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【サッカー】

森保ジャパン、“秘蔵っ子”塩谷が切り札 あすアジア杯1次リーグ初戦

2019年1月8日 紙面から

トルクメニスタン戦に向け、調整する(左から)酒井、南野、塩谷=アブダビで(写真は共同)

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 【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア王者を決めるアジア杯で、9日に1次リーグ初戦のトルクメニスタン戦を迎える日本代表は7日、当地のスタジアムで約1時間半、紅白戦形式の練習などで調整した。追加招集されたDF塩谷司(30)=アルアイン=がチームに初合流。バカンス先のマルタ島からはせ参じた指揮官の秘蔵っ子が、森保ジャパンの「ジョーカー」となる。

 まさか、まさか…。塩谷にとって、驚きの“吉報”だった。

 「(UAEで)何か必要なものがあったり、聞きたいことがあったりしたのかなと思った。ちょっとビックリしました」

 昨年12月28日のUAE国内のカップ戦後に長期休暇を与えられ、家族と一緒に訪れていたマルタ島でスマホが鳴った。広島時代の恩師、森保監督から直々に「力を貸してほしい」と伝えられた。すぐさまバカンスを切り上げるとアルアインの自宅に立ち寄り、約180キロの陸路をタクシーで駆け付けた。

 中東のクラブに所属する選手の日本代表選出は初めて。ただ、3年3カ月ぶりとなる復帰にも、喜びに浸る暇はない。その眼光は鋭く、戦士の表情だった。「日本代表はずっと目標の一つだった。呼ばれて満足するのではなく、優勝するために自分ができる最大限のことをしたい。自分の全てを、この日本代表のために出せたらいい」

 地の利がある。約1年半、UAEの強豪・アルアインでプレーしているとあって、中東選手の特長やスタジアムの芝質を含む特性、雰囲気を熟知。特に、1次リーグ第3戦の開催スタジアムはアルアインのホームだ。「特に言わなくても、みんな分かっている」と塩谷。選手としての皮膚感覚は、チームにとって貴重な知恵袋となる。

 広島時代は3バックの一角、アルアインでは左サイドバックを務めた。「いろんなポジションでプレーできる」のが最大の武器だが、特筆すべきは右足のロケット砲による得点能力だ。J1在籍5年間で計17ゴール。昨年12月のクラブW杯では、決勝のレアル・マドリード(スペイン)戦での1点を含む計2点を挙げ、森保監督は「ひょっとしたら攻撃のポジションでも(起用できる)」と示唆した。

 緊急招集ながら、代役以上の存在価値。遅れてやってきた男がジョーカーになるかもしれない。

 

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