無益なものは有害だ みずほ銀行店舗検索の地図

 みずほ銀行の支店について調べるために、銀行のウェブサイトのトップ頁から、【ATM・店舗のご案内】という頁を開いたところ、真っ先に目に飛び込んできたのが、次の地図だ。

みずほ支店-1


 ここまでは、よくある話で、地図上の地域をクリックしていくと、順次、詳細な地図が表示され、目的の支店に辿り着けるという仕組みだ。

 東京の支店を調べたかったので、早速、地図の「関東」の所をクリックしたのだが、反応がない。マウスの調子が悪いのかと思い何度もクリックしたが同じだった。

 どうも、地図上の「関東」は、どこにもリンクしていないらしい(私の使っているブラウザの設定では、リンクが設定されている所にマウスポインタを移動すると、マウスポインタの形状が、人差し指を突き出した右手のイラストに変化する)。

 ふと地図の右手を見ると、こんな表が表示されている。

みずほ支店-2


 結局、そこにある「東京都」をクリックして、目的の支店を調べることができたのだった。

 冒頭の日本地図は、店舗検索に何ら役立っていないどころか、リンクが設定されていると思わせて無駄なクリックをさせる点において、「有害」である。

 ウェブサイトの作成者が、「店舗検索なら地図を表示」という固定観念で地図を表示したものの、「何のために地図を表示するのか」という点を全く理解していなかったために、有害無益な地図を記載したのだろう。

 その後、みずほ銀行のウェブサイトを色々と見ているうちに、【ATM・店舗検索】という頁に辿り着き、そこには、次のような地図が表示されていた。

みずほ支店-3

 ここで、「東京都」をクリックすると、次の地図が出てくる。

みずほ支店-4

 更に、「文京区」をクリックすると、下記のとおり、文京区内の店舗の一覧が表示される。

みずほ支店-5


 不可解なのは、【ATM・店舗のご案内】と【ATM・店舗検索】が併存していることである。

 ウェブサイトの作成の担当者間での連絡が不徹底なのが原因だろう。

 けれども、外部の人間でも気づくことが、なぜ何年間も放置されているのか、不思議である(詳細は省略するが、上記の店舗検索に関する二つの頁は、遅くとも、2013年から併存している)。

なお、素材の提供をしていただいた、」みずほ銀行には、「ご意見・苦情」のフォームから、メールでお知らせをしておいた。







「新人王戦」の参加資格 条件を列挙する場合は、「または」か「かつ」かを明示する

 新しい年を迎えたが、今日の記事も将棋の話題だ。

 昨年、藤井聡太七段が、最後のチャンスとなった「新人王戦」で優勝し、元日の今日、豊島将之2冠(棋聖・王位)と「記念対局」を行った。

 対局の模様は、インターネットテレビ(ニコニコ生放送、Abema テレビ)で放映されたのだが、それぞれのサイトで、「新人王戦」の参加資格について解説をしている。

 今日の「素材」は、その解説なのだが、これまでと違って、最初に「改善案」を見てもらおう。

新人王-4

 藤井七段は、新人王戦を戦っているうちに、四段から、あっという間に七段になったため、棋士に課された3つの条件のうちの一つ「六段以下」の条件を満たさなくなったために、新人王戦は今回で「卒業」となったのだ。

 次に、ニコニコ生放送の解説だ。

新人王-2


 最初の二行をみてほしい。

 「26歳以下」「六段以下」が並んでおり、この条件が、「かつ」なのか「または」なのか、判然としない。

 下の3行は、「または」であることは明らかであるから、上の2行も、「または」と解するのが自然である。

 けれども、「または」と解すると、16歳の藤井七段は、あと10年間も参加できることになり、「または」と解するのは明らかに誤りである。

 条件がいくつか並んでいる場合、「または」なのか「かつ」なのか判然としない例は、しばしば見かける。

 次は、Abema テレビ。

新人王-3


 問題なのは、丸括弧内の「年齢26歳以下でタイトル挑戦挑戦経験者を除く」の記載だ。

 文法上は、次のいずれとも解釈可能だ。

 

● 「年齢26歳以下」で「タイトル挑戦挑戦経験者を除く」
● 「年齢26歳以下でタイトル挑戦挑戦経験者」を除く/p>



 「新人」を対象とした棋戦なのだから、前者の意味であることは明らかなのだが、文法上の曖昧さを文脈で補うのではなく、文法上も文脈上も「一義的」な文章こそ、分かりやすい文章である。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 いつもは、「素材」→「改善案」というパターンが多いが、今回は、初めての試みだ。

 推理小説でも、冒頭から犯人を明らかにする「倒叙式」とうのがあるそうだが、果たして、今回の試みは、成功しただろうか。



日本語教育研究者の資質

 文化庁の【日本語教育研究協議会 第5分科会】の議事録の一部だ。

 読むのは大変だろうから、ざっと眺めるだけでいい。

どういうことかと言いますと,表現の中には非常に汎用性が高い便利な表現がたくさんあります。例えば「どうぞ」という言い方がありますね。「どうぞ」はいろいろな場面で使えます。ドアをあけて迎え入れるとき,それから,飲み物や食べ物を振る舞うとき,物を渡すとき,それから,「いいですか」と聞かれて,許可を求められて「はい,どうぞ」というような,そういう,一つ覚えればいろいろに使える表現,最初のテーマで自己紹介の練習をします。そこで「よろしくお願いします」とせっかく練習したわけですから,今度は「お願いします」が言えればいろいろなふうに使えるということを伝えます。お店で物を買うときには,「これ,お願いします」と言えばいいわけです。「先生,はさみ,お願いします」は,「はさみを貸してください」という意味にもなります。それから,「書いてください」だったら,動作プラス(書くまねをして)「お願いします」と言えば,それは「〜てください」が使えなくても人にものを依頼する表現になります。そういうように,一つ覚えればいろいろに使える,そういう汎用性の高い表現をぜひたくさん覚えていただきたいと思いまして,ハンドアウトの資料3で,表現一覧表(発話目標)として書き出しましたものを,それこそ「しみ込むように」繰り返し繰り返し扱っています。これは予定にかかわらず,ある表現が使えそうな状況が生まれたら,機を逸さないように即その場で練習をするようにしています。
教師は5人で1クラスを担当しておりますが,教師間で申し合わせていますのは,全員が参加できる教室活動を目指すということです。先ほど申しましたように,耳が遠かったり,目が余り見えないという方もいらっしゃいます。どうやってそういう方が日本語を覚えていくんだとお思いになるかもしれませんが,そういう方でもあっても,私たちはクラスからはじき出さないように,みんな一緒に活動ができるということを目指しています。もちろん一緒にやるといっても無理はさせないように,そこのところを本当にすごく気をつけて,十分注意しながら,それでもともかく全員で力をあわせて一つのコミュニケーションが成り立つということを目指しています。
そういう場合に,教師の発話というのは,とにかく分かりやすさが第一だと思っています。ですから,学習者に正確な文法を要求しないのはもちろんのことですが,教師の方も,例えば助詞抜け文もありということで,分かりやすさ第一の話し方をしています。


 何行にもわたって文字がびっしりと並んでいる。

 一目見ただけで読む気が萎えてしまう。

 意を決して読み進めて行っても、右端まで行って次の行を読もうとすると、どの行を読めばいいのか戸惑ってしまう。

 一文ごとに改行し、空白行を挿入すれば、それだけで、ずっと読みやすくなる。

どういうことかと言いますと,表現の中には非常に汎用性が高い便利な表現がたくさんあります。

例えば「どうぞ」という言い方がありますね。

「どうぞ」はいろいろな場面で使えます。

ドアをあけて迎え入れるとき,それから,飲み物や食べ物を振る舞うとき,物を渡すとき,それから,「いいですか」と聞かれて,許可を求められて「はい,どうぞ」というような,そういう,一つ覚えればいろいろに使える表現,最初のテーマで自己紹介の練習をします。

そこで「よろしくお願いします」とせっかく練習したわけですから,今度は「お願いします」が言えればいろいろなふうに使えるということを伝えます。

お店で物を買うときには,「これ,お願いします」と言えばいいわけです。

「先生,はさみ,お願いします」は,「はさみを貸してください」という意味にもなります。

それから,「書いてください」だったら,動作プラス(書くまねをして)「お願いします」と言えば,それは「〜てください」が使えなくても人にものを依頼する表現になります。

そういうように,一つ覚えればいろいろに使える,そういう汎用性の高い表現をぜひたくさん覚えていただきたいと思いまして,ハンドアウトの資料3で,表現一覧表(発話目標)として書き出しましたものを,それこそ「しみ込むように」繰り返し繰り返し扱っています。

これは予定にかかわらず,ある表現が使えそうな状況が生まれたら,機を逸さないように即その場で練習をするようにしています。

教師は5人で1クラスを担当しておりますが,教師間で申し合わせていますのは,全員が参加できる教室活動を目指すということです。

先ほど申しましたように,耳が遠かったり,目が余り見えないという方もいらっしゃいます。

どうやってそういう方が日本語を覚えていくんだとお思いになるかもしれませんが,そういう方でもあっても,私たちはクラスからはじき出さないように,みんな一緒に活動ができるということを目指しています。

もちろん一緒にやるといっても無理はさせないように,そこのところを本当にすごく気をつけて,十分注意しながら,それでもともかく全員で力をあわせて一つのコミュニケーションが成り立つということを目指しています。

そういう場合に,教師の発話というのは,とにかく分かりやすさが第一だと思っています。

ですから,学習者に正確な文法を要求しないのはもちろんのことですが,教師の方も,例えば助詞抜け文もありということで,分かりやすさ第一の話し方をしています。


 単に読みやすくなっただけではない。

 一文ごとに、「ここは、こういう意味だな」と頭の中で反芻しながら読み進めることができ、文章全体の理解も容易になる。

 また、読み終わった後に、ざっと眺めれば、1~4行の塊ごとに、それぞれの要旨を思い出すことができ、記憶にも残りやすくなる。

 ところで、上記の議事録には、もっと驚くような「分かりにくさ」が潜んでいる。

西尾センターを退所してから,そのグループで,あるいはそのクラスで続くということはあり得ないわけです。


 「西尾センター」という施設があるのかと思ったら、そうではない。「西尾」というのは、発言者の名前なのだ。

 だったら、発言者は発言者と分かるように書けばいい。こんな感じである。

【西尾】 センターを退所してから,そのグループで,あるいはそのクラスで続くということはあり得ないわけです。


 こうしておけば、特定の発言者の発言だけを確認する場合にも、すぐに見つけることが可能になる。

 今回の記事の素材は、個人が趣味でやっているブログではない。文化庁の日本語教育研究協議会の議事録である。

 議事録を作成した文化庁の職員の意識の低さも問題だが、日本語教育の研究者は、こんな議事録を見て何も思わなかったのだろうか。思ったけれども、口を噤んでいるのか。声を上げたが、そのまま放置されているのか。

 いずれにせよ、私が文化庁に指摘して、改めてもらうほかはない。

 というわけで、文化庁のウェブサイトから「御意見」を送信した。

日本語教育-3

 ところで、注意深い読者は、冒頭に引用した議事録の中に「分かりやすさが第一」という記載があったのに気がついたかも知れない。こういうのを、ブラックユーモアというのだろう。

和久俊三と福沢諭吉の遠戚関係  同種の情報は、同じ形式で表現する

 「赤かぶ検事」で知られる、法廷ミステリーの第一人者の和久峻三が亡くなっていたことが分かった【和久峻三さん死去…「赤かぶ検事」シリーズなど手掛ける サンスポ 2018.12.30】。

  Wikipedia で調べているうちに、テレビドラマで初代「赤かぶ検事」を演じたフランキー堺の家族について、次のような記述を見つけた【Wikipedia フランキー堺】。

