがどうか気を落ち着けて下さい。すでにクレマンティーヌの兄のクアイエッセという男が追っています。あの男に任せれば大丈夫でしょう」
「わんっ!?(卑猥でっせ!? おいおいマジかよ、その兄妹終わってんな)」
はぁ、ニグンも十分おかしいし法国は変態しかねぇのかよ。
法国って未来に生きてんだな…。
法国という国への警戒心を一段階上げる名犬ポチ。
あー、ニグンには法国に帰りましょうってずっと勧められてるけどやっぱ法国はねぇな。
うん、絶対行かない。
とりあえずエ・ランテルに向かって正解だったわ。
名犬ポチは改めて法国に近づくのはやめようと心に決めた。
まさかこの思い違いが自身の命を救うことになるとは夢にも思わぬ名犬ポチであった。
良かったね!
次回『法国の落日』アルベトさん注意警報。
ここから死人が出てくる予定です。
アルベド視点は殺伐としていくかもしれません。
ご注意下さい。