【サッカー】麻也作る、新たな歴史 引退の楢崎・中沢追い続けた きょうアジア杯初陣2019年1月9日 紙面から
【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア王者を決めるアジア杯で、日本代表は9日午後3時(日本時間同8時)から当地で1次リーグF組・トルクメニスタンとの初戦に臨む。8日、試合会場で公式会見に臨んだ主将のDF吉田麻也(30)=サウサンプトン=は現役を引退した楢崎正剛、中沢佑二に対する敬意、憧れを明かし「チームとして成長してファイナルへと辿り着き、タイトルを獲得したい」と覇権奪還の決意を新たにした。 ◇ 吉田は神妙な面持ちだった。各国メディアで埋まった記者会見場で、レジェンド2人に対して抱いてきた畏敬の念を包み隠さず、打ち明けた。 名古屋グランパス時代の先輩、楢崎について、吉田は「ずっと憧れで、背中を追い続けた選手だった」。GKとセンターバックというポジション柄以上に人として、プロとしての心構え、成長への指針を与えられ、考え、大きく育んできた。 そして、もう一人。中沢の代名詞だった「背番号22」を引き継ぎ、「ずっと追いかけてきた。正直、今でも正直、見えない背中を追いかけている。試合数もゴール数も、まだまだ追いつけていない」。 代表通算110試合出場、DFとして最多17得点の中沢に対し、吉田は通算89試合出場、10得点。常に比べられる中沢の存在は、追えば逃げてしまう虹のようだった。同じセンターバックの後継者として、その背に迫ろうとすることこそが、今も変わらぬ進化への原点、原動力だった。 昨夏のW杯ロシア大会で、2人が残した「W杯16強」という戦績に肩を並べた。22年W杯カタール大会で8強以上に進出するべく、アジア杯は重要な第一歩となる。 「新たなメンバーが誇りと責任を持って、新たな歴史を作るために戦っていく。そういう意味で、とても大切な大会になる」と吉田。敬愛する楢崎、中沢の魂と思いを受け止め、使命を引き継ぎ、アジア王座の奪還に挑む。
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