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【首都スポ】

[大学ラグビー]きょうはしっかり泣け! 帝京大、V10ならず まさかの大敗

2019年1月3日 紙面から

ノーサイドの瞬間、抱き合って喜ぶ天理大(黒)と肩を落とす帝京大(赤)の選手たち=秩父宮ラグビー場で(大友信彦撮影)

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 帝京大、10連覇ならず-。ラグビーの第55回全国大学選手権は2日、東京・秩父宮ラグビー場で準決勝2試合を行い、帝京大(関東対抗戦1位)は天理大(関西Aリーグ1位)に7-29で敗れ、史上最多を更新中だった大会連覇は9で止まった。初優勝を狙う天理大は7大会ぶり2度目の決勝進出。31-27で早大(同2位)を振り切った明大(関東対抗戦4位)は2大会連続23度目の決勝進出で、22大会ぶり13度目の優勝を目指す。決勝は12日、秩父宮ラグビー場で行われる。

◇大学選手権<準決勝> 天理大29-7帝京大

 試合後のロッカールームで、泣き崩れる選手たちに、帝京大の岩出雅之監督(60)は声をかけた。「これまで9年間、たくさんのチームを泣かせてきたんだから、きょうはしっかり泣け」。3連覇が最長だった大学選手権の連覇記録を9まで伸ばし「絶対王者」と呼ばれたが、やはりスポーツに永遠はないのか。すべての歯車が狂ったような80分間だった。

 開始6分、SO北村将大(2年・御所実)が相手CTBシオサイア・フィフィタにタックルに行った際に負傷退場。交代でWTB宮上廉(3年・佐賀工)が入り、WTBの奥村翔(2年・伏見工)がSOに入ったが、「感覚の切り替え、目の前の状況に動物的に反応するのは難しかった」と岩出監督は振り返る。王者はリズムを失ったまま、前半はスクラムを押し込まれて、認定トライを献上するなど0-12で折り返した。

 後半早々、エースFB竹山晃暉(4年・御所実)の絶妙なキックパスでWTB木村朋也(2年・伏見工)がトライ。竹山が難しいゴールも決め、反撃開始と思わせたが……逆に13分、18分とトライを許し、29分にはPGを浴びて突き放された。絶望的な22点差を追い、必死にボールを動かすが、そのたびに天理大の迷いのないタックルを浴びて、スクラムで押し込まれ続けて、フルタイムの笛を聞いた。

 「スポーツの世界で10連覇は聞いたことがない。だから達成したかったけど、それがプレッシャーになってたのかも」と振り返った竹山は続けて「他校が研究して、強くなっているのも感じたし、こちらの層も薄くなっていた」と言い「でも、おごりや油断はなかった」と強調した。岩出監督も「最後までよく戦った」と選手をたたえた。敗北は次の勝利への始まりだ。新春の秩父宮で、伝説の王者の、新たな挑戦が始まった。 (大友信彦)

大学選手権10連覇を逃し、泣き崩れるFB竹山(右)を迎える岩出監督(大友信彦撮影)

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