長男は和久峻三の娘と結婚している。次男の妻は福沢諭吉の曽孫の娘。


 長男に関する記述も、次男に関する記述も、単独で書かれているのであれば、「分かりやすさ」については、甲乙つけがたい。

 けれども、どちらも息子と有名人との姻族關係に関する記述なのだから、「同じ形式」で表現した方が、理解しやすい。

 こんな感じだ。

長男は和久峻三の娘と結婚している。次男は福沢諭吉の曽孫の娘と結婚している。

長男の妻は和久峻三の娘。次男の妻は福沢諭吉の曽孫の娘。



一瞬で分かるようにする

 様々な店舗の年末年始の営業予定がネットで公開されているが、下記の表は、【京都生協】のものである。

生協年末-1

 分かることは分かるのだが、「一瞬で分かる」とは言えない。改善案を示す。

生協年末-3

 これなら、否応なく「一瞬で分かる」。

以下に、改善点と理由を示す。

● 分かりきった情報は、書かない

 「日」や「曜」は書かなくても分かる。

● 意味のない情報は、書かない

 「全店」という記載があるが、特定の店舗は異なる場合には、「全店」と書く意味があるが、すべて全店共通なら、書く意味はない。

● 同じことは、同じ表現にする

 12月20日と1月3日の各閉店時間の記載は、それぞれ、「通常閉店」「通常閉店時間」と、異なっている。全く意味のない違いであり、読んだ側に、「どこか違うのか?」という無用な疑問を抱かせるだけである。




宗教改革


英語で読む高校世界史】の195頁に、ヨーロッパの宗教改革後の新教、旧教の勢力範囲を示す地図が掲載されている。

宗教改革


 新教(プロテスタント)と旧教(カトリック)の勢力範囲の、おおよその境界線が黒っぽい灰色の曲線で示されているのだが、その曲線の引き方が理解に苦しむ。

 新教は、ルター派、カルビン派、イギリス国教会であり、それぞれの勢力圏は、薄緑薄紫薄灰紫で着色されているのだから、その部分と旧教のピンク色の部分の境界に曲線を引けばいいはずである。
 
 ところが、地図上の、現在の国名で言えば「チェコ」のあたり(下の地図の赤線で囲った部分)はルター派なのだが、ドイツとの間に新旧の境界線が引かれて、旧教側に組み入れられており、はっきり言えば、「間違い」である。

 もちろん、新教、旧教の「おおよその」勢力圏を示すという目的から、飛び地のようなところは、無視するのもやむを得ない。たとえば、南フランスには、新教であるカルビン派の地域(下の地図の赤の点線で囲った部分)があるが、これが曲線の南側、すなわち旧教側に組み入れられているのは、やむをえない。

 ところが、「チェコ」のあたりのルター派は、ドイツと繋がっているのだから、ここを切り離して旧教側に組み入れるのは理解に苦しむ。

宗教改革-2


 ここまで書いて改めて思ったのだが、どうして、名の通った出版社の教科書に掲載されている図に、どうして、こんな明らかな誤りが掲載されて、放置されているのか、という問題である。

 個人がネットに掲載している地図なら、その個人の思い込み、不注意などによって、誤った、理解に苦しむ情報が掲載されるのも、「やむをえない」と言わざるを得ない。このブログも、私一人で作っているため、気がつかない誤りが潜んでいるかも知れない。

 けれども、今回の素材として取り上げた書籍は、元は、高校の教科書である。一般の書籍以上に、念入りに校正がなされていると思うのだが、それでも、こんな誤りが放置されているのである。

 素材を提供してくれた出版社には、メールを送っておこうと思うが、これまでの多くのケースと同じく、「貴重なご意見、ありがとうございました。今後の当社の業務の参考にさせていただきます」と言った定型文の回答が自動送信されてきて、「それっきり」ということになるのか、実際に次の版から改訂されるのか、楽しみである。

ゴミ処理場の受付時間 無駄な色分けはしない

 年の瀬も押し詰まり、大掃除のゴミ処理に頭を悩ませている人もいることだろう。京都市では、市民がゴミを処理場に持ち込む際の受付時間がネットで公開されている【持込ごみ(有料)の受付について】。

ゴミ年末-1

 ○×の記号と、背景色の肌色とを併用している。背景色が肌色のところは、すべて、「×」印があり、受け付けないということらしい。では、逆に、背景色が白色なら受け付けるのかというと、必ずしもそうではなく、昼休みだけは受け付けない日があり、その箇所には、「×」が付けられている。

 結局、受付の可否は、背景色だけでは判断できず、○×を確認する必要があるのだ。

 他にも色々と問題があるので、作り直したのが、以下の表だ。

ゴミ年末-05

● 背景色白は「○」、背景色灰色は「×」とした。 色と文字の対応

 同じ背景色で○も×もあるというのは、誤解の元であり、改めた。

● 肌色を灰色にした。  イメージに合致した色

 その上で、受付をしない場合の背景色は、灰色にした。肌色よりも、灰色の方が「窓口が閉まっている」というイメージに合致するからだ。
 「イメージに合った色を使う」というのは、とても大事なことだ。仮に受付をしない時間帯を緑にしたら、受付をしてもらえると誤解する人が多発することだろう。

● 項目は複数日をまとめず、すべて、1日ずつとした。  無駄にまとめない

 元の表のようにまとめてしまうと、何日間か連続して、休み、あるいは、受付可能なのかが、直感的に分かりにくい。項目の日付けを1日単位にしておけば、そのようなことはない。

● 午後の受付の終了時刻を、赤の太字で表示した。  誤解のないよう注意を喚起

 「午後」というだけで、17時まで受付と誤解する可能性があるので、16時半で終了という点を強調したのである。

● 日曜は赤、土曜は青、年末年始休暇は背景を薄い赤にした。

 元の表では、一般に休みとされる土日と年末年始は全部が赤になっていて、メリハリがなかったが、こうすることによって、それぞれが際だって、理解、記憶に役立つと思われる。

 今回と同じテーマについては、以前の記事【医院の診療時間は、こう書く】【営業時間の表示は、こうする】【医院の診療時間は、こう書く】を参照されたい。

 ところで、元の表では、なぜ、あのような表現をしたのだろうか。

 理由は、処理場の職員の立場に立って考えれば理解できる。

 肌色の背景色を付けた日は、一切、受付をしない、完全に休みの日である。

 白の背景色の日は、出勤日である。

 そして、出勤日であっても、昼休みに受付をする日もあれば、しない日もあり、それは、○×で区別したのである。

 これに対して、利用者の立場では、受付ができるのは、いつか、と言う情報だけでいい。昼休みの時間帯に受付ができないというのであれば、その日が職員の出勤日か否かなど、余分な情報である。

 結局、情報発信者の側が、情報受信者にとって何が意味のある情報であるかを考えずに、発信者側で意味のある情報を、そのまま提供したことが「分かりにくさ」の原因である。以前の記事【内部の論理は、内部に留める】に書いたのと同様のことである。




スマホなどの保有状況の推移  時系列データは、折れ線グラフに限る

総務省、「平成29年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」を公表】という記事の【平成29年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等】に掲載されているグラフからの引用だ。

ネット機器-1

 改善案は、これだ。

ネット機器-6

 改善案を見てすぐに分かるのは、保有率の高い上位4つの機器の順位に変動がないこと、その中では、トップのスマートフォンの所持率だけが上昇し、他の機器は減少していることだ。

 同じことを冒頭の棒グラフから読み取るのは、極めて困難だ。

 主な改善点と理由を、以下に示す。

● 棒グラフ → 折れ線グラフ
 時系列で変化するデータの表現は、折れ線グラフに限る。

● 携帯/固定ゲーム機 → ゲーム機(携帯・固定)
 大分類の「ゲーム機」を先に書き、その中の小分類を括弧内に書いたのだが、この方が、大分類の「ゲーム機」に目がとまり、分かりやすい。
 とりわけ、「携帯」は、「携帯電話」の略称として広く使われているため、「携帯」という文字を見ただけで、「携帯電話」を想起してしまうので、携帯電話以外の機器については、「携帯」という文字は、先頭に持ってこない方がいい。

● タイトル 保有するインターネット機器 → インターネット機器の保有状況
 「動詞+名詞」は英語的な表現であり、日本語としては、「名詞+動詞」の方が自然である。

● タイトルの文字の大きさ、場所を、意味の塊ごとに変えた。
 意味の塊ごとに外見を変えることによって、情報を読み取る速度が速くなる。
 とくに「図1」というのは、タイトルと渾然一体として記載するのではなく、タイトルから分離して右上端に配置することによって、他の「図2」「図3」・・・等から識別するのが容易になる。

● スマートフォンと携帯電話を同じ色にした。
 どちらも電話機能がある点で、他のネット機器とは異なるので、同じ色にした上で、機能の少ない携帯電話を点線にした。
 電話機能の点で代替関係にあることから、一方の増加分と他方の減少分が、ほぼ同じということもグラフから読み取れる。

● グラフの色塗りは、均一に
 元の棒グラフは、25年、26年については、斜線やチェックが施されている。他の年度が均一な単色であるのに、この2年度だけ、パターンが異なっており、違和感を覚える。
 このような不必要な装飾をするのは、初心者に多く、使える機能を可能な限り使いたいという欲求が大きいのだろう。

 改善案は、折れ線にしたので、そもそも、上記のようなことはないのだが、携帯電話については、実線ではなく点線を用いた。これは、電話機能を有するという共通点に着目して、スマートフォンと同じ色にしたので、両者を区別するために、一方は実線、他方は点線としたのである。


1月のラクラク基礎から講座日程表  かぎ括弧の奨め

 今日も、素材は将棋関係のブログ【ラクラク基礎から講座】だ。

1月のラクラク基礎から講座日程表



 「●●から」と書かれていると、次は、「▲▲まで」とか「▲▲へ」と続くのだと考える。

 ところが、ここでは、そうなっていない。

 「基礎から」の「から」は、「まで」や「へ」に対応しておらず、完結しているのだ。だったら、「見た目」にも、「完結」を明らかにしておけば、読者に、無駄な「予想」をさせる心配がない。こんな感じだ。

1月の「ラクラク基礎から」講座日程表


 数式では、数や記号のまとまりを明示するために括弧(丸括弧)を使うのは常識だ。

 文章でも、単語のまとまりを明示するために、もっと括弧(鍵括弧)を使っていいと思う。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 ブログ記事の表題では、いつも悩むのだが、最近、次の二つを組み合わせることが多くなった。
  ・ 素材の一部の引用
  ・ 「分かりやすさ」を実現する「技術」の簡潔な表現

 以前は、どちらかだけだったのが、後で見るときのことを考えると、これが一番だと思う。

 例えば、「表」の利用法について書いた記事は、表題に「表」という文字が入っていた方が、後から捜しやすい。

 他方、そういった技術的なことだけだと、記事の内容が浮かびにくい。具体的な素材からの引用が表題に書かれていれば、すぐに、どんなことだったかわかる。

 ずっと過去のことを表現する場合も、同じような関係だ。たとえば、「1280年頃」と言われてもピンと来ないが、「元寇の頃」と言えば、イメージしやすい。他方、今から、どれくらい前のことかと考えるときには、年代も入っていた方が分かりやすい。


たった一手間で、誤解を排除 助詞「が」「と」に注意

 今日も将棋の話題だ。このまま行くと、【棋ブログ更新状況一覧】に掲載されかねない。

 それはともかく、今日の素材は、【盤上の風景 将棋 加藤昌彦指導棋士六段 村山聖と殴り合った夜 毎日新聞 2017.3.27】だ。
 

将棋に負けて奨励会を去ることになった加藤昌彦と聖が、酒を飲んだ後で殴り合う印象的なシーン。


 「将棋に負けて奨励会を去ることになった」のは、「加藤雅彦と聖」か、それとも「加藤雅彦だけ」か。

 文法上は、どちらの意味か確定できない。

 多少なりとも将棋界のことを知っている人にとっては、「聖」というのは、「東の羽生、西の村山」と言われた逝世の天才棋士・村山聖のことなのだから、その「聖」が「奨励会を去る」ということはありえない。 

