ガイアファンディング代表者インタビュー(1)
- 2015/12/12
- 05:00
■場所:
maneoマーケット株式会社 オフィス
(今回写真を撮り忘れました。)
■インタビュー実施日:
2015年10月28日
■お話を伺った方々
・ガイアファンディング代表取締役 ケルビン・チウ氏
・maneoマーケット株式会社社長 瀧本憲治氏
たまたま来日中だったケルビン・チウ氏にインタビューさせていただきました。
瀧本氏にも同席していただきました。
休日にも関わらずご対応いただきありがとうございました。
以下のインタビューは、基本的にケルビン氏に回答していただきましたが、一部瀧本社長による回答もあります。
■インタビュー内容
―ケルビン氏の経歴は
台湾出身で、ニューヨークのウォールストリートで仕事をしていた。
2007年から日本に5年住んでおり、その間ゴールドマンサックス、SBIホールディングスの関連会社に勤務していた。
また、1997年からニューヨークで個人的に不動産投資を手掛けている。
―ガイアファンディングサービス開始の経緯は
2012年にカリフォルニアに移住し、そこでパートナーを見つけ、EQUIPOISEという新しい不動産開発ファンドを開始した。
2年間ほど前から、日本の証券会社や機関投資家に対し、日本の投資家にアメリカの不動産開発融資と金融商品の投資機会を提供したいという話をし、提携先を探していた。
その中で、アメリカで我々がやっている業務と、maneoが日本でやっている業務の内容が近いと感じ、提携できないかと考えてこちらから連絡した。
返信をいただき、そこから話が進んだ。(ケルビン氏)
当初、EQUIPOISEに対してmaneoを通じて投資するスキームも考えた。
ただ、そうなると、案件をすべてmaneoで審査しなければならない。
アメリカの不動産投資に対する審査を行うのは難しかったため、ガイアファンディングという別のサービスとして立ち上げることにした。
(瀧本社長)
―もう一人の代表取締役である真鍋氏とはどのように知り合ったのか
真鍋さんもアメリカでもともと不動産投資をしており、不動産のフォーラム的なネット上の会で知り合った。EQUIPISEの立ち上げも一緒におこなった。
―日本が親会社で、ケイマンが子会社という形式になっているのはなぜか
現在、日本が親会社で、ケイマンに子会社がある 。
日本からケイマン子会社への貸付の形をとっている。
税金・為替などの問題をクリアするために一番いいのは、オフショア会社を作ることだと考えた。
ケイマンは、自国の経済を活性化するために、金融の法律やインフラを整備している。
ヨーロッパやアメリカの金融会社・投資会社はみんなケイマンに子会社を作っている。
このような仕組みになっているのは、投資家の配当金に対して、アメリカでの税金がかからないようにするという目的もある。
―現在資本金は1億円とのことだが、会社の主な出資者は誰か。
出資者は現在一人で、日本人の個人投資家である。
また、現在UBI、maneoとの資本関係はない。
―ガイアファンディングは日本の貸金業免許を取得しているのか
貸金業免許は取得していない。
日本から海外子会社への貸し付けの形をとっているので、免許は不要。
―借り手の名称を公開できないのか
ガイアファンディングを開始する前、日本の金融庁と相談したところ、やはり借り手の複数化、覆面化はやるようにとのリクエストがあったので、非公開としている。
ただし、開発プロジェクトごとにLLC(アメリカの有限責任会社)を作ってやっており、それが借り手となるので、あまり借り手の名称は重要ではない。
実際に開発を手掛けるディベロッパーの名称の方が重要で、そちらは公開しても問題ない。
今後公開するかも知れない。(瀧本社長)
―ファンドの仕組みは
海外子会社を通じて不動産開発プロジェクトに投資を行う。
現在出資している案件は、リフォーム、土地開発、再開発など。
EQUIPOISEでは1~3億円以上の規模の開発が中心だったが、ガイアファンディングでは今のところ少し小規模な案件を提供している。
