今回は、台湾ウイスキーのカバランから、ディスティラリーセレクトを飲みます。

5000円で買えるカバラン

kavaran_ds_カバランは台湾ウイスキーでありながらもWWAやISCといった世界的なウイスキーコンペでも高い評価を得ています。

亜熱帯の気候ながら、山岳部の標高は4000mを超えて雪も降る場所もあり、寒暖差の激しい環境にあります。

さすがに熟成過程でのエンジェルシェアと呼ばれる原酒の蒸発率がスコッチなどより高いため、長期熟成に向かない反面、短期間でまろやかなウイスキーに仕上げられる点が特徴と言えます。

しかしながら、ノンエイジのシングルモルトでありながらも、ボトルの値段は1万円を超えるなど、そうそう手に入れるのが難しい存在でした。

しかし、今回採り上げるディスティラリーセレクトでは、実売で5000円以下という値段で、12~15年もののシングルモルトスコッチを飲む人でも手に取りやすい価格になっています。

カバランらしさは変わらず

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少し濃いめの琥珀色、香りは洋梨が圧倒的です。

口に含むと、アルコールの刺激は少なく、先に訪れたナシの後、レーズンが追いかけてきます。後々になると、カカオの香ばしさが広がります。

味わいは酸味が主体で、アルコール由来の辛みは感じられません。熟成期間が短いとは思えないほどのまろやかさがあります。

ロックにすると、青リンゴとピートが揮発するように鼻を突き抜けます。その後はライムの爽やかさが続きます。

味わいは、酸味が更に強くなり、苦味が追いかける印象です。

最後にハイボールでは、ナシ、青リンゴの香りが口に広がり、後からピートのスモーキーさも感じられます。

味わいは、酸味自体が穏やかになり、飲みやすさを得られます。

カバランの特徴である、フルーティで爽やかな香りが豊かに感じられる点はコンサートマスターと変わらず、半分の値段で頂けるのはお得と言えます。

700mL、アルコール度数40度、価格は5000円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り A: 洋梨の香りが強く、後からレーズン、カカオ。加水でピート、ライムが広がる。
  • 味わい B: アルコールからの辛みは殆ど無くてまろやか。酸味が主体。
  • 総評 A: カバランの入門編にぴったり。