【競馬・ボート・競輪】[競馬]ホープフルS サートゥル、兄に続いてGI制覇 新スター誕生2018年12月29日 紙面から
中央競馬の1年を締めくくる「第35回ホープフルS」(GI・芝2000メートル)は28日、中山競馬場で行われ、1番人気のサートゥルナーリアがゴール前で馬群を割って出て、デビューから無傷の3連勝でGI初制覇。中竹和也調教師(54)=栗東、M・デムーロ騎手(39)=栗東・フリー=はともに同レース初勝利。2着は2番人気のアドマイヤジャスタ、3着は3番人気のニシノデイジー。 “怪物”の前評判にたがわぬ強さを見せつけた。直線で抜け出すとあとは流すだけ。今年最後の大舞台は良血サートゥルナーリアが完勝で締めくくった。「サイコーです。今年一番強い2歳に乗っていました」。師走のGI3勝目を決めたM・デムーロは最上の賛辞で相棒をたたえた。 絶好のスタートから道中は手綱を押さえて2番手を確保。「この馬は何でもできる」と意のままに折り合いをつけて4コーナーをクリア。直線で一瞬前が壁になるシーンはあったものの馬群をこじ開けてからは本気で追うこともなかった。さっそうとゴールを切り、「スペースはなかったけど、馬が狭いところに行ってくれた。楽勝だったね」と涼しい顔だ。 日米オークス馬シーザリオの子として、エピファネイア、リオンディーズに続く3頭目のGI勝ち馬となった。吉岡助手は「触った感じはエピファネイアにそっくり。でも、この馬はロードカナロア産駒らしくコントロールできるのが長所」と話す。「今回は一番きつい競馬になったが、狭いところを出てくるあたりが底力。現時点で弱点はありません」と胸を張った。同助手は来月から技術調教師になるため、今回のレースを最後に担当を離れることになる。「最高の形でバトンをつなげます」と笑顔で締めくくった。 年明けには、もともと在籍していた角居厩舎に戻る見込み。今後はトライアルを挟んでクラシックの王道路線を歩む。朝日杯FSを制したアドマイヤマーズもお手馬に抱える鞍上は「(2頭が)かぶらなかったら来年も楽しみ」とおどけてみせた。世代の主役を担うニューヒーロー。その明るい未来は、既に約束されていると言っても過言ではない。 (中山競馬取材班)
|