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【プロ野球】

輝星、2019元旦に 長靴・雪道20キロランで始動

2018年12月29日 紙面から

室内練習場で投げ込む日本ハムドラフト1位の吉田輝星=秋田市の金足農高で

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 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(17)が28日、2019年の元日に雪道20キロを長靴でランニングすることを明かした。強靱(きょうじん)な下半身をつくった原点といえるトレーニングでルーキーイヤーの幕を開ける。この日は秋田市の金足農高で年内の自主練習を打ち上げた。

 雪、長靴、ラン。この3つが今の吉田を作り上げた。そして、2019年の元日。プロという新たな世界に飛び立つ前に「原点回帰」といえるイベントを計画していた。

 「元旦マラソンをします。走ったことないくらいの長い距離を走りたい。20キロ。普段走ったことない道を探検的な感じで…」。近所に住む1学年上の先輩に誘われた。走る道は当然、雪道。そのため、足元には長靴を履く。早くても2~3時間はかかる見込みだ。

 秋田は例年この時期、グラウンドが雪で覆われる。そのため、吉田は長靴を履いて走り込んだ。「重いし、しっかり蹴らないと走れない。キツイ」。高校球界随一の直球を支える下半身はこうやって生み出された。

 「走り込みに良いイメージはない。走らされ過ぎて」。しかし、氷点下が当たり前という厳しく苦しい冬が一回りも二回りも吉田を成長させた。だから、走る。「高校生最後として、秋田の雪を味わってからプロに行きたい」。そんな秋田の冬とのしばしの別れも心の中でかみしめる。

 この日は屋内練習場でブルペンに入った。捕手を座らせて、変化球を交えて19球を投げた。「これまではこの時期にボールをさわることはなかった。感覚的には良い感じで投げられている」。今の体重は夏と同じ81キロ。「一時期太ったっていわれたんですけど、いろんな動きをしてすごい落ちています。やれることは全部やれている」。甲子園ボディーに戻り、充実の時間を過ごしている。

 マラソンで汗を流す前には初詣に行く。絵馬に記す文字はもう、決めている。「『活躍』ですね」。こたつで丸くなっている暇はない。地元、そしてプロ野球ファンの期待を背負う右腕は、長靴姿で玄関を飛び出していく。 (土屋善文)

 

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