【サッカー】堂安「圧倒的に勝つ」宣言 アジア杯あす未明開幕2019年1月5日 紙面から
【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】5日(日本時間6日未明)に開幕するサッカーのアジア杯で史上最多5度目の優勝を狙う日本代表は4日、当地で現地2度目の調整に汗を流した。チーム最年少のMF堂安律(20)=フローニンゲン=は、接戦を制して駆け上がった2011年大会の優勝に触れ「僕は、人と同じでは嫌。圧倒的に勝ちたい」と圧勝制覇を宣言。FW本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)の系譜を継ぐ左利きの“有言実行男”が、いきなりビッグマウス全開だ。 だいだい色に染まったアブダビの幻想的な夕焼けの下で、堂安は確固たる目標を描き切っていた。 「僕のことを知っている人は分かるかもしれないけど、僕は人と同じでは嫌。同じようなシチュエーションで、同じような結果では満足しない。何か違う結果で、国民の皆さんに自分たちの力を見せたい」 8年前の2011年カタール大会。川島(当時リールス=ベルギー)と吉田の退場劇、審判の偏ったジャッジ、香川(当時もドルトムント)の骨折離脱などアクシデント、不測の事態を乗り越え、日本は劇的に勝ち上がっていった。当時12歳の少年は実家のテレビにかじりついて見ていたと言い「『これ、どこの国や』ってとことも引き分けたりしていた。簡単な試合は一つもなかった」と振り返る。 激戦の中で、常に主役を演じ続けた本田(当時CSKAモスクワ)、香川と比較される立場とあって、堂安があえて口にしたのは「圧倒して優勝したい」-という壮大な野望だった。 「自分たちが大差や圧倒的な力で優勝できれば、日本の皆さんに実力を証明できると思う。難しい試合があるというのは分かった上で発言しているけど、圧倒的な力で勝てれば、みんな認めてくれるかなと思う」 劇勝、ドラマはいらない。静かに、淡々と完勝、圧勝を重ねる。アジア杯でデビューすれば、プロ中心で臨んだ1992年大会以降では最年少記録になるとはいえ、無知ゆえに発した言葉ではない。同じ中東のバーレーンで開催された16年U-19アジア選手権のMVPが、新年早々に打ち立てた“二十歳の誓い”だ。 「全ては自分たち次第だと思う」。新時代の幕開けを、自らの存在価値を、アジアを制圧して証明する。
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