【今回レビューする内容】 2018-2019年 新製品のA4カラープリンター複合機の性能とおすすめ:1万円前後の人気プリンターなど:Wi-Fi/スマホ対応インクジェット複合機:インク価格の違い・印刷コスト「最強」機種ランキング windows10 Mac OSX10.14対応
【紹介する製品型番】 Colorio PX-049A PRIVIO DCP-J988N MFC-J1500N DCP-J983N DCP-J577N DCP-J978N MCF-J898N PIXUS TS3130S TS5130S TS6130 TS6230 HP ENVY Photo 5020 6222 6220 7822 7820 HP OfficeJet 5220 ecotank EW-M770T EW-M571T EP-880
今回のお題
印刷コストの安いカラープリンターのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今回は、A4カラープリンター複合機の比較です。
主要4社の2018年最新モデル全機種を、初心者の方にも「できるだけ分かりやすく」比較します。
今回は、「画質」はもちろん、インクの販売価格をふまえた「印刷コスト」を「独自の方法」で計算して、「インク代の安い」機種を調査しました。
以下では、いつものように、各製品を比較したあと、最後に「結論」として予算別・目的別にAtlasの「おすすめ機種」を数機種提案します。
1・プリンターの選び方の基本!
このブログ「家電批評モノマニア」では、プリンター比較記事を9本書いています。
1・A4インクジェット複合機(4色)
2・A4インクジェット複合機(6色)
3・A4ビジネスインクジェット
4・A3インクジェット複合機
5・A4モノクロレーザー
6・A4モノクロレーザー 複合機
7・A4カラーレーザープリンタ
8・A3カラーレーザープリンタ
9・プリンターの基本的な選び方 【まとめ】
今回は、「A4カラーインクジェット複合機」を比較する「1回目」の記事となります。
「インクジェット複合機」とは、プリント・コピー・スキャナ機能が全て付属するプリンタのことです。1万円前後の格安プリンターも、現在は、ほぼすべてが「複合機」です。
「インクジェット複合機」は、現行製品だけで29機種あります。
そのため、記事は3つに分けてあります。
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第1に、4色インク搭載で、家庭向きの1万円前後の機種は、今回の記事で比較します。
初心者に最適な製品で、世の中で「最も売れている」プリンタです。
写真/文字印刷にオールマイティに力を発揮する機種が多いです。
-
第2に、6色インク搭載の「高画質インクジェット複合機」は、2回目記事(こちら)で比較します。
年賀状・写真印刷において、クオリティを重視したい上級者向けです。
-
第3に、4色インク搭載で、「ビジネス向けインクジェット複合機」は、3回目記事(こちら)で比較します。
普通紙で文字がにじみにくいインクを採用するので、家庭でも仕事用ならばこのジャンルが適します。
ーー
「どのグレードの製品にするか検討中の方」は、さしあたって、今回の記事から読み進めて頂くと、分かりやすいと思います。
ただし、レーザープリンタを含めて迷っている場合は、「全体の導入記事」となる【プリンターの選び方の基本記事】をはじめにご覧いただくと良いと思います。
2・4色インクジェットの選び方の基本!
