【首都スポ】[高校ラグビー]桐蔭学園悲願の単独V王手! 東福岡を初めて花園で破る2019年1月6日 紙面から
◇全国高校ラグビー<準決勝> 桐蔭学園46-38東福岡準決勝2試合を行い、ともにAシードの桐蔭学園(神奈川)と大阪桐蔭(大阪第1)が決勝に進んだ。桐蔭学園はAシードの東福岡に46-38で競り勝ち、3大会ぶりの決勝進出。大阪桐蔭はBシードの流通経大柏(千葉)を31-17で退け、2大会連続の決勝に駒を進めた。昨春の選抜大会を制した桐蔭学園は、東福岡と両校優勝だった第90回大会以来8大会ぶり2度目で同校初の単独優勝を、前回大会準優勝の大阪桐蔭は初優勝をそれぞれ狙う。決勝は7日午後2時にキックオフ予定。 後半10分、桐蔭学園の背番号7、フランカーの渡辺が左中間インゴールに飛び込んだ。SO津田が慎重にゴールを蹴り込む。この時点で31-31。8大会前、第90回大会の決勝で両校が戦い、引き分け両者優勝となったスコアにくしくも並んだ。花園では過去4戦で1分け3敗。桐蔭学園にとって、東福岡は破らなければならない壁。このスコアで振り出しに戻ったのは必然だったのか。勝負はここから再び動きだした。 「50点取らないと勝てない。そういう試合だと思ってました」と藤原秀之監督(50)は言った。東福岡を相手に、守り切ろうとしても勝てない。攻め続けて、点を取って勝つ-。その思いはチーム全員に浸透していた。 同15分、渡辺が相手SOにビッグタックルを決めてボールを奪うと、すぐさま素早いパスが回り、WTB西川が勝ち越しトライ。さらにその3分後、津田がPGに成功して39-31。同21分にはいったん1点差まで迫られるが、25分にフランカーの西山が右中間にトライを決め、粘る相手を突き放した。
西山は今大会初先発で、渡辺は前戦の天理戦が初先発だった。「メンバーに入れなくて悔しい思いもしただろうけど、今日はビッグタックルを連発してくれた」と話した藤原監督は「今年目指したのはFWにもBKにも偏らないチーム。そして、登録30人全員が働ける層の厚いチームです」と強調する。 それは、次を見据えた言葉だ。決勝で戦う大阪桐蔭は昨季の準決勝で戦い、徹底したFW戦を挑みながら7-12で敗れた相手。立ちはだかってきたライバルを突破した桐蔭学園が、全員ラグビーで初の単独頂点取りに挑む。 (大友信彦) ▽桐蔭学園・西山(花園では対東福岡初勝利となり)「今までの先輩の思いを背負った。ファミリーで戦おうと思った。ファミリーで東(福岡)に勝った」 ◆レスリング練習桐蔭学園の勝負所でのトライは東福岡の攻撃をタックルで止め、ボールを奪って挙げた。その伏線になったのは昨年7月のレスリング練習だ。藤原監督の母校・日体大レスリング部の合同練習に参加し「バーベルやマシンを使っても鍛えられない筋肉の鍛え方や使い方、1対1で相手を倒す方法を学ばせてもらいました」(同監督)。ボールを動かしてのアタックには定評のあった桐蔭学園だが、今大会でコンタクトの強さが目立っているのには、そんな秘密トレーニングの成果もあった。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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