スポーツが強く、勉強もできる。そんな「文武両道」を実現している都道府県はどこか。高校スポーツの強豪校と、江戸時代の藩校までさかのぼった勉学の名門校の系譜を探っていこう。

 高校スポーツ最強県  野球は西高東低 一強から戦国時代へ

 サッカーなら静岡──。高校スポーツの最強県と聞いて、思い浮かぶのはこんなところではないか。もっとも近年は、かつてのスポーツ王国が脱落するケースも珍しくない。

 ここでは、「高校スポーツ都道府県番付」を作成してみた。対象は、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールの4種目。いずれも全国大会となると4000以上の高校が参加する、注目度の高い団体競技だ。この4種目について、戦後の優勝、準優勝の実績を基に集計した。

 総合順位トップ3は東京、大阪、愛知と大都市圏に集中したが、4位には秋田が食い込んだ。“米どころ”秋田を上位に押し上げた要因は何か。以下、番付の内容を詳しく見ていこう。

 まずは野球。日本列島が猛暑に見舞われるお盆の時期に、多くの野球ファンをテレビにくぎ付けにさせるのが夏の甲子園大会。記憶に新しい2015年の決勝戦では、東海大相模高(神奈川)が仙台育英高(宮城)を倒した。仙台育英高といえば高校野球の決勝戦に度々進出する常連のイメージがある。

高校野球は「西高東低」。東北地方の高校はこれまでに優勝経験がない(写真は東海大相模高対仙台育英高) Photo:JIJI

 だが実は、仙台育英高を含めて東北勢は春夏の甲子園大会での優勝経験が一度もない。決勝までは進むものの、あと一歩及ばず、なのだ。

 強いのは西日本勢だ。1位の大阪は、戦後、春夏の甲子園大会合わせて20回の優勝経験があり、大阪桐蔭高、PL学園高、履正社高と強豪校がひしめく。2~4位は大都市圏だが、5~11位は愛媛、和歌山、広島、高知、兵庫、徳島、京都と、西日本のオンパレード。高校野球は「西高東低」である。