「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件

くるりと言い訳を翻した韓国

2018年12月27日(木)

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単従陣で旗艦を務める韓国の駆逐艦「広開土大王」、2008年7月撮影(写真:SOUTH KOREA NAVY/AFP/アフロ)

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 自衛隊機へのレーダー照射事件で、韓国が説明を変える。「遭難漁船を救助中だった」との説明にも疑問符が付く。

攻撃直前の行為

韓国の駆逐艦が日本の哨戒機に対し「攻撃寸前の態勢」をとりました。

鈴置:防衛省の発表によると12月20日、海上自衛隊の哨戒機P1が日本海の日本のEEZ(経済的排他水域)を飛行中に、韓国海軍の駆逐艦、広開土大王(クァンゲト・デワン)から火器管制レーダーの照射を受けました。

 弾の入った銃を他人に向けたのも同然で、平時にはあり得ない行動です。岩屋毅防衛相は12月21日「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」と語りました。

 共同通信の「レーダー照射『攻撃直前の行為』と防衛相」(12月21日)などが報じました。

否認に転じた韓国

韓国政府は事件を否認しています。

鈴置:初めは堂々と認めたうえ「大した話ではない」と言っていました。それが日本政府に追い詰められると説明を変え「レーダーを照射したことはない」と言い出したのです。

 「日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国」をご覧下さい。12月22日までは韓国メディアに対し火器管制レーダーを使ったが、日本の哨戒機を狙ったものではなかったと説明していました。

 ところが12月22日に防衛省が「火器管制レーダーは捜索には使わない」と指摘。さらには日本のメディアが「レーダー照射は複数回で一定時間続いた」「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」などと意図的なレーダー使用の可能性が高いと報じた。

 そこで12月24日、国防部は「照射」自体がなかったと言い出したのです。「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが、電波は一切出さなかった」との説明に変えたのです。

●日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国
12月21日防衛省、12月20日に日本海の日本のEEZ内で、韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射と発表。岩屋毅防衛相「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」(共同通信など報道)
12月22日東亜日報、独自ダネとして「12月20日に漂流中の北朝鮮の漁船を海軍が救助」と報道
12月22日統一部、救助した北朝鮮の漁民を板門店を通じ送り返したと発表
12月22日国防部「遭難した北朝鮮の船舶を捜索するため火器管制レーダーを使ったが、日本機を狙ってはいない。正常な作戦任務だった」(韓国MBC報道)
12月22日NHK「レーダー照射は複数回で一定時間続く」「偶然とは考えにくい」「哨戒機はレーダー受けて回避」
12月22日防衛省「火器管制レーダーは捜索には使わない。その照射は危険な行為」と発表
12月23日FNNなど「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」と報道
12月24日国防部「人道主義的な救助のための正常な作戦活動であり、日本機の脅威となる措置は取らなかった」「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが電波は一切出さなかった」「日本機からの通信はノイズが多く『韓国海洋警察』だけが聞きとれた」(聯合ニュース報道
12月24日韓国外交部「事実を確認せず発表した」として日本に遺憾を表明(聯合ニュース報道
12月25日防衛省「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数回受けたことを確認した」「海自機は韓国の駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行」「緊急周波数で韓国海軍艦艇に向け英語で3回呼び掛けた」と発表
12月25日菅義偉官房長官、会見で韓国に再発防止を強く求めたうえ「当局間の協議を進める」
12月25日岩屋防衛相、会見で「照射があったことは事実。(把握しているデータに関し)我が方の能力に関することは公表できないが、先方となら専門的な話もできる」

コメント63件コメント/レビュー

韓国のマスコミは全てが反日韓国政府の嘘を知りつつ韓国世論に虚偽報道までして反日世論を盛り上げているのに、
日本のマスコミは日本の国営方法=公共放送が、日本人から強制的に徴収した金(ほぼ税金)で韓国人歌手の歌を流し、韓国人俳優のドラマを放映して、韓流ブームを作り出してきた。
(この流れは不払い運動でもしないと変わらないでしょうね。)(2018/12/28 10:49)

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「「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

韓国観察者

元日本経済新聞記者。1995~96年ハーバード大学日米関係プログラム研究員、2006年イースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

韓国のマスコミは全てが反日韓国政府の嘘を知りつつ韓国世論に虚偽報道までして反日世論を盛り上げているのに、
日本のマスコミは日本の国営方法=公共放送が、日本人から強制的に徴収した金(ほぼ税金)で韓国人歌手の歌を流し、韓国人俳優のドラマを放映して、韓流ブームを作り出してきた。
(この流れは不払い運動でもしないと変わらないでしょうね。)(2018/12/28 10:49)

マジっすか。あんなポンコツ海軍、偽物部品、贈収賄高級将校の軍が制海権を取れますか。
北朝鮮と合同ったって、木の船でしょ。
ほんとかな。
日本の政治的忖度、譲歩がなければ、全然問題はないと思いますが。
問題は日本の政治姿勢、無能な外務省、保身の外務官僚だと思います。(2018/12/28 10:42)

どうせなら、実は、韓国軍が北朝鮮への密輸、物質援助してたと言うところまで出てきたら、面白いんだけどなぁ。
だいたい、北朝鮮の漁船の救助と言うのも怪しい訳ですよね。
米国に逆らって、秘密裏に北朝鮮への援助物資を、漁船のフリした北朝鮮軍に渡してたと言うのがありそうで、ワクワクします。
以前から主張してるけど、日韓断交で良いでしょう。韓国や北朝鮮の関連団体などは、昔からテロリストが多いので、国外退去にして良いです。北朝鮮の拉致テロ、韓国の金大中事件とか、証拠はいっぱいありますよね。(2018/12/28 10:33)

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