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メロンブックス限定 書き下ろしSSリーフレット 「神室の思惑」小冊子 ようこそ実力至上主義の教室へ 9巻 classroom of the elite vol.9

神室はハズレ。

本編P104参照。あとP220とか。

 

私は綾小路の部屋にいた。ある目的のために。

「何か飲み物出して。少し長話になるし」
我侭な要求に、綾小路は面倒臭そうにしながらも準備を始める。

「じゃあお茶かコーヒーを沸かす」
そう言って準備を始める綾小路。

その無防備な姿に、私は疑問を感じた。

坂柳からマークするように言われていた綾小路。
正直この男がどれだけの実力者で、何を考えているかは全く分からない。

「ココアはないの?」

「……ある」

「じゃあ、ココアで」

試すように、私は更に意味の無い要求をした。

「それで話ってなんだ。寒いならロビーでも良 かっただろ」

「ここなら誰の邪魔も入らないだろうし、話をするにはベストでしょ」

「どんな話なんだか」

「もしかして警戒してる?」

「警戒しないほうがおかしいだろ。親しくもな い女子、しかも敵であるAクラスの生徒が部屋に上がりこんできたんだ」

「あんたのとこの山内とは違うわけだ」
そう言うと、一瞬だけど綾小路の目が私の方を見た。

「気になる?」

「全く」

「そう。じゃあそっちの件は触れないようにし ておく。どうでもいいしね」
実際、今山内のことなんて関係ない。 重要なのはこの先の話。

「さっきの一之瀬の手紙。どう思った?」 一之瀬帆波が犯罪者と書かれた手紙。

「どうとは?」

「そのままよ。犯罪者だって話、信じる?」

「さあ。それにも興味がないからな」

「興味がなくても考えるくらいするでしょ。 一之瀬が善人なのか悪人なのか」

「犯罪者だからって悪人とは言えないし、犯罪 者じゃないから善人だとは言えない」
揺さぶりをかけていく。この男が、本当に使 える男なのかどうか。
それが私に課せられた使命。