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【芸能・社会】

<BOYS AND MEN いざ見参!! 1.14名古屋夢祭り> (上)お金なさすぎて…

2019年1月8日 紙面から

ナゴヤドームでの単独ライブに向け意気込むBOYS AND MENの(前列左から)辻本達規、田中俊介、水野勝、田村侑久、小林豊(後列同)吉原雅斗、平松賢人、本田剛文、勇翔、土田拓海=名古屋市中区で(布藤哲矢撮影)

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 名古屋発のダンス&ボーカルグループ「BOYS AND MEN」が14日に初のナゴヤドーム単独公演を開催する。結成当時から目標にしていた大舞台にいよいよ立つ10人。メンバーそれぞれの思いを、3日間連続でお届けする。初回は、2010年の結成から約3年続いた苦節時代について振り返ってもらった。(取材・構成=江川悠)

◆土田「名古屋でやれる」

 ボイメンは2010年、地元放送局メ~テレと連動したオーディション番組「IKEMEN☆NAGOYA」から誕生。ご当地の男性グループ未開拓の名古屋の土壌に、やっと種がまかれた。

 土田拓海(27)「エンターテインメントの夢をかなえるためには東京に行かないといけないと思っていたら、雑誌を見て名古屋でやれると。喜んでオーディションを受けました」

 初期メンバーは60人以上。谷口誠治プロデューサーが“男性版宝塚歌劇団”をイメージし、同年11月に旗揚げミュージカル「ストレートドライブ!」をスタートさせたが、当時はまだ素人の寄せ集め。客入りは悲惨だった。

◆田中「高架下で踊った」

 田中俊介(28)「けいこ場が本当に狭くて、そこに60人が箱詰状態。サイドステップをするぐらいしか動けないくらいのサイズ感でした。そのけいこ場がなくなってからは、(名古屋市内の)白川公園だったり高架下で、僕達の振動で止まっちゃうような、単1電池で動くラジカセで踊っていました」

 辻本達規(27)「外からの見え方は学生サークルと何も変わらない感じでしたね」

 12年2月、定期公演の演目からシングル「バリバリ☆ヤンキーロード」をリリースしてインディーズデビューしたが…。

◆平松「CD誰も買わず」

 平松賢人(24)「誰も買わなかったですね。僕たちが手売りで売った分しか売れないから、CDショップに行って『置いてください』とお願いしに行きました」

 アルバイトと掛け持ちしないと生活していけない。先行きに不安を感じたメンバーたちは、次々とレッスンから姿を消していった。

 小林豊(29)「現実的な部分でみなさん辞めていかれるので、そのたびに『次は自分かな』って思いましたね」

◆水野「500円が払えない」

 水野勝(28)「僕は原付で通っていたんですけど、お金がなさすぎてガソリン満タンの500円が払えなくなったときはいよいよヤバイなと。みんなお金なかったので、クリスマス直前に安くなるフライドチキンを90円のパンにはさんでみんなで食べたりしました」

 田村侑久(28)「僕は脱サラして親に内緒で(グループに)入ったんです。サラリーマンの時にためてたお金で何とか3年間生き延びたんですが、やっぱり人数も多かったのでその中で頑張って目立つのが難しいし、生活も厳しいし。きつかったですね」

      ◇

 名古屋を盛り上げたい-。その熱い気持ちが実を結ぶのはまだまだ先だった。荒波をかき分けながら進むボイメン号。しかし、島の影すら見えてこなかった。

 

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