ヤクルトの育成ドラフト2位・松本友内野手(23)=BCリーグ福井=が5日、出身の福岡県で「地元の偉人」と語られていることを明かした。埼玉県戸田市内の選手寮に入寮。「読み返します」と持参したのは、自身が登場する道徳の教材だった。
「美しく輝く通学カバン~六年間奇跡~」。道徳教育のための一冊には、そんな見出しで始まる2ページがある。題材が松本だ。福岡県宇美町の宇美東中学時代の出来事で、兄のお下がりの通学カバンを大事に使い続けたことが語られていた。
説かれているのは、外見ではなく中身を磨くことの大切さ。送り主である筆者は、同中学で数学を教わった本屋敷耕三教諭だ。目標のプロ入りを実現した昨秋のドラフト後、手紙とともに実家に届けられた。
「君の許可なしに勝手に教材として取り上げさせてもらったときの教材です」。恩師からの粋なプロ入り祝い。「初心を思い出して、応援してくれる人のためにも頑張りたい」。内面で勝負する左打者が早期の支配下登録を目指す。 (小林良二)