今回は、長濱蒸溜所のブレンデッドモルト アマハガンを飲みます。

ブレンド技術習得のための多国籍モルト

amahagan_アマハガンは、厳密に言えばジャパニーズウイスキーではありません。

長濱蒸溜所のモルトは使用しているものの、まだ1,2年と未熟であるため、海外(スコットランド?)のモルトをブレンドして、複雑な香り、味わいを出すための習作と言って良いボトルになります。

そのため、ラベルにも「ワールドモルト」の表記がされています。

その点でも、ジャパニーズウイスキーとしてのアイデンティティーを理解している、真面目な会社なのかな、という印象を受けます。

未熟に感じられない完成度の高いブレンデッドモルト

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りはラム酒のような甘いものがあります。

口に含むと、意外にアルコールの刺激は少なく、先にマスカット、後からみかん、ナッツ、バニラ、栗と続きます。

味わいも、あまり辛みは少なく、軽い酸味の後で甘さが広がります。

ロックでは、グレープフルーツのような渋みのある香りが広がり、後からバナナ、バニラへと続きます。飲んだ後の残り香には栗の甘い香りを得られます。

味わいは酸味が非常に強くなり、ビターも目立ちます。しかし後味としては甘みも残っています。

ハイボールにすると、長濱モルトの未熟さを感じつつも、ニューメイクで感じられた栗、襖の香りが前に出てきます。
味わいは、酸味がほのかにするものの、後からは甘みが広がる印象です。

長濱以外のモルトも使っているそうですが、それでもニューメイクを飲んだときに感じた香りはなるべく殺さないよう、長濱モルトの比率を上げているように感じます。

他にはない独特な香りを得られますが、それでも長濱蒸溜所がこれから出すシングルモルト、あるいはブレンデッドはこうするつもりです、というビジョンを見せてくれたように思えます。

700mL、アルコール度数47度、価格は5300円ほど。
少量生産を考えると、一概に高いとも言えませんね。

<個人的評価>

  • 香り B: マスカット、グレープフルーツが先行。後からバナナ、バニラ、ナッツ、栗、襖。
  • 味わい A: ストレートでも辛みは少ない。酸味が前にくるが、後味は甘い。
  • 総評 B: 個性が光る、これからの長濱モルトに期待させる力がある。