4色インクジェット複合機は、1万円以下の激安製品が主流です。
そのため、「本体価格の安さ」を優先して「選んでしまう」方が多いと言えます。
しかし、「安いプリンタ」には、水準より「インク代を高く設定」し、実は、ランニングコストが相当悪い機種もあります。
そこで、今回は、「インクコスト」について、メーカーによる参考価格ではなく、アマゾンにおけるインクの実売価格を調べてコストを比較しました。
もちろん、「印刷の美しさ」や「本体の機能性」なども「選ぶ際の基準」として、最大限注目して、解説していきます。
例えば、画質を重要視し優秀なヘッドを搭載するブラザーや、印刷速度や文字印刷のクオリティを重視するキヤノン、黒インクだけでも印刷できるHPなど、よい特長をもった機種も多くあります。
ーー
1・印刷コスト
2・写真や文字のクオリティ
というわけで、今回は、上記2点についてとくに注目しながら、各機を比較します。
3・エプソンのカラープリンター
はじめに、比較するのは、エプソンの「カラリオ」です。
なお、以下の本文では、高評価できる部分は赤字で、イマイチな部分は青字で書いていくことにします。
Windows XP~10 Mac 10.6~10.14
【2016】
1・EPSON Colorio PX-049A
¥5,388 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
高さ145×長さ390×奥行300mm (収納時)
PX-049A は、エプソンのプリンター複合機の入門機です。2016年発売ですが、2018年現在も引き続き生産されている機種です。
格安な機種ですが、スキャナとコピーも付いたプリンター「複合機」です。
EPSON 4色パック RDH-4CL
¥3,654 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
EPSON 大容量ブラック RDH-BK-L
¥1,637 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、以上です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約27.5円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約20.6円
フォト年賀状印刷 30.3円
A4Photoカラー 約113.6円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでの実売価格をふまえた場合、上表のようになります。
写真印刷のコストは、L版写真で約27.5円、フォト年賀状で約30.3円、A4縁なしフォト印刷で約113.6円です。
普通紙印刷のコストは、非公表です。
しかし、用紙の表面積などからコストを計算すれば、普通紙A4カラー印刷で28円前後、A4白黒印刷ので約11.4円程度です。
カラーもモノクロも、コストはさほど安くないです。
カラー印刷のクオリティは、格安機としては高いです。
しかし、同社が「エプソンカラー」と呼び、「画質に力を入れるのは」6色モデルです。このような、4色モデルは、「廉価版」の扱いで、画質も落ちます。
とはいえ、5000円前後という値段の製品としては、印字品質は良く、階調性も良好で、デジカメ写真などの「黒つぶれ」も少なめです。
文字印刷のクオリティも、意外に良いです。
注目するべきは、4色全色が顔料インクである点です。一般的な染料インクよりも耐水性が強いので、普通紙印刷でも、「にじみ」ません。ビジネス用プリンターに力を入れるエプソン「ならでは」なポイントです。
さらに、文字の輪郭を鮮明化させる「文字クッキリモード」の搭載も魅力です。
エプソンの場合、「領域判定コピー」という機能が付属します。これは、文字と画像とを区別して認識し、それに合わせた適切な印刷を行う技術です。エプソンプリンターの核心的技術であり、格安機の割に文字印刷が良いのは、この部分が大きいです。
印刷速度は、しかし、重要視されません。カラーの印刷速度が約105秒と入門機としても遅めです。
また、普通紙へのA4のビジネス文書(黒・カラー)の印刷の場合、実測値で15秒/枚ほどで、毎分約4枚印刷できる速度です。
印刷スピードに期待するならば、ブラザーやキヤノンの方が数倍速いです。ストレスはあるでしょう。
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 iTunes Store
Epson iPrint(スマホアプリ)
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、この機種の場合、USB接続のほかWi-Fi(無線LAN)が搭載されます。そ
のため、スマホアプリから直接印刷ができます(iPrint機能)。一方、この機種は、液晶パネルとSDカードスロットがないので、デジカメなどのSDカードからの印刷には未対応です。
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以上、PX-049の紹介でした。ポイントは、「飛び抜けて安い」ことと、4色とも顔料インクであることです。
「文字がにじみにくい」点ため、普段使いには良いでしょう。明らかに遅い印刷速度に目をつぶれば、普通紙への印刷はカラー・白黒問わず強いでしょう。
顔料インクは、「写真印刷のクオリティはイマイチ」なので、マット紙や光沢紙を使った年賀状やL判写真などには「全く向かない」点は注意が必要です。
こうした側面に期待する場合は、カラーに染料インクを利用する他社機をおすすめします。
ーーー
なお、エプソンは、家庭用の4色プリンターは、後ほど紹介する「エコタンクプリンター」を除けば、これ1台のみです。
上位機は【6色インクジェットの比較記事】で紹介している機種となります。価格面では1万円前後からです。詳しくは、上記リンク記事をご覧ください。