 また、そういった前提知識がなくても、少し前に「村山聖九段」という記載があるので、普通に読んでいれば、後に「九段」にまでなった「聖」が「(プロ棋士の研修機関である)奨励会を去る」ということはありえないことは、当然、分かるはずである。

 このように、背景知識、文脈から、誤解されるおそれは少ないのだが、読者のレベルは様々であり、「想定外」の読者もいるのだから、「誤解のおそれ」は、徹底して排除すべきである。

 もちろん、「誤解排除」のために、文章が長ったらしく、読みにくくなる場合は、「誤解排除」と「読みやすさ」のバランスをとる必要があるのは、いうまでもない。

 けれども、上記の引用文は、次のようにすれば、簡単に「誤解排除」が可能である。

将棋に負けて奨励会を去ることになった加藤昌彦、酒を飲んだ後で殴り合う印象的なシーン。


 ご覧のとおり、「が」と「と」を入れ替えるだけだ。

 日本語には、多数の助詞があり、外国人が日本語を習得する際には大変な障害のようだが、助詞は、文章の意味を明確にする上で極めて有用なものであり、文章を書く際には、常に、どの助詞を用いるのがいいか注意を払うべきである。




Wikipedia【村山聖】の添削

 今日も将棋に関する話題だが、羽生と並び称され、映画にもなった早逝の棋士、村山聖についての記事【Wikipedia 村山聖】 からの引用だ。

村山はかなりの「負けず嫌い」な性格で、将棋以外でも、特に囲碁や麻雀をやって、負けるとすごく悔しがっていた。生前、徹夜で麻雀に付き合った当時奨励会三段だった瀬川晶司は「なんて子供っぽい人だろう」と思い、「A級がそんな事を言うんじゃないでしょ」と言われたことがきっかけで、亡くなるまで瀬川と友好関係になった。


 意味をとれなくはないのだが、主語述語の対応が混乱するなど、色々と問題がある。【書き換え後のwikipediaの記載】がこれだ。

村山はかなりの「負けず嫌い」な性格で、将棋以外でも、特に囲碁や麻雀をやって、負けるとすごく悔しがっていた。生前、徹夜で麻雀に付き合った当時奨励会三段だった瀬川晶司は「なんて子供っぽい人だろう」と思い、「A級がそんな事を言うんじゃないでしょ」と言ったことがある。それがきっかけで、村山は亡くなるまで瀬川と親交をもった。


 改善点は、以下の点だ。

● 第2文を二つに分けた。 

● 「言われた」を「言った」にした。   (受動態 → 能動態

● 友好関係 →親交
    「友好関係」   国家、組織、これらを代表する人物などの関係
    「親交」 関係 個人の私的な関係
  それぞれの用例は、「友好関係」の用例 「親交」の用例 を参照されたい。

---- 追記 --------------------------------------------------------------------

 村山聖と瀬川昌司は、二人とも、その人生が小説や映画になっている。
 映画の解説は、
聖の青春】【泣き虫しょったんの奇跡】にある。


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前置きはいらない! 「フェルミ算」と「さくらんぼ計算」

 以下の文章は、昨日の【「さくらんぼ計算」って知ってますか?】で取り上げた記事の著者が書いた別の記事【AI時代の一流人材を作る「さくらんぼ種抜き検算」】からの引用だが、大変「分かりにくい」。とはいえ、「分かりやすさが第一」の素材としては最適なものなので、辛抱して読んでほしい。

今日の物理学は理論家と実験家が完全に分業していますが、最後の「大理論家かつ大実験家」であった物理屋として、エンリコ・フェルミ(1901-54)の名を挙げても、いささかでもまともな物理に関わる人なら、誰も否定しないでしょう。

 「原子の火」をつけた張本人でもありますが、何も知られぬ時代にゼロからそれを実現したので、被曝したいだけ被曝して、最期は凄惨な闘病生活であったことを、最も若いフェルミ教授の博士学生だったジェローム・フリードマン博士から直接伺ったことがあります。

 チャンドラセカール、南部、ヤンといったそうそうたる物理学者が、看病や心のケアに奔走した経緯を直接当事者からうかがったのは、私にとって一生の宝ものになっています。2004-05年にかけて、国連「世界物理年」の日本委員会幹事を務めたときにうかがいました。

 このフェルミ教授が、直観的に整合した計算であるかをざっくりと見積もる計算の達人中の達人であったのは、人も知る事実で「フェルミ算」といった言葉が現在でも使われています。

 AI時代に子供たちに求められる、最も重要な「計算能力」は、鶴亀算でもバブルソートでもなく、この「フェルミ算」だと断言して構わないと私は思っており、その原点が「さくらんぼ検算」にあると言えるかと考えます。


 お疲れ様でした。では、こんなふうに書かれていたら、どうだろう。

AI時代の子供たちに必要な計算方法は、もちろん「鶴亀算」ではありません。コンピューターのプログラミングの基礎で習う「バブルソート」でもありません。必要なのは、「フェルミ推定」です。

 「フェルミ推定」とは、厳密な数字はさておき、ざっくりとした数字を見積もる計算です。たとえば、「東京から大阪まで昼夜を問わず早足で歩き続けた場合、何日かかるか」という問題に対して、「早足だと時速5キロ、東京大阪間は500キロだから、100時間。1日は24時間だから、約4日」というふうに見積もる計算です。

 この「フェルミ推定」の原点が「さくらんぼ計算」にあります。


冒頭に引用した文章は、核心に至るまでに、周辺的なことを延々と述べている。具体的には、以下の諸点だ。

 ● フェルミ教授は物理学の大家であった。
 ● フェルミは、「原子の火」をつけた。
 ● その結果、被爆により凄惨な闘病生活を送ることになった。
 ● フェルミの看護のために、錚々たる物理学者が奔走した。
 ● 自分は、そのことを、国連のイベントの幹事を務めたときに、彼らから直接に聞いた。
 ● フェルミは、後に「フェルミ算」と呼ばれる計算の達人だった。

 一番最後は、「フェルミ算」の名前の由来を示すもので書いてもいいが、その前に書かれたことは、本筋とは何の関係もなく、有害無益である。

 ひょっとしたら、自分が、「錚々たる物理学者から直接に話を聞ける人物」であり、「国連のイベントの幹事を務める人物」であることをアピールしたかったのではないかと思ってしまう。

 もちろん、前置きが必要な場合もある。走り幅跳びでも、走り高跳びでも、適度な助走は不可欠である。だが、必要だからといって、100メートルも「助走」したら、まともな記録を出せるわけはない。文章も同じだろう。

 ところで、私が聞き直した文章は、不要な「前置き」を削除しただけでなく、若干の修正、補足を加えている。以下の諸点だ。

 ● 「バブルソート」について説明を加えた。 (一般に知られていない用語には説明を加える)
 ● 「フェルミ算」を「フェルミ推定」にした。 (一般的な名称を用いる)
 ● 「フェルミ推定」の具体例を示した。 (内容を理解してもらうには具体例で説明する)
 ● 「と断言して構わないと私は思っており」とか「にあると言えるかと考えます」といった回りくどい表現を、「です」「あります」という簡潔な表現に変えた。

 ところで、「分かりにくい文章」でも、「読む価値のない文章」なら、読まずに放っておけばいいのだが、この著者の文章のように「それなりに読む価値のある文章」の場合は、「分かりにくさ」は罪である。この著者こそ、「時間泥棒」の称号に相応しい。

 せっかくの「価値ある文章」である。著者には、立派に更生して、「分かりやすい」文章を書いてほしいものだ。多才な、この人の能力をもってすれば、決して不可能なことではない、と断言しても過言ではないのではないかと私は考えているのである。




「さくらんぼ計算」って知ってますか?

 「さくらんぼ計算」なるものが、話題になっているそうだ。
 
 「6+8」といった、繰り上がりのある、一桁の数の足し算に関し、小学1年生にも分かりやすくという趣旨で考案された計算方法で、こんな方法だ。

 【1】 10から8を引く。    (8に何を足せば10になるかを考える)    
 【2】 6を、4と2に分ける。  (2は、上記の答えの2)    
 【3】 2と8を足して、10にする。
 【4】 これに、残りの4を足すと、14。これが答え。

さくらんぼ-1


 6を4と2に分けるところが、上の図のように「さくらんぼ」のように見えるところから「さくらんぼ計算」という名が付いたようだ。

 「さくらんぼ計算」の存在を知ったのは、【「さくらんぼ計算」をけしからんと言う親の大問題】という記事を読んだからなのだが、この記事が、すこぶる分かりにくい。

 7頁わたって書かれているのだが、肝腎の「さくらんぼ計算」の説明は、2頁目の半ばになって、やっと登場するのだ。

 そこに辿り着くまでに、「さくらんぼ計算」について批判的な意見やあることや、その批判が的外れであることが書かれているのだが、対象となる「さくらんぼ計算」が何なのか分からないうちに、そんなことを読まされるのは、ストレスが増すだけである。

 こういった持って回った書き方は、ネット上の情報商材(英会話、投資、自己啓発等の電子書籍など)の販売サイトで目にすることが多いのだが、私なんかは、核心部分に到達するまでに、読む気をなくしてしまう。

 ただ、実際、そういった書き方が蔓延しているということは、それなりに集客効果があるのだろう。

 けれども、上記の記事は、そんな販売サイトの記事ではない。純粋に、「さくらんぼ計算」に関する批判を糸口に算数教育の方法論について真面目に論じているのである。持って回った書き方などする必要はない。むしろ、せっかくの記事を最後まで読んでもらえないというデメリットさえある。

 実際、私も、友人から記事のアドレスを教えられたときには、1頁目を読んで放り出したくなったくらいである。

 ただ、そうしなかったのは、せっかく、友人が教えてくれた記事を読まずに放置するのは申し訳ないという思いがあったからである。


表の作り方

 ある病院で受け取った領収書の一部である。

診察-1

 表になっているのだが、実に分かりにくい。

 一般に、表の一番上の行と左端の列は項目名になっており、それ以外のところに、実質的な内容が記載される。

 たとえば、1番上の行の左から3列目は「入院料」となっており、その列は、一番下の行まで入院料に関する情報が記載されているはずなのだが、実際は、入院料に関する情報は、すぐ下の行にかかれているだけで、その下は、入院料とは別の情報が書かれている。

 また、左端の列に書かれている項目名は、保険点数、区分、保険点数、区分、保険点数、区分と、「保険点数、区分」が3つ繰り返されている。

 そもそも、表にするのは、二次元の情報を、見た目も、二次元にして表現することにより、理解をしやすくすることにある。

 上記の表は、本来は、2行×24列の横長の表にすべきだったのだが、それだと用紙に収まらないので、3つに分けて、それを縦に並べたため、一般的な表とは異なった形式になったのである。

 そういうことなら、本来は2行の表であることを示すために次のように区切り線を入れ、項目名のところは色を変えれば、格段に分かりやすくなる。

診察-3

 こうすれば、1番上の行が項目名であるとの誤解は招かないはずであり、3行目以下とは全く無関係であることも分かるのである。





日産、ルノーの出資関係 矢印の活用

 ゴーン会長の逮捕で、改めて、日産、ルノーの関係が話題となっているが、この問題は経済紙では以前から取り上げられており、記事の中には次のような図が載っている【日産に迫る仏政府の影 ゴーン氏、ルノーCEO続投 日経 2018/2/16】。

