【プロ野球】ソフトバンク・摂津引退! 12年に沢村賞 右腕オファーなく「悔いない」2018年12月30日 紙面から
ソフトバンクの来季構想から外れ、自由契約となっていた摂津正投手(36)が29日、現役引退の意思を固めた。他球団からの獲得オファーを待ったが、区切りとした年内に連絡がなく決断。「自分の中でやれることはやった。悔いはない」と胸を張った。 新人王、沢村賞などのタイトルを獲得した元エースに、吉報は届かなかった。ユニホームを脱ぐことを決めた摂津は「体は元気なので、周りから『まだやれる』と言っていただけるのはありがたいけど、そこは自分ではコントロールできない。実際、オファーがなかった。年内に声が掛からなければ引退しようと決めていたので」。潔く現実を受け入れ「変な言い方になるかもしれないけど、自分の中ではスッキリした気持ちでいます。これが現状です」と続けた。 11月4日に来季の構想外であることが発表された。日本シリーズ後にあった12球団合同トライアウトに参加しなかったのは、芯の強い摂津ならではの考えが根底にあった。 「今の自分の力を見てもらおうと思って、10月のみやざきフェニックス・リーグで投げさせてもらった」。その時点でシーズン後の戦力外通告を覚悟して懸命に腕を振ったが、報われなかった。 今後については「まずはゆっくりしたい」。現時点では引退会見を開く予定はない。26歳でプロ入りし、10年間のプロ生活。口数少なく、背中で引っ張るスタイルそのままに、一時代を築いた遅咲きの右腕が静かにマウンドを去る。 <摂津正(せっつ・ただし)> 1982(昭和57)年6月1日生まれ、秋田県出身の36歳。181センチ、93キロ、右投げ右打ち。秋田経法大付高からJR東日本東北を経て、ドラフト5位で2009年にソフトバンク入団。1年目から70試合に登板し5勝2敗、34ホールドで新人王と最優秀中継ぎ投手賞。2年目も71試合に投げ、ソフトバンク初のリーグ優勝に貢献。2011年からは先発で5年連続2桁勝利。12年は17勝5敗、防御率1・91で最多勝、最高勝率、沢村賞。今季は5月22日の西武戦で2年ぶりに勝ち星。通算成績は282試合登板、79勝49敗1セーブ、防御率2・98。
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