4・ブラザーのカラープリンター
つづいて、ブラザーのカラープリンターを紹介しましょう。
ブラザーは、伝統的に4色インクにこだわりを持ち、その高性能化を目指している企業です。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2018年モデル】
【下位機種】
2・ブラザー PRIVIO DCP-J577N 【白】
¥8,952 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【中位機種】【通常型番】
3・ブラザー PRIVIO DCP-J978N-W 【白】
3・ブラザー PRIVIO DCP-J978N-B【黒】
¥13,256 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【上位機種】
4・ブラザー PRIVIO MCF-J898N 【黒】
¥20,732 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
高さ172×奥行341×横幅400mm
プリビオは、ブラザーのプリンターです。2017年10月に発売された最新機です。
毎年、【上位機種】・【中位機種】・【下位機種】の3機種ラインナップを出しています。
【中位機種】 は、以下で紹介していく基本機能に加えて、CDのレーベル印刷機能とUSBメモリーからの印刷機能が付属します。
Amazon限定モデルがありますが、サンプル用のA4用紙がつくのみの構成で、仕様は同じです。
【上位機種】 は、さらに、コピー機のようなADF(複数の原稿の自動送り装置)とFAX機能が搭載されます。
これ以外の機能は、後ほど紹介する印刷速度の若干の差を除けば、3機種とも同じです。
つまり、ブラザーの場合は、CDのレーベル印刷とADF機能の要不要で選ぶのが基本です。いずれも「省スペース」を売りにした設置しやすいモデルです。
Brother 4色パック LC3111-4PK
¥3,350 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
Brother ブラック2個 LC3111BK-2PK
¥1,702 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
黒インクに2本入りの「お徳用パック」などもあり、お買得感は高いです。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約18.6円
A4普通紙カラー 約8.4円
A4モノクロ 約2.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約10.9円
フォト年賀状印刷 約16.1円
A4Photoカラー 約60.3円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonにおけるインクの実売価格からすれば、上表のようになります。
写真印刷のコストは、エプソンと比べると、約4割近く安いです。ランニングコストの面でも、日常に使用するプリンターとしておすすめできます。
普通紙印刷のコストは、メーカーが公開しており、A4カラー印刷で1枚8.4円前後、A4白黒印刷の場合は、約2.7円程度です。
いずれも、入門機としては、他社に比べても、圧倒的なコスパです。
カラー印刷のクオリティは、先述のように、ブラザーは4色インクでの写真画質に力を入れており画質はかなり高いです。
エプソンは全色が「顔料インク」でした。しかし、ブラザーは、カラーインク3色は染料インクを利用します。写真の発色について染料インクは優位です。エプソンでも「6色インク以上」はそうしています。
4色機だけで比較すると、最も画質が良いのはこちらでしょう。ヘッドも1.5plと細かいため、インクの粒状感も少なめです。
FUJIFILM はがき写真用紙 画彩100枚
¥1,031 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
なお、ブラザーは、キヤノン・エプソンと異なり高級写真専用紙を販売していませんが、今年度から富士フイルムとダッグを組んで、画彩シリーズに特化した印刷モードを採用しました。
文字印刷のクオリティも、注目に値します。
なぜなら、ブラザーは、カラーは染料インクですが、黒インクはエプソンと同じでにじみにくい顔料インクだからです。そのため、4色モデルとしては品質はトップレベルに高いです。
印刷速度は、【下位機種】のみ、1分間にカラー6枚・モノクロ12枚です。【中位機種】以上は、カラー10枚・モノクロ12枚です。また、いずれもファストプリントの速度が8秒と高速です。
下位機種から印刷スピードを公開しているのは、同社の自信の表れです。エプソンのカラリオシリーズよりも約2倍は高速です。そのため、家庭で大量印刷を考えている方はブラザーがおすすめです。
Brother iPrint&Scan
¥0 iTunes Store
Brother iPrint&Scan
¥0 Google Play
ネットワーク機能は、この機種も、USB接続のほか、Wi-Fiに対応します。
スマホから直接的に印刷できるため、今の時代には便利な機種だと思います。
操作も、ブラザーは全機種とも、2.7型のTFT液晶を装備し、しかもタッチパネル式です。
直感的な操作が可能です。液晶パネルが付属し、SDカードスロットもあるため、デジカメからの直接印刷にも便利です。
自動両面印刷機能も搭載されます。
エプソンは、入門機では不採用でした。職場などに持って行く書類のかさが2分の1にできるため、人によってはかなりメリット性があります。年賀状などの印刷にも便利ですね。紙コストの削減にもなります。
