「痩せの大食い」のヒミツを解明。食べても太りにくい食事術

 

実験用に用いられる肥満の遺伝子をもったラットは、通常の餌を食べても肥満になっていきます。通常のラットを低温の部屋で飼育をすると、当初は寒さによる震えで熱を作り出して、やがて通常の食事によって体熱産生を行います。ところが肥満遺伝子をもった元々太りやすいラットを同じ条件下で飼育した場合、震えて熱を作り出しても、その後、食事による熱産生が行われずに死んでしまうそうです。

これは肥満体質の人のDITが低いということの一つの証と言えそうです。一方で、DITは努力によって上げていくことも可能です。単純にたくさん食べることでDITは上がります。また、代謝は既に高い時ではなく、低い時に食べることでより効率よく上がります。

問題は何を食べるかということです。三大栄養素とはエネルギーをもつ栄養素ということなので、DITは三大栄養素によってあがるわけですが、その割合については脂質が7%、糖質(炭水化物)10%、タンパク質が30%となっていて、圧倒的にタンパク質が効果的といえます。

また、体内では過剰摂取分は脂肪として蓄えられますから、タンパク質も糖質も脂肪へと変化する可能性がありますが、いずれもその過程において20%程度エネルギーとして使われていきます。ところが、脂質に関してはほぼ変化なくそのまま脂肪細胞に蓄えられてしまうので、そこでのエネルギー消費は行われません

つまり、タンパク質はDITを上げることによって太りにくく、一方脂質はDITを上げにくい栄養素ということになり太りやすいわけです。加えて脂質は1gあたり9kcalと圧倒的な高カロリーという点も影響しています。

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