堕天使のちょこっとした冒険 作:コトリュウ
<< 前の話 次の話 >>
会えるわけがない。
そんな可能性は皆無だ。
――なんて絶望していたあの頃が嘘のよう……。
堕天使は今日、
そして感動のあまり抱き合うのでしょう。
涙を流して、お互いの名を呼び合うのかもしれません。
あぁ、素晴らしい。
みんな幸せ、ハッピーエンド。
物語はこうでなくっちゃ!
「うわわわわあああぁぁーー!! ちくしょおぉぉー! モモンガさんのバカ! アホたれ! 骸骨魔王! 骨野郎! 死ぬとこだったでしょー!! もう少しで終わりだったでしょうがぁぁ! モモンガさんの甲斐性なし! なんで助けてくれないの?! 代わりにパンドラってなに?! そこは人任せにしちゃ駄目でしょ!! もおぉー! このスカスカスケルトン野郎ぉぉ!!」
何もない平原をパナップは一心不乱に――というか文句を言いながら走っていた。
当然隠密
パナップの身体は嘘のように回復していた。
ねじれた腕もへし折れた足も、ブチ切れた鼻すらも元通りである。無論、装備品の破損までは戻らないし、根元から折れてしまった忍刀もあの場へ置いてきてしまったのだから、背中に背負っているのは忍刀の鞘と折れた刀身だけだ。
しかし命があるのだから不満などない。
ただ気になるのだ。パンドラが何を思って助けてくれたのか、どういう意図で助言を与えてきたのか、を。
『禁句の御方、この場から南西へまっすぐ行きますと、トブの大森林近くにカルネという名の要塞化した村がございます。そこで
パナップとしては「今すぐパンドラが
あそこにもう少し滞在していたなら、アルベドとルベドに魂まで粉々にされていただろう。パナップは全身に走る悪寒から当分の間逃げられそうにない。
それほどに恐ろしい死地であった。
パナップ自身、油断していたことは認めるし事実であろう。
異常なまでの能力を持ち、死ぬわけがないとタカをくくっていたことも確かだ。
とはいえ、どうしてナザリックの面々が殺しにくるのか――パナップには分からない。モモンガことアインズが、パナップの名を禁句にした理由も理解できない――と言いたいところだったが、それだけは何となく思い当たる節があった。
(やっぱり途中でいなくなったことを怒っているんだ。最終日も会いに行かなかったし……。でも私を殺したいほどモモンガさんが怒る? そんなはずないよ! あの人が私を殺すはずない! アルベドとパンドラが何か勘違いしているんだ! そうに違いないよ!)
走りながら泣きそうになるパナップであったが、なんとか感情を抑えこむことが出来た。
今は泣き喚いている場合ではないのだ。
パナップの眼に映るは頑丈そうな柵。監視用の櫓。畑仕事をしている村人に、十数体の
(これって人間の村なの?