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以上、ブラザーの4色インク採用モデルの紹介でした。
4色インクモデルだけで比べれば、印刷スピード・品質・コストの点で最も総合力が高いといえます。
仕事・プライベート・年賀状の利用を勘案した総合力ではブラザーのプリビオが間違いなくオススメできます。同社のCM風に言えば「賢く選べばブラザー」と言えそうです。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2017年モデル(2018年継続販売)】
5・BROTHER PRIVIO DCP-J983N
¥22,000 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
横幅420×奥行341×高さ172mm
DCP-J983Nは、ブラザーの大容量インクタンク搭載モデルです。
こちらはAmazonでは「2018年新モデル」が表示されますが、新機種は次に紹介します。
DCP-J983Nは、大容量モデルですが、本体サイズとしては、横幅は他機種と同じです。
数センチ高さが増しているだけなので、家庭用の省スペースモデルと言えます。本体色は、こちらは白色のみです。
大容量お徳用4色パック LC21E-4PK
¥5,543 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
セットインクは、通常の倍の価格ですが、その分大容量で、交換頻度が少なくて済みます。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約15.1円
A4普通紙カラー 約4.6円
A4モノクロ 約1円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約15円
フォト年賀状印刷 22円
A4フォトカラー 約82.5円
インクのコストパフォーマンスは、アマゾン実売価格からすれば、以上の通りです。
写真印刷のコストは、下位機種と比べて、実質的に差はありません。
普通紙印刷のコストは、その一方で、公開印刷コストベースでも、A4カラー印刷で1枚4.6円前後、A4白黒印刷の場合は、約1円程度と相当安い水準です。
こうした点で、普通紙にカラービジネス文書を印字する場合の印刷コストは、従来機の半値であり、業界全体でも最安水準です。月200枚の印刷で、5年で3万円程度の差と、ブラザーは比較しています。
また、単純計算で、インク交換無しに1500枚程度は印刷できるので、「インク替えの煩わしさ」から解放されたい方にも向きます。
カラー印刷のクオリティは、下位機種と同じく、4色モデルでは総合的に高水準です。大容量インク搭載のビジネスモデルだからといって、ヘッドの質などが妥協された作りではないです。
文字印刷のクオリティも、下位機種と同じ水準です。評判が良いため、期待して良い部分です。
印刷速度は、カラー印刷で10枚/分、モノクロで12枚/分です。下位機種と同じ機構を採用しているようで、このあたりのスペックも同じです。
その他の点は、下位機種と同じです。ADFやCDのレーベル印刷もできますし、Wi-Fiも装備されます。
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以上、 DCP-J983Nの紹介でした。本体価格がやや高額な分、インク価格を「相当やすくしている」というモデルです。
例えば、PTA活動で大量のチラシの印刷が想定されるなどの場合は、総コスト面でこの機種は有利でしょう。一方、年間の印刷枚数が1000枚以下ならば、下位機種で良いと思います。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2018年モデル】
【FAXなし】
6・BROTHER PRIVIO DCP-J988N
¥33,595 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【FAXあり】
6・BROTHER PRIVIO MFC-J1500N
¥33,056 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
横幅435×奥行341×高さ195mm
DCP-J983Nは、ブラザーの新しいファーストタンクモデル搭載モデルです。
本体サイズは、先ほどの機種と比較すると2cmあまり背が高いですが、ほぼ変わりません。
ビジネスでも使える製品ですが、家庭用の省スペースモデルとして売られます。
インクカートリッジLC3135【各色】
¥4,297 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
注意点としては、この製品は、セット販売がなく単品販売のみだと言うことです。
ただし、今年度登場のこの機種は「ファーストタンクモデル」として、モノクロにして6000枚の印刷可能枚数を実現しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約10円
A4普通紙カラー 約3.7円
A4モノクロ 約0.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約3.9円
フォト年賀状印刷 5.7円
A4フォトカラー 約21.3円
インクのコストパフォーマンスは、満を持して登場しただけに相当安いです。
写真印刷のコストは、Amazonでの大容量インクの割引率が高いため実印刷コストはさらに安いです。
普通紙印刷のコストは、公開印刷コストベースでも、A4カラー印刷で1枚3.7円前後、A4白黒印刷の場合は、約0.7円程度と、先ほどの』機種より相当安いです。
ただし、1回のインク交換にかかるコストは、1本5000円前後と高めです。インクも使わず放置しておくと劣化しますから、「1回買って5年使おう!」というような動機ならば止めた方が良いです。