日産-1

 「分かりやすく」図解をしたのだろうが、せっかく図解するなら、次のようにすべきだろう。

日産-2

 これなら、日産、ルノーの関係が対等ではなく、ルノーの日産に対する影響力は、その逆の3倍に及ぶことが一目瞭然であり、記憶にしっかり残るはずである。

 せっかく図を用い、その中で資本関係を矢印で表現したにも関わらず、矢印の表現力を利用しないのはもったいない。

 「矢印の表現力」とは、概ね、以下の点である。

 ・ 複数の要素の関係 矢印の両端
 ・ 上記の関係の方向 矢印の方向
 ・ 上記の関係の大小 矢印の太さ
 ・ 上記の関係の中身 矢印の線の種類(実線、破線、二重線)



---- 追記 --------------------------------------------------------------------

「影響力が3倍」と書いたが、実際は、議決権の3分の1を有していれば重要事項の決定のための特別決議を単独で阻止できるなど、単純に「3倍」という以上の力がある。


 

カリフォルニア州の司法試験

 【アメリカのロースクールに行かずに、育休中にカリフォルニア州の司法試験に合格した日本人弁護士がどんな勉強をしてたのか】というブログがあり、その中に、こんな一節があった。

試験内容
毎年2月と7月の最終火曜日と水曜日の2日間に亘って開催される、Essay(論文試験)5問、Performance Test(与えられた資料を基にシチュエーションに沿った書面を作成する試験。以下「PT」)1問及びMultistate Bar Examination(4者択一式の試験。以下「MBE」)200問の試験です。


 落ち着いて読めば分からないことはない。

 けれども、ネットに溢れる玉石混淆の膨大な情報の中から役に立つ情報を瞬時に取捨選択するのが習慣となっている私には、こんな文章を読むのは苦痛である。

 で、分かりやすく書き直してみた。

試験日

  年2回 2月、7月
  最終火曜日と水曜日の2日間


試験内容

  Essay 
     5問
     論文試験

  PT  (Performance Test)
     1問
     与えられた資料を基にシチュエーションに沿った書面を作成する試験 

  MBE (Multistate Bar Examination) 
     200問
     4者択一式の試験 



 冒頭の文章が分かりにくいのは、以下の点が原因だ

 ● 試験の日と、試験の内容という、異なった種類の情報が一文で書かれていること

 ● 試験の名称、略称、内容、問題数という様々な情報が、丸括弧や鍵括弧を多用して、一文に押し込められていること

 ● Essay と PT とで、内容の説明のレベルが異なること
     ( Essay は、「論文試験」と、問題の形式だけの説明だが、 PTは、より具体的な内容を説明している)

 書き直し後の文章は、単に「分かりやすい」だけではない。

 情報が「構造化」されており、記憶にも残りやすいはずである。





自己満足よりも、相手の理解

 京都市では、家庭ゴミなどを直接、市の処理施設に持ち込むことができるのだが、その説明書に、以下のような記載がある【持込ごみの受け入れについて】。

受付-1

● 標題
 標題が「持込ごみの受付時間」となっているが、受付時間に限らず、搬入場所などの説明もある。
 中身に即して「持込ゴミの受付の概要」とすべきである。

 なお、「ごみ」は「もえないごみ」のように平仮名が続く場合があるので、読みやすさを考えると「ゴミ」と書いた方がいいだろう。

● 受付時間
 「午前9時から正午まで」などとなっているが、24時間表記で数字と記号のみの方が、一読して理解しやすいし、記憶にも残りやすい。

● 休所日
 非常に分かりにくい。
 例えば第1土曜日は、どうなるのか? じっくり考えながら読んで、ようやく、第1土曜日は、原則として休業日だが、祝日の場合は受付をしていることを読み取ることができるのだ。

 分かりにくさの原因は、以下の点にある。
  ・ 受付できる日を「休所日」と裏から説明していること
  ・ 例外の説明をする括弧が二重になっていること

 以上の点を踏まえて作り直したのが、次の表だ。

受付-3

 これでも、受付曜日については、まだ、一読して分かるとは言いがたい。

 そんなときは、表にするに限る。

受付-4

 これなら、誤解の余地はない。

 次に、料金については、次のような説明がある。

手数料-1

 これも、非常に分かりにくい。
 
 一番上の表だけでは分かりにくいと思ったのか、250kgと1000kgの場合を例にして、グラフのような図と、黒板に見立てたものに書いた計算式とで説明をしているのだが、これが、輪をかけて分かりにくい。

 作成者が、それなりに工夫をしている跡は窺われるのだが、読み手に理解してもらえなければ意味がない。作成者本人は、「うまく説明することができた」と満足しているのだろうが、作成者の満足と、読み手の理解とは、一致するとは限らない。この点は、私も、常に自戒しなければいけないと考えている。

 そもそも、ゴミを持ち込もうと考えネットで情報を収集する利用者は、持ち込むゴミの量から料金が分かれば、それで足りるのだ。だったら、下のような料金表を載せておけば足りるだろう。
 
手数料-2

 料金表では、全ての場合を尽くすことができないのは当然だが、600kgを超える場合については、上のような説明をしておけば、比較的容易に計算できるはずだ。

 なお、料金表の右上の「ご注意!!」という吹き出し部分は、僅かだが左に傾けてみた。そうすることにより、そこに自然と視線が行き、注意喚起の目的に資するからである。



無駄な装飾は分かりにくさの原因

 先日、NHKの「クローズアップ現代+」で【暴言に土下座! 深刻化するカスタマーハラスメント】という番組をやっていた。

 飲食店やスーパーでのサービスが悪いと言って暴言を吐いたりする「カスタマーハラスメント」が以前と比べて酷くなっているとのことである。

 動画サイトのdailymotionで番組を見ることができるのだが、その中で、店舗などの従業員8万人へのアンケートの結果の集計が掲載されていた。

カスハラ-1


 グラフの表題が「顧客から受けた”カスハラ”の内容別件数」となっているのだが、文字の背景がごちゃごちゃして読みにくく、中央の”カスハラ”が”カスハラー”のように見えてしまう。

 白っぽい縁取りをした文字を、縁取りと同じ明るさの背景と黒っぽいアンケート用紙の跨がったところに配置したのが原因である。

 背景を、全て縁取りと同じ色にしてしまえば、どれだけ見やすくなるのか、上下を比べてみてほしい。

カスハラ-2





行為の主体は、主語でなくてもよい 「●●が結婚し」→「●●の結婚」

 以前の記事【タウリン1000ミリグラム】で、 45年前に自殺した天才CMディレクター、杉山登志のことを書いた。

 先ほど、【Wikipedia】 で杉山のことを調べたら、こんな一節があった。

秋川リサが21歳で結婚し、軽妙なスピーチを披露したがその2ヶ月後、自宅マンションで首吊り自殺を遂げた。


 てっきり、結婚の当事者である秋川リサが自分の結婚式で「軽妙なスピーチ」をしたのかと思ったのだが、後ろに自殺のことが書いてあり、「軽妙なスピーチ」をしたのは杉山だと分かった。

 Wikipedia には編集機能があるので、誤解の余地のないように次のような変更をしようと思った。

秋川リサが21歳で結婚し、その式で杉山は軽妙なスピーチを披露したが、その2ヶ月後、自宅マンションで首吊り自殺を遂げた。


 ところが、改めて、その周囲の記述を見ると、「年譜」という表題のもとに、年号と出来事が、主語を抜きに、例えば「1970年(昭和45年)妻と離婚。」のように書かれていた。

 そうすると、一か所だけ「杉山は」という主語を入れるのも、ちぐはぐな感じがして、「杉山は」とは書かずに、なおかつ、「軽妙なスピーチ」をしたのが秋川リサであるとの誤解を生まないような表現をしなければならない。そう考えて、次のように変更した。
 

21歳の秋川リサの結婚式で軽妙なスピーチを披露したが、その2ヶ月後、自宅マンションで首吊り自殺を遂げた。


 原文は「秋川リサが」という主語があったために、[結婚し」だけでなく、「披露し」も秋川リサの行為だと誤解される余地があったのだ。

 そこで、「披露し」の主語として「杉山は」と入れるのではなく、「秋川リサが」という主語を取り除いたのである。とはいえ、秋川リサが結婚したという事実まで取り除くわけにはいかないので、「秋川リサの結婚式」という表現で秋川結婚の事実を表したのである


 なお、冒頭の【Wikipedia】は、インターネットアーカイブに保存されている、私が修正をする前のものであり、現在のWikipediaの記事は、こちらを参照されたい。






「氏名を入力して登録して下さい」

 まず、この二つの文を読み比べてほしい。
 

【1】 赤ペンを購入して、校正をする。
【2】 赤ペンで書き込みをして、校正をする。


 どちらも、「●●をして、▲▲をする」という構造だが、●●と▲▲の関係は異なる。

 どう異なるのかは、下の図を見て考えてほしい。

何何して-1


 では、次の文は、どうだろう。

氏名を入力して、登録をする。


 氏名を入力すれば登録は完了するのか、あるいは、氏名を入力した後に何らかの操作をすることにより登録が完了するのか、分からない。図解すると、こういうことだ。

何何して-2


 結局、「●●をして▲▲をする」という場合、●●と▲▲の関係が不明瞭な場合は、読者をまごつかせることになる、ということだ。

 そんな場合は、こう表現するのがいいだろう。
 

【1】 氏名を入力し、次いで、登録をする。
【2】 氏名を入力することによって、登録を完了する。


 今回と同じ話題については、以前の記事【マウスの細胞を弱酸性液に浸し・・・】にも書いたことがある。


内容が同じなら、表現も同じにする

 弁護士ドットコム38号に労災給付と自賠責保険に関する裁判の解説が載っている。その中に、遅延損害金起算日につき、各裁判所の判断の違いを比較した表がある。

遅延損害金


 ぱっと見た瞬間、3つの裁判所で異なる判断をしたのかと思った。

 だが、第1審と控訴審の各判断を読んでみると、表現上の違いはあるが、起算日を「判決確定日」としている点では、違いがない。だったら、ことさら異なる表現をするべきではない。表現が異なれば、実質的にも違うのだろうという誤解を招きかねないのである。

 次に問題なのが、「第1審」「控訴審」「最高裁」という表現だ。どう問題なのかは、下の表を見てほしい。

審級

 左の列は末尾が「審」、右の列は末尾が「裁」となっている。

 つまり、事件の進行状況を、事件の進行段階から見たのが左の列であり、事件が係属し判断を下す裁判所から見たのが右の列である。

 記事のように異なる観点からの分類を混在させるのは、読者の思考を混乱させるだけである。

 どちらかの分類で統一する場合、私は、「裁」の方で統一するのがいいと思う。

 というのは、「審」は抽象的な概念であるのに対し、「裁」は、具体的な裁判所の場所、建物、あるいは、裁判官を意識させるものであり、より、理解しやすいからである。

 同じものを指す場合でも、できる限り、抽象的な概念を避け、具体的な実態をイメージできる言葉を用いるべきことは、以前のブログ、【フランチャイザーの・・・】の 【5】「加盟店」か「加盟者」か  にも書いたとおりである。









なぜ、一部の数字だけで納得できるのか

 本庶教授のノーベル賞をきっかけに、癌の治療薬オプジーボが脚光を浴びているが、癌の種類によって、オプジーボが効くものもあれば効かないものもある。

 実際に治療に使用するには、癌の種類ごとに国の承認を受けなければならないが、これに関連して、少し古いが、次のような記事があった【「オプジーボ」登場3年 がん免疫薬、見えてきた実像 日経 2017.7.17】。 

オプジーボはすでに5種類のがんで承認を得た。20種類以上で効果が期待されている。


  5種類、20種類と言われても、癌全体で何種類あるかが示されなければ、その意味するところは、分からない。

 ネットで調べても、80種類くらい列挙されているもの【国立がんセンター がん情報サービス】もあれば、20種類くらいのもの【がん治療.com がんの種類一覧】もある。

