【競馬・ボート・競輪】[競馬]シンザン記念 ヴァルディゼール、キャリア2戦目で制覇2019年1月7日 紙面から
「第53回シンザン記念」(GIII・6日・京都・芝1600メートル)は中団の内を回った単勝4番人気のヴァルディゼールが、直線内から伸びて抜け出し、新馬戦から2連勝で重賞を制覇した。北村友一騎手(32)は同レース初勝利、渡辺薫彦調教師(43)は2016年の開業以来、JRA重賞初勝利となった。後方追走から外を伸びてきた10番人気のマイネルフラップが2着、2番人気のミッキーブリランテが3着、1番人気のアントリューズは8着だった。 キャリア2戦目の馬はシンザン記念を勝てないというデータを破った。ヴァルディゼールが力強い走りで内から馬群をさばき、ゴール板を先頭で駆け抜けた。 プラン通りのレース内容だった。道中は7番手の内。戦前に渡辺師と北村友が練った策。馬場のいい内を選択し、じっくりと機をうかがった。最後の直線では、内ラチ沿いからやや外側へ切れ込むようにして先頭へ。迫るマイネルフラップとミッキーブリランテを封じ込んだところが、重賞初勝利の瞬間だった。 「ゲートが安定している馬ではないので、しっかりと好位でレースをしたいと思っていました。気性的にフワフワする面はありますが、それでも勝ってくれたのは能力の高い証拠。もっとポテンシャルは持っている」と鮮やかに勝利へと導いた北村友の表情が緩んだ。 管理する渡辺師にとってはこれがうれしいJRA重賞初勝利。くしくもジョッキー時代のナリタトップロードでの重賞初勝利(1999年・きさらぎ賞)も京都。「あの時は訳が分からない感じでしたね」と、懐かしそうに振り返ると「調教師もとても難しい仕事ですが、勝つことで報われる。これで流れに乗っていきたい」と気を引き締めた。 師にとって思い出の地で初タイトルを獲得したヴァルディゼール。「体形から考えてマイルぐらいかなあとは思いますが、今後はじっくりと考えていきたいと思います」と渡辺師は話す。 昨年はアーモンドアイがここから牝馬三冠を成し遂げた。2019年、同じロードカナロアを父に持つヴァルディゼールが、好センスを武器に次のステージを目指す。 (大野英樹)
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