少なくとも1ヶ月に300枚は印刷する、個人事業主・商店経営の方にだけオススメします。
カラー印刷のクオリティは、技術水準として下位機種と同じグレードです。
他社大容量モデルは、最小液滴量を落とす場合もありますが、クオリティが確保されているのは素晴らしいでしょう。
文字印刷のクオリティも、下位機種と同じ水準です。
印刷速度は、カラー印刷で10枚/分、モノクロで12枚/分です。下位機種と同じです1枚目のプリント速度も14秒ですね。
その他の点は、下位機種と同じです。ADFやCDのレーベル印刷もできますし、Wi-Fiも装備されます。
さらに上位機はFAXも装備します。液晶でFAX内容を確認してから印刷できるほか、自動的なEメールへの送付や、クラウドサービスへのアップロードにも対応できます。
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以上、 DCP-J988Nの紹介でした。
家庭用としてはかなりオーバースペックですが、年賀状などの家庭用のほか、チラシなども毎月作成するような個人事業主のかたには「インク代が安い」機種として候補となるでしょう。
インクのクオリティが「家庭機並み」という点は、この機種の美点です。
5・キヤノンのカラープリンター
続いて、キヤノンの格安プリンタを紹介しましょう。
同社の上位機は、「5本」のインクタンクを使う「4色」モデルもあります。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2017年】
7・Canon PIXUS TS3130S 【各色】
¥7,458 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【2017年】
7・Canon PIXUS TS3130 【各色】
¥5,670 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
高さ145×長さ435×奥行316mm
TS3130は、最新機ではキヤノンのプリンターとしては、最も安い入門モデルです。
新旧両機ありますが、印刷機能など全て旧機種と同じです。型番は、主に、デンキヤの値引き対策のために毎年替えるだけですから。
とくに「オマケの年賀状ソフト」などがあるわけでもないため、安いほうの機種で良いでしょう。
本体のサイズは、高さ145×長さ435×奥行316mmです。
他社に比べても、非常に小型で、設置性の良い機種です。ただし、液晶パネルは、モノクロですね。
CANON BC-346XL 3色カラー(大容量)
¥2,182 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
CANON BC-345XL ブラック(大容量)
¥2,850 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
大容量タンクが利用できるので、その価格を示しました。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約21.7円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約20.5円
フォト年賀状印刷 約30.2円
A4Photoカラー 約113.0円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonでの実売価格をみても、メーカーの公開印刷コストをみてもインクコストが決して安い機種ではありません。
また、こちらは、他社のように「4色独立タンク」を採用しておらず、「3色タンク」+「黒インクタンク」の構成です。カラーインクの1つがなくなると、カラータンク丸ごと交換になる機種です。
使い方によってはさらに割高な場合もあり得る機種です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラー印刷は、1分間に4枚、モノクロ印刷は、1分間に7.7枚です。
ブラザーに比べると遅い機種です。同社の昨年度の下位機種よりも遅く、この部分で性能を削っています。
カラー印刷のクオリティは、インクの最小サイズが2ピコリットルです。1.5ピコリットルのエプソン・キヤノンより粗いです。写真画質に強い染料インクながら、やや魅力に欠けます。
文字印刷のクオリティは、黒インクが顔料インクで耐水性の高い独自のインクを使っています。そのため、品質は他社並みです。
ネットワーク機能は、USB接続のほかWi-Fi対応です。液晶窓で確認はできませんが、スマホからのダイレクト印刷に対応できます。ただし、こちらは自動両面印刷機能が非搭載です。
以上、キヤノンのPIXUS MG3630の紹介でした。今回の記事の趣旨で言えば、「カラーが独立タンクでない」という点は、難がある機種です。
そのほか、画質面や自動両面印刷の不採用などの面でも難があるので、同社の製品から選ぶとすると、続く上位機のほうが良いでしょう。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2018年】
8・Canon PIXUS TS5130S 【各色】
¥11,119 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【2017年】
8・Canon PIXUS TS5130 【各色】
¥9,879 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
高さ147×長さ435×奥行315mm
TS5130 は、最新機ではキヤノンで2番目に安いモデルです。
この機種も型番に「S(econd)」が追加された2018年新モデルが出ましたが、下位機種の場合と同じく、基本性能は同じです。安い方で構いません。