 さらに言えば、「5種類」といっても、胃がん、大腸がんなど、患者数の多いがんを含んでいる場合と、逆に、極めて症例の少ないがんのみである場合とでは、全然、意味が異なってくる。

 様々な事象について、数字を示されると、客観的な情報であり、何となく説得力があるように思えるのだが、実際は、上記のように、前提となった数字も同時に示されないと、何の意味もないということが、結構ある。

 これまでも、何度も書いたことであるが、残念ながら、こんな例が山ほどあるのが現状だ。

  【数字は、過去と比較してこそ意味がある
  【オーケストラは理系のサークル活動?
  【割合の単純比較は、危険 シートベルト不着用の危険性


 
 

棒グラフ、折れ線グラフ

 私自身、自ら「分かりやすさが第一」というブログを書いていることもあって、ネット上で、似たような記事がないか気を付けているのだが、今日、【ANA社員が解説"プレゼンの極意"】という記事を見つけた。

プレゼン-1

 中には参考になる指摘もあるので、ぜひ、目を通してほしいのだが、問題点もある。
 
 まず、この部分を読んでほしい。

プレゼン-2

 私は、最初、 「数値の増減=棒グラフ」を強調 と読んでしまい、意味が分からなかった。実際は、 「数値の増減を強調」=棒グラフ ということだった。

 そういうことなら、以下のように、意味のまとまりを視覚的にもひとまとまりにするのがよい。

プレゼン-3

変更点は、以下の点である。
 ● 「数値の増減を強調」を白の枠で囲った。
 ● 「=棒グラフ」を0.5行分だけ下に移動し、「数値の増減」「を強調」の丁度、中間に置いた。
 ● 「=」を右向きの矢印「」にした。 

 「数値の増減を強調」→「棒グラフ」
 「数値の推移を強調」→「折れ線グラフ」
 ということで、何となく分かったような気になるのだが、数値の「増減」と「推移」は、どう違うのか、私には理解できない。

 そこで、その具体例として挙げられているグラフを見ると、こうなっている。

プレゼン-4  プレゼン-5


 どう違うのか。どうやら、左は、時間的には2017年と2018年の二つの期間の数字の比較であるのに対し、右は、多数の期間の数字の比較という点で違い、前者は棒グラフ、後者は折れ線グラフを用いるべき、ということのようだ。

 つまり、どちらも、「増減」には違いなのだが、比較する時点が多い場合を「推移」という特別に別の言葉で表現しているようなのである。

 けれども、どちらも、「増減」であり「推移」であることには変わりなく、この言葉だけからは、作者の意図は理解できない。

 言葉だけで意図を伝えようとすれば、「二つの期間の増減」は棒グラフ、「多数の期間にわたる増減」は折れ線グラフ、と表現するほかない。

 それは、さておき、左側の、2017年と2018年の増減のグラフそのもにも、問題がある。

プレゼン-4

 ご覧のとおり、2017年の左に2018年が描かれているのだ。

 普通のグラフでは、時間が左から右へと経過していくように描かれている。実際、上の折れ線グラフは、そうなっている。ところが、この棒グラフだけは、それが逆行しているのだ。

 意味をとれない訳ではないのだが、見る側には、大きなストレスとなるので、よほど特別な理由のない限り、一般的な時間の流れと逆の表現は避けるべきである。




根拠として十分かを検証する 「毎年20人前後しか通過できない狭き門」

 史上最年少棋士、藤井聡太四段の誕生以来、将棋関係の記事を目にすることが多くなった。今日も、【ネット将棋「謎の強豪」正体は藤井聡太 感動さえ与えた 朝日 2018.11.8】という記事があり、そこに、こんな一節があった。

日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」の入会試験は、全国の将棋の秀才が挑んでも、毎年20人前後しか通過できない狭き門だ。


 何の問題もない記事のように見えるだろうか。

 「全国の将棋の秀才が挑んでも、毎年20人前後しか通過できない狭き門だ。」というのだが、入会試験を受けるのが仮に25人程度だとしたら、8割が合格できるのであり、決して「狭き門」ではない。

 調べてみると、今年は、「関東は48人中20人、関西は30人中11人が合格した。」【岩手から2人、成るぞプロ棋士 同時に将棋奨励会合格 岩手日報 2018.8.25】ということで、4割弱の合格率である。

 もともと地元では、みな「天才少年」だったわけで、それでも4割弱しか合格できないということであれば、「狭き門」と言ってもいいかもしれない。

 ここから、話を抽象化する。

 一般に、事実Aと事実Bの双方が認められて初めて結論が導けるという場合があるが、事実Aだけを書いて、直ちに結論を導いている例が多いのである。

命題


 このような論理飛躍をしてしまう原因としては、以下の二とおりが考えられる。

【1】 事実Bは、自分にとっては当たり前のことなので省略してしまう。
     上記の記事

【2】 結論を導くのに事実Bが必要だと言うことを理解していない。
     具体例
       【オーケストラは理系のサークル活動?
       【マグネシウムは、41ミリグラム
       【原因は一つだけとは限らない

 【2】の間違いは、まともな論理的思考力があれば、冒しようのない間違いである。他方、【1】の間違いは、「自分が知っていることは誰でも知っている」と思いがちなため、注意しないと、誰でも、つい冒してしまい勝ちなものである。







 

  

グラデーションは、こうする その2 米中間選挙の開票結果の判明時間

 今朝の羽鳥慎一モーニングショーで、アメリカの中間選挙の開票の話題が取り上げられていたが、その中で、各州の開票結果の判明する時間が地図で示されていた。

結果判明-1


 東から西へと順に判明していく過程を色のグラデーションで表現しているのだが、何とも分かりにくい。

 そこで、青から赤へのグラデーションで作り直したのが、次の地図だ。

結果判明-3


 グラデーションで表現する場合には、以下の点に気を付けないといけない。

  ● 凡例を見ずに地図を見ただけで順番がわかるように、色相の差を小さくする。
  ● 目に負担がかからないように、二色の間のグラデーションにする。

 グラデーションについては、以前の記事にも書いたとおりである。

 【グラデーションは、こうする 風雨の予想図
 【赤い州、青い州
 【グラデーションのフェイント


数字は、過去と比較してこそ意味がある

 今日の 「教えてもらう前と後」という番組で、「安倍内閣が憲法改正に向けて並々ならぬ意欲を持っている」ということを述べていたが、その根拠は、以下のものだった【第34回「池上彰が“どこよりも早く振り返る”2018年決定的瞬間」】。

【1】 先月の内閣改造後の閣僚20人中18人が神道政治連盟国会議員懇談会の会員である。
【2】 神道政治連盟は憲法改正を積極的に目指している。



神道政治連盟


 けれども、この論理は、極めて不十分である。

 たとえば、閣僚中に占める懇談会員の割合が、以前は5割にも満たなかったのが、今回は9割になったというのであれば、上記の結論を導くのも肯けるのだが、以前の割合は示されていない。

 そこで、調べてみたところ、次のようになっていた(空欄は不明)。

懇談会


これを見ると、過去に2回、閣僚中に会員が占める割合が90%以上になっている。そうすると、今回の改造で特別に割合が増えたわけではないことが分かる。

 また、仮に、与党議員の95%が会員だったとすると、閣僚の90%が会員というのは、何も特別なことではないことが分かる。

 今回の内閣改造で、閣僚中の会員数が90%だったという事実から特別な意味を読み取ることができるのは、
  【1】 時系列的に、突出していること
  【2】 与党議員中に占める会員の割合に比べて突出していること
 この2点が肯定された場合に限るのだが、【1】は事実ではないし、【2】は不明である。

 今回の論理の飛躍は、下記の記事で指摘した論理飛躍と同様のものである。

  【オーケストラは理系のサークル活動?
  【割合の単純比較は、危険 シートベルト不着用の危険性


小分けして表示する

 「人間が数十以上のものの数を数える際に、小分けにして表示すると数を早く数えられる」ということが「発見」されたそうだ【東大で“早く数えるコツ”が発見された 日刊工業新聞 2018.11.2】。

 記事には、以下のような図が載っており、実際に数えてみると、その通りだと言うことが分かる。

分割

 では、なぜ小分けすると早く数えられるのか。

● 理由【1】

 左端の図のように何の区切りもなければ、どこまで数えたかを常に目で追っていかなければならない。途中で一度でも目を離したら、どこまで数えたか分からなくなり、また最初から数え直さなければならない。

 これに対して、右端の図だったら、たとえば、右上のブロックから下に数えていくとしたら、2列目の上から二つ目のブロックまで数えたというふうに記憶することができ、目で押さえておく必要はなくなる。

● 理由【2】

 さらに、一つのブロックに数個しかはいっていなければ、一々数えるまでもなく、一瞬で、数を認識することができる。

----- 追記 2018.11.4 -------------------------------------------------------------------

「小分け」というのは、何も、「領域の中に境界を設けて分割する」ということに限らない。

数える対象の属性の違いによって「小分け」することも可能である。
 
分割-2

 境界を設けるよりも、対象の属性で小分けるする方が、数えやすいようだ。




図面から現場を想像する

 昨日の【エレベーターに関する基本情報】の左側のエレベーターの図を、もう一度、見てほしい。

会館-1

 エレベーターの籠の部分をよく見てほしい。何か、おかしくないだろうか。

会館-3

 ご覧のとおり、エレベーターの出入り口の横幅が、エレベーター籠の横幅の半分にも満たないのだ。こんなエレベーターは見たことがない。

 作成者のミスとしか考えられない。それにしても、多少なりとも想像力があれば、こんな図面は描けないのではないだろうか。

 私が、この間違いに気づいたのは、昨日の記事を、もう一度、見直していたときだ。

 図面を見て、その図面が表現している現場を頭の中で具体的に描いたのだ。そうすると、何とも奇妙なエレベーターだということが実感として分かったのである。

 文字や図面を見たとき、ややもすれば、その表面だけで理解しがちであるが、文字や図面は、結局は、現実世界を表現するための手段にすぎないのである。だから、文字や図面から現実世界を頭の中で徹底的に再現することによって、初めて、本当の理解ができるのだ。

 上に書いたことは、的確に表現できているとは言いがたいので、近いうちに、改めて、丁寧に分かりやすく説明しようと思う。

 

エレベーターに関する基本情報

 下の図面は、ある施設のフロアガイドの一部だ。

会館-1   会館-2

 
 左側のエレベーターの説明で「170名」とあるのに驚いた。

 一度に大量の来場者を捌くために、こんなに大きなエレベーターを設置しているのかと思った。

 だが、普通は大きくても10数人である。その10倍というのだから、よほど大きいのだろうと、これまで体験した、あちこちのエレベーターを思い浮かべているうちに、後ろに「1150Kg」とあるのが目に入った。

 ということは、「17名」の間違いということだろう。「横95cm」とあることからも、そうとしか考えられない。

 次に、右側のエレベーターをみてほしい。「搬入口用」となっている。

 おそらく、大型の楽器や什器を搬入するのに利用されるのだろう。病院のエレベーターでも、ベッドのまま患者を運べるように、奥行きが通常の倍くらいある。

 そこで、このエレベーターの大きさを確認したのだが、「高さ2m×横95cm」としか書かれていない。

 奥行きが分からなければ、どれくらいの大きさの物を搬入できるのか分からない。「搬入口用」と書きながら、もっとも重要な情報が欠落しているのだ。

 さらに、「高さ」「横」というのも曖昧だ。エレベーターの出入り口の大きさなのか、エレベーターの箱そのものの大きさなのか判然としない。これでは、どれだけの大きさの物を搬入できるか分からない。

