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「仮想通貨がすべてじゃない」KAZMAXが語る「個人投資家の生存術」

■仮想通貨トレーダーが為替にも目を向けるべき理由


──そういった意味では、今は仮想通貨にしか投資をしていない人も、今後は他の市場にも目を向けるべきですか?

KAZMAX:間違いなくやったほうがいいですね。今回の暴落が起きるちょっと前って、ビットコインはボラリティのない時期がしばらく続いたじゃないですか。この間、リテラシーの高い人たちはすでに日経平均や為替に目を向けているんです。特に為替は、市場が大きいので可能性は無限大です。

──トレード経験のない参加者が多い仮想通貨マーケットについて、KAZMAXさんはかつて「進学校でトップを取るのは大変だけど、底辺校なら少し頑張るだけでトップに立てる」とおっしゃっていました。今、この認識は変わってきていますか?

KAZMAX:僕自身、仮想通貨を始めてから爆発的に資産が増えました。少し前までは本当にイージーなゲームだったと思います。しかし2018年12月現在、仮想通貨市場もずいぶん成熟してきて、ちょっと勉強したくらいで勝てるほど甘くはなくなってきた。出来高が少なくて、売りたくても売れないこともある。そしてダマシも頻発している。大口も上下に揺さぶってきます。いわば無法地帯なんです。

一方で為替は、もちろんダマシもありますが、取引量も大きく、資金量に依存することがないので、同じ技法で勝ち続けられるのが魅力ですよね。一度基本的なトレードのスキルを身に着けたら、アップデートしていくことで継続的に勝てるようになっていく。今の仮想通貨と為替を比較したら、為替のほうが簡単かもしれません。

KAZMAX2

仮想通貨でブレイクしたKAZMAX氏だが、一番最初に投資したのは株。以来、為替や先物など「チャートがあるものなら、なんでもみてきた」

──為替は一度、覚えたトレードスキルが長く通用し続ける、ということですね。ちなみによく取引する通貨ペアはありますか?

KAZMAX:ドル円です。安定性がありますね。

──手法は?

KAZMAX:基本的にスイングですが、直近で大きなイベントが控えていた場合は、デイに替えるなど柔軟に対応しています。例えば100円から101円になる市場と100円から105円になる市場だったら、1%と5%で資産の変動量が違いますよね。5%のときは1倍で取引したり、1%のときは5倍で取引したり。ボラティリティに起因する資金変動量をレバレッジで調整するイメージです。大きなイベントがないときは、「土日寝ポジ」で持ち越してもいいのかもしれないけど、大きなニュースって土日に出ることも多い。

──トランプの発言やミサイル発射などのニュースによって、相場が荒れますよね。

KAZMAX:以前、北朝鮮がミサイルを発射したのも土日でした。スタッフと浅草の定食屋でメシ食いながら「これは読めなかったー!」って叫んだ記憶がありますよ(笑)。為替は政治リスクが伴うこともあるけれど、極力それを排除しながらリターンを狙う姿勢が大事ですね。

──そこにトレーダーの力量が現れる、と。

KAZMAX:でも、トレードをしているすべての人が僕のように四六時中、チャートに張りついていられるわけではない。仕事や学校、家事など時間的な制約もありますよね。「金融リテラシーの向上」という意味でもいろんな人が安全に取引をしてほしい。そういった意味では「半裁量トレード」もひとつの手かもしれません。

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「投資手法の分散化が損切りを楽にする」

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