下位機種と異なり、前面「ふた付き」で、2.5型のカラー液晶も採用された、デザイン性の高い小型機です。
ただし、本体の液晶は、ブラザーと異なり、タッチパネルではないですね。
CANON BC-341XL 3色カラー(大容量)
¥2,456 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
CANON BC-340XL ブラック(大容量)
¥2,295 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。こちらは、昨年モデルと同じインクを流用しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約18.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約13.3円
フォト年賀状印刷 約19.5円
A4Photoカラー 約73.1円
下位機種と同じで「4色独立タンク」を採用しておらず、「3色タンク」+「黒インクタンク」の構成で、使い方によってはさらに割高な場合もありえる機種です。
印刷速度は、A4普通紙へのカラープリントは1分間に6.8枚、モノクロは、1分間に13.0枚と、下位機種より向上しました。
カラー印刷のクオリティは、下位機種と同じです。
文字印刷のクオリティも、同じです。文字に強い仕様です。
ネットワーク機能は、無線LAN搭載です。
自動両面印刷機能は、搭載です。
以上、PIXUS TS5130の紹介でした。やはり、非独立タンクはインクコスト面で相当不利です。
スタイリッシュな本体ですが、この機種は、今回の比較の観点からすると、あまりおすすめできる機種とはいえないでしょう。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
【2018】
9・Canon PIXUS TS6230 WH ホワイト
9・Canon PIXUS TS6230 BK ブラック
¥20,300 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
【2017】
9・Canon PIXUS TS6130 WH ホワイト
9・Canon PIXUS TS6130 BK ブラック
¥13,999 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
大きさ:約372×315×126(mm)(収納時)
PIXUS TS6130は、キヤノンの中級機です。
こちらも新旧両機ありますが、プリンターの基本性能は同等で、インクも同じです。安い方で構いません。
本体の大きさは、かなり小型です。
液晶も、このグレードからはブラザーと同じタッチパネル式で、サイズも3.0型とみやすいです。
Canon BCI-381 5色マルチパック
¥5,022 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
Canon BCI-380XLPGBK ブラック大容量
¥1,937 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
純正インクの単価は、こちらになります。
ポイントは、このグレードから1色ずつ交換できる独立タンクという点です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約17.3円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約14.9円
フォト年賀状印刷 約21.9円
A4Photoカラー 約96.9円
インクのコストパフォーマンスは、2018年現在の実売価格をふまえると、上表の通りです。
写真印刷のコストは、L版写真で約15円、フォト年賀状印刷で約22円、A4縁なし印刷で約97円のコストです。
びっくりするほど「安い」わけではないですが、後述するように、印字品質からすると安めと言えます。
普通紙印刷のコストは、明らかに安いです。
A4カラーで1枚24円前後、A4白黒印刷の場合は、約9.7円程度です。ブラザーの家庭用上位機に次ぐ水準でしょう。
印刷速度は、特に、普通紙への印字スピードは、キヤノンが圧倒的に速いといえます。
モノクロA4普通紙で15.0枚/分、カラーA4普通紙でも10枚/分と、格安のレーザープリンターに比する速度を出せます。L判光沢紙の場合も31秒とやはり高速です。
キヤノンは伝統的に「普通紙の印字速度の速さ」を売りにして、エプソンに対抗してきた経緯のある会社だということは言及に値するでしょう。ビジネス用で大量に印刷するならば、印刷の速いキヤノンがよいです。
カラー印刷のクオリティは、他社の4色モデルと比べると健闘しています。
というのも、キヤノンのこの機種は、ブラザーのように黄色・赤色・青色の染料インクを採用した上で、黒色についても、染料インクを搭載するからです。
顔料黒インクだけだと、コントラストと濃度が強すぎるため、カラーの階調が重要な写真に適応するのがやや困難です。その点で言えば、発色の良さや階調性は、(6色以上の高画質機を除けば)明らかに良いです。
モノクロ印刷のクオリティも、かなり良いです。
というのも、この機種は、染料黒インクのほか、文字に強い顔料黒インクも積んでいるからです。ややカラー印刷のコストが高いのは、「4色モデル」ながら「5タンク式」を取るからですね。
ネットワーク機能は、この機種もUSB接続のほか、Wi-Fi対応です。スマホからのダイレクト印刷も可能です。
自動両面印刷機能も、搭載です。
そのほか、スキャナーの性能が良く、1200×2400dpiなので、他社より性能が良いです。