 利用者の便宜のために情報提供しているはずなのに、肝心な情報が抜けていたのでは、意味がない。

 定員「170名」の間違いといい、情報の欠落といい、一人の作業であれば、間違いもありうるだろう。

 けれども、作成者自身がネットにアップした後に、もう一度見るとか、あるいは、事前に別の人がチェックするなどすれば、絶対に防げる問題である。

 裏を返せば、一人の人が作成し、それっきり、ということだろう。


----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 ここでは、「エレベーター」と書いたが、以前の【エレベータの開閉ボタン】【エレベータの階数ボタン】では、「エレベータ」と書いている。

 どちらを使うべきかについては、【NHK放送文化研究所 「エレベーター」「コンピューター」の表記】にあるとおり、かなり微妙な問題である。

 そんなこともあって、今回は、「エレベーター」と記載した。

 「不統一」ではあるが、同一記事内での不統一ではないので、特別に気にすることもないだろうと考えた次第だ。

元号と西暦の混在

 文部科学省のウェブサイトに国語審議会の頁がある【国語審議会

国語審議会

 見た瞬間、「これは何だ!」と思わず声を上げそうになった。

 元号表記と西暦表記とが混在しており、前後関係が、すぐには分からない。

 こういった不統一は、読み手にとって、はなはだ迷惑なことである。

 ----- 追記 2018.10.29 -------------------------------------------------------------------

「不統一」にも、いろいろあり、その弊害も様々だ。思いつくまま、整理してみた。

 ● 表記(表記の揺れ)

  コンピュータ、コンピューター
  プログラマ、プログラマー

  → 混在すると読みにくいし、いい加減な印象を与えるが、弊害の程度は知れている。

 ● 類義語

  書面、文書
  表示画面、画面
  ログイン、ログオン

  → 使っている本人は同じ意味で使っていても、相手は、別のものを指しているのではないかと悩むこともある。

 ● 単位

  1リットル、1000cc
  平成30年、2018年

  → 換算をすれば分かるのだが、読者に余分な負担をかけることになる。



 

只野はヤクザに絡まれた紀子をさっそうと助ける一人の男を目撃する。

 テレビ番組の解説【特命係長 只野仁(2003) 第7話「会長の秘密」 AbemaTV】に、次のような一節があった。

そんなある日、只野はヤクザに絡まれた紀子をさっそうと助ける一人の男を目撃する。


「絡まれ」まで読めば、只野がヤクザに絡まれたのかと思う。だが、直後の「た紀子」まで読むと、そうではないことが分かる。

次に、「助ける」まで読めば、只野が紀子を助けるのかと思うが、直後の「一人の男」まで読むと、そうではないことが分かる。

そうして、最後に、只野は「目撃」したことが分かる。

そんなある日、只野はヤクザに絡まれた紀子をさっそうと助ける一人の男を目撃する


 二回も誤読しかけたのは、「只野は」に対応する可能性のある動詞が、このように、3つ出てくるからだ。

 これに対して、「只野は」を「目撃する」の直前に持ってくれば、絶対に誤読のしようがない。

そんなある日、ヤクザに絡まれた紀子をさっそうと助ける一人の男を只野は目撃する


 要するに、主語に対応する述語は必ず後ろに来るのだから、主語の後ろに述語となる動詞が一つしかなければ、その動詞にしか対応しようがないため、絶対に誤読しないのである。

 なお、主語と述語動詞の関係が曖昧なことによる分かりにくさについては、これまでも、何度も記事を書いている。

 【目を覚ましたメリーは・・・
 【本人が弁護士とともに・・・
 【東京地裁で一人の男性が自殺
 

医大入試の男女差別の「救済策」

 東京医科大学の不正入試を巡って女性差別被害弁護団が結成されたという【東京医科大 女子55人不合格 弁護団「言葉がない」 テレ朝news 2018.10.24

 「女子55人不合格」というのが、どのような意味なのかが気になった。

 検討のため、以下のような説例を想定する。

 合格定員100名のところ、合格ラインを70点とすると、男子60人、女子40人が合格したはずだが、大学側は、男女比を7:3にしようと考え、男子の合格ラインを60点、女子の合格ラインを75点としたとする。

不合格-2

 上の図で、「B」の10人は、合格ラインの操作がなければ合格できたのであり、操作の被害者である。

 では、「C」の5人は、どうか。

 同じ、60~70点でも、男子なら合格したのに、女子であるがゆえに不合格になったのだから、男女差別の被害者とは言える。

 けれども、「C」の5人は、合格ラインの操作がなかったとしても、本来の合格ライン70点に届いておらず、合格はできなかったのだから、合格ラインの操作によって不合格になった、という訳ではない。

 冒頭の「女子不合格55人」というのは、本来の合格ラインに達していたのに不合格になった者(図の「B」に相当する)が55人という意味なのか、操作後の男子の合格ラインに達していたのに不合格になった者(図の「B」+「C」に相当する)が55人なのか、記事を読んでも、どちらか分からない。

 男女差別の救済策として、「B」の10人に追加合格を出すのは当然だが、「C」の5人に追加合格を出すのは、疑問が残る。

 とはいえ、男子は60点~70点で10人が合格しているのだから、その合格を取り消さない限り、「C」の5人に追加合格を出さなければ、男女差別ということになる。

 かといって、追加合格を出したら、本来、合格できなかったのに、大学が男女差別をしていたため、思いがけずも追加合格の恩恵にあずかれるわけで、割り切れないものがある。

 被害弁護団は、どのように考えているのだろうか?

----- 追記 2018.10.25 -------------------------------------------------------------------

 もう一度、得点分布表の数字に注目してほしい。

不合格-2

 出てくる数字は、40,30,20,10,5,100,60 と、全て異なった数字だ(10 だけは、男子の合格者を増やした分と同じだけ女子の合格者を減らすのだから、必然的に、同じ数字にせざるを得なかった)。

 同じ数字を複数箇所で使ったら、読者が混同しかねないからだ。

 この点については、以前の記事【兄の名前は「坂上二郎」】を参照されたい。

 なお、「D」は、元々は、50人だった。「C」の5人と合わせると、55人になる。そうすると、冒頭の見出しの「55人」と同じ数字となり、混同しかねない。そこで、50人を60人に変えた。こうすれば、混同のしようがない。

 自分で、こういった配慮をしながら、おそらく、ここまで配慮をして文章を書いている人は極めて希だろうと思う。けれども、決して難しいことをしているのではない。その気になれば、誰でもできるはずだ。

 要は、自分の文章を、他人に、迅速、的確に理解してほしい、という思いを、実行に移すか否かである。

 読者の皆さんは、自ら実践するのはもちろんのこと、可能な限り、このブログの存在を周囲の人に伝えて、広めてほしい。

 

切手の枚数は、こう説明する

 先ほど、大津家裁の家事受付係に電話して、申立に必要な郵便切手の種類と枚数を尋ねた。そのときの回答が、これだ。

全部で725円で、内訳は、それぞれ5枚ずつなんですが、82円、50円、10円、2円、1円です。


 大変分かりやすい。
 
 それが、実際よくあるのだが、こんなふうに言われたら、どうだろう。

82円切手が5枚で、50円切手が5枚で、10円切手が5枚で、2円切手が5枚で、1円切手が5枚です。


 ●  「切手」について尋ねているのだから、「切手」という言葉を5回も繰り返す必要はない。

 ● 全部、同じ枚数なのだから、最初に、そのことを言えば足りる。

 本件と同じ話題は、以前の記事【5円が5枚、100円が5枚・・・】にも書いた。

 さらに、冒頭の回答は、最初に総額まで言ってくれている。

 別に総額を言われなくても、個々の切手の枚数さえ言ってくれれば、それで用は足りるのだが、最初に、総額を聞いた方が、何となく、落ち着いて聞けるのである。しかも、電話を切った後で、自分で計算をして、最初に聞いた総額と一致すれば、間違いなく聞き取ったと安心できるのである。

  

 
 

辛味順位表

 ハウスの「こくまろカレー(甘口)」の箱に、辛味順位表が載っていて、同じハウスのバーモントカレーやジャワカレーとの辛さの比較ができるようになっている。
 
辛さ-1


 バーモント、こくまろ、ジャワと、段々辛くなり、それぞれに、甘口、中辛、辛口の3段階があることが分かるのだが、そう分かるまでには、じっくり、この表を眺めなければならない。

 けれども、もっとすっきりした表にすれば、そんなことは、一瞬で分かる。

辛さ-2


 ● 分かりきった「カレー」という記載は省略した。

 ● 同じ種類のカレーは、同じ行に並べた。

 ● カレーの種類は、左端に記載し、表の中には書かなかった。

 ● 上から下へ順に辛くなるように、こくまろとジャワを入れ替えた。

------ 追記 2018.10.23 ------------------------------------------------------------------

 右上に行くほど辛くするほうが、感覚的には馴染むような気がする。

 
辛さ-3



左下から右上へ その2  医学部入試での男女差別

 医学部入試での男女差別が話題になっているが、東京医大だけでなく他の医大でも広く男女差別が行われていることが明らかになりつつある。その記事の中で、次のような図表が使われていた【合格基準に男女差、疑い 他の医学部、一部受験生優遇も 文科省調査 朝日 2018.10.17】。

合格判定-1


 どうも、見にくい。一般的には、左下から右上に行くほど数値が高くなるというのが常識だが、上の表では、そうなっていないのが原因だ。

 そこで、作り替えたのが、下の表だ。

合格判定-2


 【左下から右上へ】にも書いた。

 ところで、表の中に、「男女ともに合格」「男女とも不合格」となっている点で、何か感じるところはないだろうか。

 合格の場合は「ともに」、不合格の場合は「とも」となっているのだ。

 無頓着に不統一な表現になっているような気もしたのだが、考えているうちに、それなりに合理性があるような気がしてきた。

 合格は嬉しいことなので、喜びを分かち合うという点で「ともに」が馴染むし、他方、不合格は、そっけなく「とも」という方が馴染むような気がする。

 どっちにせよ、大差ないのであるが、日頃から、こういった微妙な違いについて自分なりに考える訓練をしておくことによって、より的確な文章が書けるようになるはずだ。


--- 追記 ---------------------------------------------------------------------

 素材にした表は、新聞の紙面に掲載されていたもので、ネットには載っていなかった。


都道府県の比較は、こうする

弁護士ドットコム37号(2018.10.1)27頁に掲載された都道府県別の法律事務所のホームページ所持率を表した図表だ。
ホームページ-1


 とにかく、分かりにくい。問題点を列挙する。

● 日本地図上の各県に一本の「針」を根元から突き差し、その「針」の長さで所持率を表現してるが、

  ・ どの「針」が、どの県に対応しているのかを識別しにくい。
  ・ 「針」の根元の高さが様々なので、「針」の長短を比較しにくい。
  ・ 「針」の色分けに統一感がなく、所持率の高低と色の対応関係が直感的に分かりにくい。
  ・ 黄色の「針」は背景に溶け込み、見つけにくい(特に、栃木)。

● 特定の県(50%以上の全県、40%台の東京、10%台の山梨)は、地図に所持率を記載し、他の県は、表に記載しているが、

  ・どの県が地図上にあるのか表にあるのか、すぐには分からない。
  ・地図上の県名がローマ字になっており、ぱっと見には分からない。

 そこで、この図表を大幅に手直ししてみた。

ホームページ-4

 変更点は、下記のとおりである。

● 「針」の使用をやめて、都道府県の色分けにより、所持率の違いを表現した。

● 色分けに使う色は、所持率の高い県を濃い青とし、一番低い白まで、同系色の5段階とした。

● 凡例の並びについて、所持率の高いものを上にした。

● 各県の所持率は、全ての県について、左上の一つの表にまとめた。

● 都道府県名については、末尾の文字の都、府、県を省略した(道は省略していない)。

● 都道府県名の順番は、一般に使用されているJISコードの順にした。

● 所持率が50%以上の県については、県名の前に青色の印 を付けた。
  東京、山梨も、元の図表では、50%以上の県と同じく地図に記されていたが、特に印は付けていない。

