【過去問題】
28歳の女性。下顎左側第三大臼歯の抜歯を行った。帰宅後に抜歯窩からの出血がとまらないため再度来院した。
診察の結果、止血処置を行うことになった。
準備するのはどれか、2つ選べ

a 骨蠟
b 骨バー
c 骨ヤスリ
d ゼラチンスポンジ

第26回 歯科衛生士国家試験より
午前 問題105

シカカラ過去問解説

<正解>
a,d

28歳の女性は、帰宅後に抜歯窩からの出血が止まらないことから、抜歯後異常出血が疑われる。
抜歯後異常出血は、15分程度の圧迫止血を行っても止血しない場合や、一度止血しても再び出血がみられる場合をいう。
抜歯後異常出血の約90%は抜歯窩内の炎症性肉芽組織の取り残しによるものであり、抜歯窩内からの出血がとまらない場合はまず取り残した組織を搔爬してから止血処置を行う。
止血の際は、骨蠟(ボーンワックス)を使用するか、ゼラチンスポンジや酸化セルロースなどの可吸収性の局所止血薬を塡入する。
骨蠟はミツロウを主成分とする骨髄止血剤で、骨の断端に圧接することで、骨からの出血を物理的に阻止できる。

骨バーは骨の削除や歯の分割に用いる。
骨ヤスリ(ボーンファイル)は鋭利な骨縁を丸めて滑沢にするのに用いる。