この場にぬーぼーがいれば、音速を超えるかと思うような速度でカルネ村へ突っ込み、柵を軽く飛び越え、村の中央広場へふわりと降り立つ堕天使の姿を見ることができただろう。
無論、現時点でのカルネ村では誰一人として気付かない。
「ループースーレーギーナー!! どーこー?!」
「ひっ、はひ?!」
当然姿を現し、大声を張り上げたパナップに対し、即座に反応をみせたのはルプスレギナではない。ただ単に運悪く、一番近くで作業をしていたカルネ村の村長エンリ・エモットだ。
「だだ、だれですか!! あ、あなたはいったい?!」
「姐さん! 後ろへ下がってくだせい!」
「ルプスレギナさーん! いないのー?!」
数体の
村人は手を止め、突然姿を見せた黒い羽を持つ乱入者を警戒するが、その者が口にしている名前が恩人の関係者であるため、少しばかり戸惑っているようにも見える。
そんな中、一人の美しい娘がパナップの前へと進み出たわけだが……。
「えっと……、その姿はまさかパ――っと禁句の御方っすか? いや、ですか? あ~、困ったっす。こんな時はどうしたらイイのか聞いてなかったっすよ」
「おおぉ、凄い美人……ってそんな場合じゃない! んっとルプスレギナさん! モモ――じゃなくて、あぁややこしいなぁ! アインズ様へ連絡して下さい! パナップでも禁句の御方でも何でもイイから、私が会いにきたって!」
「は、はいっす!」
村人の注目を一身に集める中で、ルプスレギナは勢いに押されるまま、
ただルプスレギナとしては、目の前の人物が至高の御方であるとの確信が持てず混乱する一方なのだ。姿形は至高の御方の一人『パナップ』である事は間違いない。それなのに至高の御方の気配が一切感じられず、なにがどうなっているのか――ルプスレギナは頭から煙を吹き出しそうなほどに慌てふためいていた。
『ルプスレギナか? 直接連絡してきたからには緊急
「は、はい! アインズ様! あ、あの、その――パ……いえ、禁句の御方が現れました! カルネ村に突然です! びっくりして目玉が飛び出そうでした! はい!」
『……はぁ?』
アインズは執務室でアウラとマーレから報告を受けていた。
帝国の初動対応や皇帝の発言、謝罪にくる日程などについて雑談を交えながら和やかに話し合っていたのだ。
もちろんフールーダから十分な情報を受け取っているので、その再確認と実際相対してみた者達からの現場的意見を汲み取る程度のモノである。
そんな時頭に響いたのが、ルプスレギナからの緊急通信であった。
「ちょっと待て、禁句の御方とは何だ? 至高の御方の禁句バージョンか? 何を言っている?」
『あの、その、禁句の御方とは、アインズ様が不快になられるという理由で御名前を呼ぶことを禁じた、至高の御方の別名です』
「え? (おいおい、何のことだ? 俺が不快になるから名前呼ぶの禁止って、パワハラかよっ! いやちょっと待てよ、ルプスレギナはその禁句の御方とやらが今、カルネ村にきてるって……)うええええぇえええ!!」
「アインズ様!?」
「だ、だいじょうぶですか? アインズ様」
執務室に響くアインズの叫びは、
「あ、ああ、すまない。少し驚いてしまってな」
アインズ様が驚くなんて――との呟きを漏らすアウラを余所に、アインズは意識を集中させる。
それ程までにルプスレギナの報告は重大なのだ。異世界へ転移してから最も重要視すべき内容であると言えるだろう。
「ルプスレギナ、その者の名はなんだ? イイから言え! この私が許すのだぞ!」
『は、はい! パナップ様です! 外見は間違いなくパナップ様そのモノです。至高の御方としての気配は感じませんが――』
「なんだとっ!」
驚きを主体に複雑な感情がトッピングされ――アインズの口から零れる。含まれていたのは怒りか喜びか、それとも戸惑いなのか、アインズ自身にも分からないのかもしれない。
「ルプスレギナ! その者はカルネ村にいるのだな! お前の傍か?」
『はい、アインズ様。直ぐ傍におります』