------ 追記 2018.10.23 ------------------------------------------------------------------

 表の中での都道府県の配置を地図上の配置に近づけるため、北海道から始まる列と滋賀県から始まる列を入れ替え、北海道の方を少し上に配置した。

ホームページ-5




施設の説明は、こうする

 下の図は、ある自治体の科学館の説明の一部だ。

名古屋科学館-1

 これを見ても、施設の概要は、なかなかイメージできない。

 そこで、改善案を作ってみた。

名古屋科学館-2


 ● 上層階を上に、地階を下に
     説明図上での配置と現実世界での配置を一致すべきことは、以前にも書いた。
        【前列右から・・・
        【市ヶ谷キャンパス・・・

 ● データバーの使用
     数値の大小を図形(データバー)の大小として表現すれば直感的に理解できる。
        【「データバー」の活用

米南部や中部にまたがる米国でも信仰心があつい住民の多い地域 バイブルベルト

 【(トランプの時代 2018中間選挙)「神の国」復興、トランプ氏に託す 支持する理由、福音派は 朝日 2018.10.14】という記事があり、トランプの支持者の多い「バイブルベルト」という地域の解説が載っていた。

バイブルベルト

 下の二行が少し見にくいが、書き出すと、こうなる。

  米南部や中部にまたがる米国でも信仰心があつい住民の多い地域。
    福音派などキリスト教保守派が社会や政治に強い影響力を持つ


 冒頭の「米南部」というのは、後ろに「米国」と出てくるのだから、単に「南部」でいいはずだ。

 また、「南部や中部にまたがる」というのは、直後の「米国」ではなく、もっと後ろの「地域」を修飾しているのだから、「米国」を修飾していると誤読されないよう、「、」を入れるべきである。このように、直後ではなく、離れた場所にある文節を修飾する場合に読点を用いるべきであることは、以前の記事【東京地裁で・・・】にも書いたとおりである。

 更に、なお、「信仰心があつい」というのは「信仰心が篤い」と書けは゛いいのにと思ったのだが、常用漢字表には「篤」について、「トク」の読みはあるが、「あつ(い)」の読みはなかった【文化庁 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)】。

 けれども、常用漢字表は「現代の国語を書き表す場合の漢字使⽤の⽬安」に過ぎない。

 実際、同じ記事の中には「トランプ氏自身は敬虔(けいけん)ではない」という表現があり、そこでは常用漢字表に載っていない「虔」を使用しており、常用漢字表を「逸脱」しているのである。

 他方、[篤」は、漢字自体は常用漢字表に載っており、「あつ(い)」という読みが載っていないに過ぎないのだから、「虔」を用いるより、「逸脱の程度」は低いと言える。

 なお、常用漢字については、以前の記事【検察官・・・】でも触れている。また、ある漢字が常用漢字か否かを調べるには、【常用漢字チェッカー】という便利なサイトがある。

 結局、こう書くべきことになる。

南部や中部にまたがる、米国でも信仰心が篤い住民の多い地域



--- 追記 ---------------------------------------------------------------------
 上の文章の中に「書けは゛いいのに」という記載があるが、何か間延びした感じがしないだろうか。

 書いたときは気づかなかったのだが、見返してみて、何か変な感じがした。よく見ると、「ば」が「は」+「゛」の2文字になっていたのだ。ローマ字入力をしているので、こういったことは起こりようがないと思うのだが、現実に起きた以上、何か原因があるはずである。
 

地図の描き方

 最高裁判所のウェブサイトに司法研修所の地図が載っている【最高裁判所 司法研修所について】。

研修所-1


 ぱっと見て、目的の司法研修所が地図の上のどこにあるのか、すぐには分からない。

 なぜ分かりにくいかというと、青緑、薄緑、黄色と目を引く色が、あちこちに使われているからだ。加えて、司法研修所の文字の背景は明度の低い臙脂色であり、文字の黒とのコントラストが弱いことも分かりにくい原因だ。

 また、施設を表す図形を立体化して影を付けている点も、目障りだ。しかも、駅を表す青緑の図形、研修所を表す臙脂色の図形、それ以外の灰色の図形、それぞれで影の付け方が不統一であり、ばらばらな感じがする。

 そこで、そういった点に配慮して作り直したのが、下の地図だ。

研修所-2


 違いを見比べることができるように、すこし小さくなるが、横に並べてみた。

研修所-1 研修所-2





100万平方キロメートルの巨大な実験都市

 トヨタとソフトバンクが車の自動運転で提携するとのニュースが流れたが【東洋経済 「トヨタ×ソフトバンク」誕生の大きな意味】、中国では自動運転の実用化に向けて、上海近郊に実験都市を作って、実験を繰り返しているという。

 今朝のテレビ(羽鳥慎一モーニングショー)では、その実験都市「自動運転シティ」について次のようなボードで解説していた。

 
山手線内側


 よく、面積を表すのに、○○平方キローメートルと言われてもピンと来ないため、「東京ドーム○個分」などと説明されることがあるが、ここでも、そのような説明がなされていた。

約100万平方キロメートル
(山手線内側の1.5倍)


 山手線の内側が、何平方キロメートルか知らないが、100万平方キロメートルと言えば、日本の面積37万平方キロメートルの3倍弱である。明らかに誤りとしか考えられない。

 調べてみると、山手線の内側は、63平方キロメートルであり【Wikipedia 面積の比較】、自動運転シティの面積は「100万」ではなく、「100」平方キロメートルだということが分かった。

 日本の面積が37万平方キロメートルというのは、小学生レベルの知識であり、スタジオのアナウンサー、コメンテーターも知らないはずはない。

 けれども、誰一人、この「100万平方キロメートル」の異様さに気づかないのだ。
 
 仮に、日本の面積を知らなくても、「100万平方キロメートル」といえば、縦横1000キロメートル四方であり、本州がすっぽり収まるほどの広さであることは分かるはずである。

 こんなことは、東京大阪間が約500キロメートルだという知識があれば、すぐに計算して分かるはずである。

 結局、彼らは、知識があっても、その知識に即して情報を自ら吟味することなく、そのまま受け入れているのだということを、鮮明に示している。

 先日の【1m×1m×2cmは、何リットル?】といい、【マグネシウムは、41ミリグラム】といい【何が起きても納得できる人】といい、マスコミの検証能力には眼を覆いたくなる。


霧の中

 東京電力は福島第一原発の敷地に流れ込む地下水が事故を起こした原発に汚染されることなく海へと排出されるよう、地下水バイパスを設けているそうなのだが、その説明図の一部が、これである【東京電量ホールディングス 地下水パイパスの概要】。

東電-地下水


 見た瞬間、コンタクトレンズが曇っているのかと思った。いや、さっきまで、ちゃんと見えていたのだから、そんなはずはない。では、私の眼に何か異常が発生したのか。思わず、モニターから眼を離して周囲を見渡したが、部屋の中は鮮明に見えている。

 原因は、こちら側にはない。どうやら、福島原発周辺に濃い霧が立ち込めているらしい。

 「分かりにくさが第一」のためのテクニックについては、以前の記事【分かりにくさが第一】に書いた。


宿泊施設なのに”泊まり放題”?

 こんな見出しの記事を見た。

宿泊施設なのに”泊まり放題”


 「なのに」というのは、「逆接」の言葉である。

 たとえば、「飲食施設なのに泊まり放題」とか「競技場なのに泊まり放題」とか、本来、宿泊を予定していない施設であれば、「・・・なのに泊まり放題」という表現も納得できる。だが、宿泊施設に泊まれるのは当たり前ではないか。

 では、筆者は、なぜ、ここで「なのに」という「逆接」の言葉を用いたのだろうか。

 記事を読んでいくと、「日曜日から木曜日に泊まり放題」のパスを販売したとある。

 USJや、ディズニーランドといったテーマパークが、年間パスポートを発行していることは、よく知られているが、ホテルや旅館では、これまで、そのような仕組みはなかった。

 筆者は、宿泊施設で泊まり「放題」というのはなかったところに、泊まり「放題」という仕組みが導入されたということで、「逆接」の「なのに」を用いたのである。

 筆者にとっては、年間パスの発行はホテル業界では画期的であるが故に、「なのに」としたかったのである。

 けれども、一般の読者から見ると、「泊まり放題」と書かれても、「放題」に着目するよりも、「泊まり」に目が行く。そうすると、宿泊施設に泊まれるのは当然ではないかと思えるので、なぜ、「なのに」か、不思議に感じるのである。

 冒頭に引用したのは、【民泊大学】というサイトの記事である。



オーケストラは理系のサークル活動?

 ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏が学生時代に京大オーケストラでフルートを演奏していたことが話題となっているが、これに関連して、指揮者の篠崎靖男氏が、こんな一文を書いている【Business Journal オーケストラは理系出身者が多い?】。

 今回、本庶氏のノーベル賞受賞の報に接して、3年前に同楽団の指揮をした際のプログラムを引っ張り出してきてメンバー表を見てみると、驚くことに気付きました。なんと、100名くらいいるメンバーの3分の2が、理系なんです。そのなかで医・薬学部は10名くらいいます。特になぜか管楽器パートは理系の占める割合が高く、楽器によってはほぼ理系で占められています。オーケストラは理系のサークル活動と言えることは確かです。 


 篠崎氏が自ら指揮をしたことのある京大オーケストラのメンバー表を根拠に、「オーケストラは理系のサークル活動」という結論を述べているのだが、何とも牽強付会な理論である。どこが変なのか、根拠としてあげられている個々の事実を順に見て行こう。

【1】 100名くらいいるメンバーの3分の2が、理系

 そもそも、京大の学部学生の中で理系の割合が、どれくらいなのかを示さなければ、意味がない。

 仮に、学生の9割が理系だったとしたら、1割の文系の学生が、オーケストラの3分の1を占めているのだから、むしろ、「オーケストラは文系のサークル活動」ということになるだろう。

 実際に京大のウェブサイト【データで見る京都大学 学部学生数】で調べてみると、こうなっていた。なお、「メンバーの3分の2が、理系」というのは、「3年前」のメンバー表が根拠となっているので、学生数は、2015年度の数字である。

理系i-2-barchart-2

 真ん中あたりの「総合人間」学部は、文系と理系とに分かれるのだが、統計表には各区分の人数が載っていなかったので、理系には入れていない。

 このように少なめに見ても、理系が、65.9%、概ね3分の2である。

 学生数に占める理系の割合も、オーケストラメンバーに占める理系の割合も、ともに3分の2なのだから、オーケストラは、理系文系、いずれか一方に親和的なサークルとは言えない。

【2】 医・薬学部は10名くらい

 医・薬学部の学生は、以下のとおり、全体の12.9%である。 

医薬系-2-2

 これに対して、オーケストラ100人中10人くらいが医・薬学部と言うのである。学生全体に占める医・薬学部生の割合より、若干、少ないのであり、どちらかと言えば、オーケストラは、医・薬学部生には「非親和的」という、筆者の主張と反対の結論が導かれる。

【3】 管楽器パートは理系の占める割合が高い

 管楽器パートは理系の占める割合が高いというのなら、当然のことながら、その反面、打楽器、弦楽器など他のパートでの理系の占める割合が低くなっているはずである。管楽器パートの話だけで、オーケストラは理系サークルというのは、とんでもない飛躍である。

【4】 楽器によってはほぼ理系で占められている

 特定の楽器の担当が全員理系だとしても、オーケストラは理系サークルという結論が出るはずもない。

---- 追記 2018.10.8 --------------------------------------------------------------------

 そもそも、篠崎氏の主張の前提となったのは、京大オーケストラのメンバー表である。

 仮に、京大オーケストラについて「理系のサークル活動」という結論が導かれたとしても、全国の大学のオーケストラ一般が「理系のサークル活動」と言える訳ではない。

---- 追記 2018.10.9 --------------------------------------------------------------------

 仮に筆者が一橋大学(商、経済、法、社会の文系学部のみ)のオーケストラのメンバー表を見たら、全員が文系であり、「オーケストラは文系のサークル活動」ということになるのだろうか。

---- 追記 2018.12.5 --------------------------------------------------------------------

 読者からの指摘により、学生数の表を入れ替えた。変更箇所が一目で分かるように、新旧の表を並べてみた。

理系-2  理系i-2-barchart-2
 
 蛇足になるが、一応、変更箇所と変更理由を記載する。

 ● 表題を加えた。 (表の前の文章を読めば何のグラフか分かるのだが、表を見ただけでも分かるようにした)
 ● バーチャートを加えた。 (数字だけの場合と比べて、格段に分かりやすくなる)
 ● 数字を3桁区切りにした。
 ● 結論として主張したい箇所を赤い太文字で強調した。 (とにかく、結論を見てもらうことが大事)


 

日本列島の色分けは、こうする!