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以上、キヤノンのPIXUS TS6130の紹介でした。やや本体の値段はしますが、黒インクに顔料インク・染料インクを搭載するため、写真の発色も、文字の鮮明度も下位機種より高いです。
こうした点で言えば、文字印刷のクオリティと写真クオリティが両立した良機種です。普段は、モノクロ印刷だが、「年賀状はそれなりにこだわりたい」方には有力な候補です。
6・HPのカラープリンター
続いて、米国のHP(ヒューレットパッカード)のプリンターです。
Windows 7~10 Mac 10.6~10.14
10・HP ENVY 5020/Z4A69A#ABJ
¥5,860 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
11・HP OfficeJet 5220/Z4B27A#ABJ
¥9,098 Amazon.co.jp (12/21執筆時)
幅445 ×奥行 367 × 高さ128 mm
こちらは、アメリカのヒューレット・パッカードの入門機です。
2機種ありますが、OfficeJet 5220のみ、上部に、ADF(原稿自動読み取り装置)とFAX機能が付属する点が相違点です。一方液晶は、2.2型のモノクロ液晶です。
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純正インクの単価は、上記の通りです。
キヤノンの下位機種のように、こちらの機種も「4色独立タンク」を採用していません。つまり、カラーインクは、利用した色に偏りがあっても、一色がなくなれば「交換」です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約22.9円
A4カラー 約12.3円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約15.8円
フォト年賀状印刷 約23.3円
A4Photoカラー 約87.2円
インクのコストパフォーマンスは、Amazonの実売価格をふまえると、上表の通りです。
写真印刷のコストは、L版写真で約15.8円、フォト年賀状印刷で約23.3円、A4縁なし印刷で約87.2円です。
ブラザーには及ばないものの、適度に安い値段です。しかし、独立タンクではないので、実際のコストはより高くなる可能性があります。
普通紙印刷のコストは、A4カラーで1枚12.3円とのデータが公開されます。A4モノクロは推定で、1枚8円程度です。こちらの場合も、ブラザーに次ぐ水準になるでしょう。
一方、HPには他機種にないメリット性が2点あります。
第1に、黒タンクだけでモノクロの印刷ができる点です。
他社の場合は、「カラーインクの残量が限界値を下回った場合、(最長5日間)ブラックインクだけを使用して印刷できる」という、黒だけで「臨時的に」印刷ができる機能だけです。
第2に、プリンターヘッドがインク一体型である点です。
年賀状で「年1回」などほとんど日常的に使わない場合、「ヘッドの故障(目詰まり)」があり得ます。その場合、ブラザー・エプソンは「修理」となります。
HPは、インク側にヘッドが付くため、まさかの際は「インク全交換」で対応できます。インクも大容量タイプでなければ、全色交換しても2000円位なので、経済的です。
カラー印刷のクオリティは、カラー3色は染料インクです。そのため、「黒も染料インク」のキヤノンの最上位機を除けば、クオリティは同水準に高いです。
ただし、「ピコリットル」単位で表す、1滴のサイズが非公開です。デュアルドロップボリューム テクノロジーという技術の採用はありますが、交換式ヘッドを採用する欠点で、染料インクを採用する他社より、精細感はないでしょう。
文字印刷のクオリティは、顔料インク採用と言うことで、他社並みのクオリティは期待できます。
印刷速度は、カラー6.8枚/分・モノクロ9.5枚/分というスペックです。ブラザーほど印刷は高速ではないですが、それに次ぐスピードで、十分です。
ネットワーク機能は、HPのもうひとつの「売り」です。
USB接続とWi-Fi対応という点では他機種と同じですが、HPは、5GHz帯のWi-Fiをサポートします。また、設定の際は、Android系スマホの場合、Bluetooth Smartによる接続アシストが受けられるため、接続の手順が(多少)簡単です。
自動両面印刷機能も、全機とも搭載です。
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以上、HPの入門機を紹介しました。
魅力は、ヘッド一体型インクの採用と、黒だけ印刷機能でしょう。
特に前者は、日常的にあまりプリンターを利用しない方に、結構便利だと思います。印刷コストについては、ブラザーなどより安い機種もありますが、「まさかの際のメンテナンス出費」を考えると、こちらのほうが安く済む可能性はあるでしょう。
一方、印字品質は、仕組み上他機に及ばないため、この部分を期待して選ぶ機種ではないと思います。
次回の予告!
インク代の安いカラープリンタのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、ここまでは、エプソン・ブラザー・キヤノン・HPのインクジェットプリンター複合機について見てきました。
続く第2回目【こちら】では、今回紹介しきれなかったHPの上位機を紹介します。
さらに、「桁違いのインク代の安さ」で評判のエプソンのエコタンク搭載プリンターEW-M571T EP-M570Tを紹介します。
その後、結論として、ここまでに見た「4色インクの機種すべて」から、価格別・目的別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきたいと思います。その後、6色インクタンクの機種の紹介に入ります。
第2回目記事は→こちら!
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