「よし、よくやった、ルプスレギナ! 今会いに行くから、そのまま待つように伝えるのだ。カルネ村の住人には離れているよう指示を出しておけ、邪魔だ」
『かしこまりました、アインズ様』
ルプスレギナの返事を最後に
アインズはふーっと無いはずの肺から空気を押し出すかのような仕草をしたかと思うと、紅い瞳を一際強く輝かせる。
「――〈
『はい! アインズ様! 如何なさいましたか?』
間髪を容れず反応してきたのは守護者統括のアルベドだ。嬉々とした感情の篭る声がアインズの頭へ響く。
「緊急事態だ。今すぐカルネ村へ向かう。護衛としてシャルティアとコキュートスを連れていく、第一階層へ呼んでおけ。
『御勅命賜りました。即座に行動いたします』
簡潔明瞭な対応は流石に守護者統括。少し焦り気味のアインズとしては「いつもこうなら助かるのに」と思わずにはいられない。
「アウラ、マーレ、セバス。聞いていたと思うが完全武装で第一階層へ集合だ。
「はっ、心得ました」
セバスの返事は落ち着いたものであったが、表情から察するに強い覚悟のようなものを秘めているようだ。
レベル百を五人――しかも全員に
「アインズ様、私の魔獣達はどうしましょう? 連れていきますか?」
「いや、
「あ、あの、カルネ村に敵がいるのですか? 強敵ですか?」
単純に受け止めれば強敵との戦いに怯えているかのような言い分だが、アインズにはよく分かっていた。マーレは「全力で殺していいですか?」と「手加減せず皆殺しにしていいですか?」と言っているのだ。
マーレの瞳には怯えどころか、敵に対する慈悲すらも皆無であるかのように見える。
「そう……だな。ある意味強敵には違いないが……。まぁ、その点については第一階層へ行ってから説明するとしよう。――では行動を開始するぞ!」
「「はっ!」」
アインズに守護者達、そしてセバスは動き出した。
武装を整え、パンドラからアイテムを受け取り、第一階層へと集合する。
アインズはそこで妙に張り切っているシャルティア及びコキュートスと合流し、アルベドに細かな指示と情報伝達――ルプスレギナの洗脳確認、デミウルゴスへは別の任務を与えている旨――を行い、カルネ村で行う作戦について言及する。
途中、寝ているルベドや十五体の
こんな非常時にルベドが動かないとは――なんて少しイラッともしたが、アインズにとって予想外の対応はお手のモノ。気にするほどのことでもない。
「さぁ、ここが勝負どころだ! 行くぞ!! ――〈
アインズの掛け声に、随伴する者達はもちろん、見送るアルベド達も跪いて気合の入った声を上げる。
そして――闇の門は大きく開かれた。
◆
「アインズ様は直ぐに来て下さるそうです。この場で待っていて下さい。私は村の人達が怯えているので声をかけにいってくるっす~」――そんな言葉を残してルプスレギナは走り去ってしまった。
パナップはポツンと一人、村の広場中央で佇む。
回りから飛んでくるのは奇異の視線ばかりだが、近寄ってくる者は皆無なのでとても静かだ。普通なら心を落ち着けてゆっくりするところであろう。
だが今のパナップは目を回しそうなほど混乱している。泡を吹きそうなほどだ。
(あわわ、モモンガさんが来るって?! マジで? 会えるの?! でもでも何を喋ったらイイの? いやそれよりモモンガさんは怒ってる? 私のこと……怒っているのかなぁ。う~、どうしよどうしよ……。心の準備が……)
短い時間で処理しきれないハプニングが重なったため、パナップの頭は少しばかり熱暴走気味である。
次々と出会うナザリックのNPC達。
石にされて連れ去られたアンとマイ。
確実に殺しにきていたアルベド。
何故か助けてくれたパンドラ。
そして、もうすぐここへ現れるであろうモモンガ――改めアインズ。
聴きたいことはいっぱいある。話したいことも山ほどある。
でも……やはり最初は謝らないと駄目だろう。
パナップは混乱しながらも考える。どうしたら許してもらえるのだろうか、と。
「――あっ」