 日弁連のサイトでは、全国の弁護士会の相談センターの案内があり、そのトップ頁に日本地図があり、そこから地域を選べるようになっている【全国の日本弁護士連合会 弁護士会の法律相談センター】。
 
日弁連-地図

 これを見て、少し嬉しくなった。

 というのも、寒冷な地域から温暖な地域へと、寒色から暖色へと順に並んでおり、以前に私が書いた記事【色使いは、こうする】の内容を、実践しているからである。

 しかも、私が前の記事で書いたのと比べると、色相の幅が狭く、ずっと落ち着いた感じになっている。色相の幅は各サイト全体の雰囲気に適合するか否かの問題もあるので、どの幅が最善とは言えないが、これは、これで丁度よい幅になっている。

 私の個人的な感覚としては、西日本は、黄色、橙色などを使った方が、よりしっくり来るのだが、このあたりに来ると、「趣味の問題」であり、こうすべきだと、と言えるものではない。

 ただ、色使いとは別に、少し気になることがある。

 北方四島が記載されているのに、多数の日本国民が居住し、裁判所の支部もある、伊豆諸島、淡路島、隠岐の島、壱岐、対馬、五島列島、薩南諸島が抜け落ちている点だ。

 作成者は、おそらく、両端の北方四島と沖縄を入れなければ、という意識が強く、そこにのみ気をとられていたため、上記の島々を落としてしまったのだろう。

 それにしても、淡路島が抜けているのは理解しがたい。というのも、他の島々は、紙幅の都合上、落としてしまった、ということも考えられないではないのだが、淡路島に関する限り、そんなことは考えられないからである。
 
 





関電高浜原発の油漏れ事故の真相?

 8月19日の関電高浜原発の油漏れ事故についての虚偽報道に関して、8月26日に、【1m×1m×2cmは、何リットル?】という記事を書いた。その続報である。

 未読の方は、まず、この【1m×1m×2cmは、何リットル?】を読まれた上で、以下を読んでほしい。

 その後、上記の記事が守田敏也氏のブログ【明日に向けて(1580)高浜4号機が8月故障の発表の間違いを放置したまま再稼働!杜撰な再稼働にジャーナリストはもっと真剣に目を光らせるべきだ!】で紹介されたのだが、その記事の中で、8月30日付の関電の発表【高浜発電所4号機の原子炉起動予定および調整運転の開始予定について 2018.8.30】の中にある【図-4 タービン動補助給水ポンプの運動場の制限の逸脱】が紹介されていた。

 その図の中の油漏れの状況に関する説明部分を示す。

高浜-発表

 私が書いた記事は、【関西電力からのお知らせ 2018.8.19】を前提としたものなのだが、8月30日の関電の発表は、19日の発表とは微妙に異なっている。油の量に関する記述を抜き出すと、こうなる。

8.19  約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)
8.30  約2リットル(約1m×約1m×約2cm(最深部))


 19日の発表と異なり、30日の発表では、「最深部」という限定が付されている。
 
 仮に、約2cmというのが、「最深部」に限定した数字だとしたら、総量で「約2リットル」というのも、虚偽とは断定できなくなる。

 たとえば、約1m×約1mに広がった油の大部分が厚さ1mmで、一部だけ2cmだったとすれば、総量で「約2リットル」ということもあるのだ。下記の図は、その仮定のもとに現場を模式的に平面図にしたものだが、この図を見て、じっくり考えてほしい。
高浜-検討

 この仮定のとおりだとすると、関電が意図的に虚偽の発表を行ったとは言い切れない。

 結局、真相は、次のいずれかだろう。

 【1】 実際の油漏れが、約2リットルだった場合
    19日の発表では、ミスで「最深部」の記載が漏れていた。
    30日の発表では、正しく「最深部」と記載された。

 【2】 実際の油漏れが、約20リットルだった場合
    19日の発表では、計算ミスが原因で、あるいは、意図的に、約2リットルと発表した。
    30日の発表では、辻褄合わせのため、「最深部」という虚偽の限定を加えた。   
 
 いずれにせよ、19日の発表に誤りがあったのは明らかであり、関電は、事実関係を説明すべきである。

 なお、NHKや福井新聞などの報道機関は、「約1m×約1m×約2cm」という計算式は記事には記載せず、「約2リットル」という結論だけを記載していた。そうすると、仮に【1】だとすると、報道機関は、30日の関電の発表の前に、「約2cm」が「最深部」という情報を掴んでいて、「約2リットル」でも誤りではない、と判断していたのかもしれない。

 そうだとすると、私の前回の記事の指摘「検証不足」は、適切な指摘ではなかった、ということになる。

 けれども、それなら、なぜ、報道機関は、関電の発表前に「最深部」という情報を掴んでいたのかが謎であるし、19日の関電の発表の段階で「最深部」という限定が抜けていることを関電に対して指摘しなかったのはなぜか、という疑問が生じることになる。

○○みたいに▲▲しない

 癌の免疫療法薬オプジーボの開発につながる研究で本庶佑氏がノーベル医学生理学賞を受賞することになったが、高須クリニックの高須克弥院長が、自身が“全身がん”であることを公表し、次のように発言したとのことだ【スポーツ報知 2018.10.2 “全身がん”公表の高須院長、ノーベル賞・本庶氏開発の新薬は「選択肢の一つ」も副作用を指摘】。

 「僕は樹木希林さんみたいに放射線治療は選択してないけど癌はタイプにより治療法を選択するのが賢いんだぜ」


 「樹木希林さんみたいに放射線治療は選択してない」の部分が、分かりにくい。

 樹木希林は、放射線治療は選択したのか、していないのか。

 「○○みたいに▲▲でない」 「○○のように▲▲でない」 といった表現は、○○が▲▲なのか否か、分からない。

 冒頭の例は、次のように書けば、どちらの意味か明確になる。

   樹木希林さんと違って放射線治療は選択してない

   樹木希林さんと同じで放射線治療は選択してない

「共同で授与することが決まりました」

 今年のノーベル医学生理学賞が本庶氏と米国の研究者に授与されることが発表された。

 今朝のテレビでは、こう画面に出ていた。

ノーベル医学生理学賞をジェームス・アリソン氏と本庶佑氏に共同で授与することが決まりました


ノーベル賞

 授与したのは、ノーベル財団だから、「共同で授与する」ではなく、「単独で授与する」ではないのか?

 おそらく、ノーベル財団の発表を、翻訳したのだろう。

The Nobel Assembly at Karolinska Institutet has today decided to award the 2018 Nobel Prize in Physiology or Medicine jointly to James P. Allison and Tasuku Honjo


 つまり、「jointly」は「to」を修飾しているのに、「award」を修飾するように訳してしまった「誤訳」ということだ。

「共同で授与」というと、授与の主体が複数だということになってしまう。授与の相手方が複数の場合に使うべき言葉ではない。ここは、「共同で」ではなく、「両者に」とすべきだろう。どうしても「共同で」にしたければ、「授与される」と受け身にすべきだろう。

 A、B → C  AとBが共同でCに授与する

 A → B、C  AがBとCの両者に授与する
 A → B、C  AによってBとCが共同で授与される

 と書いたものの、「共同で」というのは、主体的な行為について言われるのが普通であって、受動的な場合に使うのは不自然な感じがする。




グラデーションは、こうする 風雨の予想図

 今朝のテレビ【羽鳥慎一モーニングショー】の台風予報で、こんな図が出ていた。

雨風-1


 風雨の強さを、色のグラデーションで示しているのだが、どうも、しっくり来ない。

 風の方は、両極が水色と赤紫で、左から右までの色の変化が激しすぎ、落ち着かない。

 雨の方は、8mmを境に青と黄色で、色の違いが大き過ぎて、右の色になるほど、少しずつ、雨量が大きくなっているということが読み取りにくい。

 こんなときは、下記のようにすれば、よい。

雨風-2


 まず、色の三原色を全部使うのではなく、赤と青の二つだけにしたので、落ち着いた感じがする。

 次に、隣り合った色同士の色相の隔たりが大きくないので、少しずつ、風雨が強くなっていることが理解しやすくなっている。

 色のグラデーションについては、以前の記事にも書いたことがある。

 【色使いは、こうする
 【赤い州、青い州
 【グラデーションのフェイント

数字の効用

 裁判文書で項目に番号をつける場合、次のようにつけるのが正しいとされている【裁判文書(裁判所提出書類)の標準的な書式,表記法】。
 

 第1,第2,・・
  1,2,・・
    (1),(2),・・
     ア,イ,・・
      (ア),(イ),・・
       a,b,・・
        (a),(b),・・


 普段は、(1),(2),・・までで十分だが、たまに、下の階層も使いたくなることがある。

 その場合、私は、 ア,イ,・・を使わず、①②・・を使っている。

 上の3階層は数字なのに、途中でカタカナというのに違和感を感じるのと、カタカナだと、たとえば、キとかケを単独で目にした場合、どちらが先か一瞬、迷うからである。

 ときおり、文書によっては、い、ろ、は・・を使っている場合もあるが、「へ」と「ち」のどちらが先かというのは、頭から「いろはにほへと・・・」と思い出さないと駄目である。

 アルファベットでも、「K」と「H」の前後関係なども、「HIJK」と順に思い起こさないと分からないが、「ABC」から始める必要はないし、Fくらいまでだったら、順番は、すぐに分かる。

 他方、数字は、二桁までなら、その前後関係は一瞬にして理解できる。

 そういうわけで、裁判所に出す文書も、常に数字で通している。

個人、会社、2通必要です

 先日、委任状を作成して依頼者の方に送った。

 「送った」といっても、メールに添付したのだが、メールの本文に、次のように書いた。

添付の委任状に記名捺印の上、お届け下さい。

・個人、会社、2通必要です。


 個人としての依頼者の方と、その方が代表取締役を務める会社が、ともに裁判の当事者となるため、個人としての委任状と会社としての委任状の計2通の委任状が必要なのである。

 しばらくして、こんなメールが返ってきた。

 2通というのは、それぞれ、2通いるということですか?


 尋ねられてみれば、そんな疑問を抱かれても仕方ない。

 こう書けばよかったのだ。
 

添付の委任状に記名捺印の上、お届け下さい。

・個人、会社、各1通、必要です。


 要するに、単に「2通」と書いた場合、次のいずれとも解されるので、そのことを明示しなければ、受け取った側が迷う場合があるということである。
  ・ 各2通
  ・ 合計2通 


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「時間泥棒」仕置人

Author:「時間泥棒」仕置人
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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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