ワシントン州シアトル、カリフォルニア州サンフランシスコの周辺の一軒家の案件が多い。
古い住宅を購入し、リフォームしたり、立て直したりしている。
アメリカの不動産状況は地域によって大きく異なる。
例えばロサンゼルスやサンフランシスコ、サンノゼなどカリフォルニア州では、新築の許可を得るのに時間がかかるため、リフォームする場合が多い。
カリフォルニアでも、許可が出るのに1年~2年かかる。その間は何もできない(ガイアファンディングが今まで扱った案件では、許可を取った段階の案件を選び、2番抵当で入っているケースが多い)。
リノベーションの資金は、銀行からも借りられるが、金額が少なかったり、審査に時間がかかったりする。
日本の物件は、7割は土地の価値で、3割が建物の価値だが、アメリカでは逆に、7割は建物の価値。
そのため、リフォームすれば不動産の価値を大きく高めることができる(ほとんどが築22年以上の案件のリフォームのため、加速度減価償却(建物の減価償却を4年で行う)が可能で、こうした節税商品として投資家に紹介することも近い将来考えている)。
(ケルビン氏)
日本では、町を歩いていて個々の不動産の実際の価格を知りたいと思ってもすぐには分からないが、アメリカでは、スマホなどですぐに調べられる。
非常に透明性が高い。そのため、不動産の評価を間違えることはほとんどない。
取引も洗練されており、エスクロー制度というものがある。
弁護士などに書類を渡し、チェックや登記が終わってからお金が支払われる。
建設の段階もチェックが行われ、マイルストーンごとに業者に資金が払われる仕組みがある。
こうした手続きが整備されているため、詐欺などの可能性も低い。(瀧本社長)
―投資先の開発業者はどのように選定・審査しているのか。
ガイアファンディングでこれまで投資した先は4社である。
もともと不動産業者のネットワークがあり、その中で知っている業者の中から選定する。
審査の際は、返済能力だけではなく、過去の開発実績や、その開発案件自体がどの程度の利益が出るかを考慮する。万が一トラブルが起きた場合でも、そのトラブルを引き受けて建築を続行できるエキスパートとだけ付き合うようにしている。
基本的に12%以上の利益が見込める物件にのみ投資する(取り組み時の事務手数料や、開発終了後の売却利益の中からもガイアファンディングに収入がある仕組みになっている)。
ガイアファンディングのパートナーは、ファイナンスアレンジャーである。
ファイナンスアレンジャーが、ディベロッパーからの案件をコーディネートする。
パートナーであるファイナンスアレンジャーの中には、15歳のころから不動産開発に携わってきたようなベテランもいる。
いずれもリーマンショックを経験して生き残っている業者である。(ケルビン氏)
実はディベロッパー自体の倒産リスクは、あまり重視していない。
ディベロッパーへの代金支払いは、工事の進行度合いに応じて行う。
例えば、プールが完成したらその時点でチェックし、問題なければその分の代金を支払う、という具合。
パートナーであるファイナンスアレンジャーは、建築知識に長けているため、仮に業者が途中で倒産しても、別の業者に引き継がせることができる。(瀧本社長)
―投資先の不動産物件はどのように選定しているのか。
12%以上の利益が見込める物件にのみ投資する。
また、価値が上がると見込まれる地域のみを対象とする。
アメリカは広いため、地域によって相場の上昇・下降の傾向が全く異なる。
例えば、カリフォルニアは人口がどんどん増えており、シアトルはマイクロソフトやボーイング、アマゾンといった大企業が増えている。
いずれも不動産の在庫は不足している。家を作ればすぐに売れる。
スタンフォード大学のあるパロアルトは、年収1500万円でも家が買えないと言われている。
現在のところ戸建住宅のみを対象としている(今後は住宅用の土地造成案件も手がける予定)。
価格帯が手頃で、安全性が高いため、当面は住宅中心でやっていく。
(次回に続く)
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