パナップが正しい答えを導き出す前に、闇が姿を現した。
ペタンと座り込むパナップの前で、闇は大きく広がり、
――
異世界に於いては初めての目撃となるが、パナップにとってはユグドラシルで何度も潜った馴染みある光景だ。モモンガの作る
「ああ、そんな……、なんて綺麗なの……」
感嘆の声を漏らすパナップの前では、紅い鎧を着込んだ少女が
スポイトランスを備えた完全武装状態のヴァンパイア。パナップが忘れるはずもないペロ先輩自慢のNPCだ。顔が赤くなるような危険過ぎる設定を読まされた経験も手伝い、パナップの記憶の中からは絶対に消せない存在――ナザリックの階層守護者シャルティアである。
「……」
へたり込んでいるパナップを一瞥し、シャルティアはゆっくりと歩く。まるで獲物を吟味しているかのような視線だが、特に会話をする気もないようで、パナップの背後まで無言のまま歩を進めていた。
「え? シャルティア……だよね? あの私――」
でも何故か返答はない。
しばしの沈黙が流れた後、
「うっわ~、アウラだ、それにマーレも。やっぱり可愛いなぁ、ねぇねぇ、モ……じゃなくアインズさんは? 直ぐ来てくれるの?」
「……」
「……」
所持できる最高の武具を備えてきた、双子の
パナップに対する視線に殺気が混じっているようではあるが、当の堕天使は混乱と感動のあまり気付かない。
それも仕方のないことであろう。
夢にまで見たナザリックのNPCが、次々とパナップの下へ会いに来てくれるのだ。しかも皆美しく可愛い。もちろん続いて現れたライトブルーの
「コキュートスにセバスだぁ……。うわぁぁ、本当にナザリックが異世界へ来ているんだね。凄いよ、ホント凄い」
「……」
「……」
一人で興奮するパナップを余所に、守護者達とセバスは無言で――予め決められていたかのような立ち位置へと移動する。
パナップを基点に正面を
まるでパナップを逃がさないように取り囲んでいるかのようではあるが、ある意味では総出で迎えにきたとも見える。少なくともパナップは、そのように捉えていたのだろう。
「次は誰かな? デミウルゴス? いや、もしかしてアルベド? うぅ~、アルベドは困るなぁ。……あっ、でもアインズさんに私の事が伝わっているなら大丈夫だよね。いきなり襲われたりは――」
喋っていないと不安になる――と言わんばかりに口を開くパナップであったが、唐突に黙り込んだ。
七匹の蛇が絡み合っているかのような形状。
蛇に加えられた色違いの宝石。
パナップが見間違うはずもないその杖の名は『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』
たった一人にしか扱えないギルド武器である。
そう――そのたった一人であるギルド長が、
神々しか所持できないであろう神器を全身に纏い、溢れ出る黒いオーラは悪魔すら蝕む。死を支配するに相応しい骸骨の顔と紅い瞳は、死の神ですら下僕として使役しそうな迫力を放っていた。
パナップは流れる涙を拭いもせず、自身の巡り合った幸運に感謝を捧げる。
「ああ、あああぁ、こんな……こんな日がやってくるなんて……。私です! パナッ――」
「〈
身体の中に手を突っ込まれ、心臓を握られるという感覚。
だが理解するまでもないだろう。脳天まで突き抜けるような激痛がパナップを打ちのめす。
「んげぇっ! おげええええぇぇ、ぐ、がはっげはっ! む、胸がっ! がふっ、な、なに?」
「やれやれ、私を誘き出すつもりなら即死耐性は完璧にしておくべきだぞ。とはいえ、今の一撃で変身を解かなかったのはよい根性だ。武装をボロボロにして油断を誘っているところも評価できる。まぁ一先ずは褒めてやるとしようか」
地べたでのた打ち回る堕天使を見下ろしながら、アインズは何かの査定でもしているかのようだ。少しばかり機嫌が良いようにも見える。
ただ――「それはそうとして」と強い口調で語り始めたアインズには、魔王としての威厳しかなかった。
