【一般スポーツ】中部大第一、胸張れ準優勝 全国高校バスケ、学校史上最高2018年12月30日 紙面から
バスケットボールの全国高校選手権(ウインターカップ)は29日、東京都調布市の武蔵野の森スポーツプラザで男子の決勝と3位決定戦が行われ、初優勝を目指した中部大第一(愛知)は福岡第一に42-85で敗れ、愛知県勢の男子として26年ぶりの優勝はならなかった。桜丘(愛知)は帝京長岡(新潟)に76-65で勝ち、3位に入った。 胸を張れる準優勝だ。愛知県勢の男子として26年ぶりの決勝に進んだ中部大第一は福岡第一に大敗。今大会のベストファイブに選出された主将でエースの中村は「最後まで自分たちの力が出し切れなかった」と涙を浮かべながらも、同校史上最高の結果に「自分たちの代で学校の歴史で一番の結果を出せたのはうれしい」と表情を緩めた。 試合開始から猛攻を受けながらも粘り強く守った。中村の積極的なドライブなどで得点を重ね、第1クオーターを4点差で持ちこたえた。それでもU-18日本代表2人を擁する福岡第一に力の差をみせつけられ、最後は43点差まで広げられた。
中村にとっては家族の夢も背負っていた。3歳上で現在は大東大でプレーする兄・浩陸(ひろむ)は同じ中部大第一でバスケットボール部出身。2015年の3年生の時には初の4強入りに貢献した。一方、妹の真湖(1年)がメンバー入りしていた大阪薫英女学院は今大会で準優勝。決勝前には兄から「おれたちの分まで優勝してくれ」と激励されていた。 結果は大敗ではあったが、試合後は兄から「よく頑張ったな」と声をかけられたと言う。常田健監督も「最後はだらしない結果になったかもしれないですが、部員には胸を張って『よかったよ』と言って送り出してあげたい」とすべての選手をねぎらっていた。 高校であと一歩まで迫りながら届かなかった日本一の悔しさは大学で晴らす。関東の強豪校への進学を希望している中村は「大学では今まで以上に難しいことは出てくる。逃げずに、立ち向かって大学で日本一になりたい」。かなえられなかった高校日本一の夢は後輩に託す。 (谷大平)
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