「飲んで運転」１キロひきずり逃走、大学生死なす　千葉

　千葉県浦安市富岡４丁目の国道３５７号で２日午後１１時５０分ごろ、さいたま市緑区の大学１年梓隼輔さん（１８）が乗ったバイクに軽自動車が追突した。車は梓さんを引きずりながら周辺を約１キロ走行し、逃走。梓さんは頭を強く打ち、搬送先の病院で約５時間後に死亡した。

　浦安署は３日、自動車運転処罰法違反と道交法違反の疑いで、車を運転していた内装工内藤健一容疑者（４９）＝東京都江戸川区＝を逮捕した。署によると、「千葉市の実家や飲食店で酒を飲んだ後に運転し、動揺した。人を引きずったとは思わなかった」と話しているという。

　逮捕容疑は２日夜、飲酒後に浦安市の路上で車を運転しバイクと衝突した上、梓さんを救護せず逃走した疑い。

　捜査関係者によると、内藤容疑者は正月休みで帰省し、２日夜は自宅に戻る予定だった。梓さんを車底に巻き込んだ後、自宅方面ではない側道に入り、左折やＵターンをして振り落としたとみられる。路面には引きずられたような血の跡がついており、粉々になったヘルメットの一部などが散乱していた。

　現場は見通しのいい片側２車線の直線道路。梓さんは別のバイクに乗った友人とツーリング中だった。友人は梓さんの前方を走行しており、事故の瞬間を目撃していなかった。捜査関係者に対し「大きな音がして振り返ったら、梓さんのバイクが倒れていた」と説明している。

　事故を目撃したタクシー運転手が車を追跡し「銀色の足立ナンバーの車が二輪にぶつかるところを見た」と通報。駆けつけた署員が倒れていた梓さんとバイクを発見した。

　【過去の主なひき逃げ】

　▼２００７年２月、千葉県流山市　３２歳の無職男性が配送用の３トントラックにはねられ、約１・６キロ引きずられた。男性は即死しており、業務上過失致死容疑で逮捕された容疑者に救護義務違反（ひき逃げ）は適用されなかった

　▼０８年１０月、大阪市北区　梅田の交差点ではねられた３０歳会社員男性が約３キロ引きずられ、同市福島区の路上で死亡。１５日後に容疑者を逮捕。「飲酒して無免許」などと供述

　▼０８年１１月、大阪府富田林市　バイクの１６歳少年が軽ワゴン車に追突され、約５キロ離れた河内長野市内で遺体で発見された。追突現場から約７キロ引きずられた。容疑者は飲酒運転を認め「人を引きずっていたのは分かっていた」などと供述