「私が気付かないと思っていたのか!? お前達がシャルティアを洗脳した時、記憶を覗くかもしれないという可能性に! このアインズ・ウール・ゴウンが気付かないとでも? ふざけるなよ! 記憶の中から私に近しい者を選んで接触してくることも予想済みだ。――ははっ、しかし残念だったな! お前が選んだ堕天使は、絶対この場にはいない奴なんだよ! 私を――ナザリックを捨てていった裏切り者だ!!」
骸骨魔王の怒りは大地を引き裂かんばかりの勢いだ。足下で苦しみに悶えている堕天使としては、かき乱された三半規管と格闘しつつ意識を保つだけで精一杯である。
「シャルティアの記憶では最後まで残っていたギルドメンバーとなっていたのだろう? ふふ、詰めが甘いな。情報のダブルチェックは必須だぞ。……さて、お前が私を誘き出す役目だとして本隊は何処にいる? ああ、大丈夫だ。こっちで勝手に調べるからな。……アウラ!」
「はい、アインズ様。トブの大森林内で武装した人間を確認しました。数は十三、強力なアイテムの気配もあります。私達が所持している
アウラからの即応に、アインズの気配がぞわりと膨れ上がる。
歓喜なのか憎悪なのか……。どちらにせよ
「シャルティア、長い間待たせて済まなかったな。お前の出番だぞ」
「あぁ、愛しのアインズさまぁ。済まないなんて言わないでくんなまし。此度の機会を頂けただけで私は幸せでありんす」
シャルティアはまさに幸せの絶頂であったと言えるだろう。
自身の油断による失態で不遇に不遇を重ねた日々。何よりアインズ様に、自分を殺させるという深い悲しみを与えたことが許せなかった。
だがシャルティアの暗澹たる日々は今日で終わる。
シャルティアを洗脳した
至高の御方の一人に変身し、アインズ様をナザリックの外へ誘き出し、待機していた別動隊で攻撃を行う。
シャルティアにとっては腸の煮えくり返る所業であったが、当然アインズ様は全てを見破り、しかも反撃の一番槍をシャルティアに与えて下さったのだ。
これで濡りんせん方が頭おかしいだろう。
「シャルティアは森に潜む人間を叩き、
「モ、モモンガさん! 私は偽物じゃない! 私は貴方を裏切ってなんか――」
「黙らせろコキュートス!!」
「ハッ!」
ガンッ! っという衝撃と共に堕天使は地面へ叩きつけられ、一瞬呼吸が止まる。
コキュートスがパナップを峰打ちで斬ったのだ。無論、本気ではない。少しでも本気だったのなら、峰打ちでも堕天使は真っ二つだろう。
「コキュートス、その者が戯言を口にしようとしたら殺せ。装備品にも触らせるな。アクセサリーの中には外すことで起動するタイプもある。油断するなよ」
「ハッ、承知イタシマシタ」
「セバスはこのまま私の護衛だ。……さて、シャルティアの勇姿を見せてもらうとしよう。ナザリック最高の存在に対し、どの程度抗えるのか……ふふ、楽しみだ」
「はっ」っと返事をするセバスの前で、アインズは予想通りに流れていく現状に酔いしれていた。ぷにっと萌えが見ていた世界はこのようなモノなのかと、完全な策士気取りである。
しかしそれも致し方ないと言えるのかもしれない。
シャルティアの記憶を利用する誘き出し作戦――に対する一連の行動は、アインズが前々からアルベドと考えていた珠玉の策謀なのだ。
アインズは必ず仕掛けてくると信じていた、願っていた。その瞬間こそが反撃のチャンスなのだと胸に秘めながら……。
少し離れたトブの大森林からはシャルティアの奇声が聞こえてくる。
どうやら始まったようだ。
ヴァンパイアによる復讐の殺戮劇が――。
お出かけ前のナザリック。
「そういえばアウラ、
「はい。ナザリックに戻ってすぐ、パンドラズ・アクターが貸して欲しいと……」
「アイツめ……」
「交換ですっ、と言いながら木彫りの人形を置いていきましたよ」
「五百円ガチャの外れアイテムと交換って……」
「ナザリックにいる間だけで構いませんっ、って言ってました」
「はぁ、宝物殿の
「アインズ様には内緒でっ! って言ってました」
「アイツめ……」