韓国海軍の駆逐艦が日本の自衛隊の哨戒機にレーダーを照射したとされる問題で、韓日の主張が平行線をたどっている。日本の防衛省は25日、声明を出し、韓国国防部(省に相当)の24日の発表内容に全面的に反論した。
日本の防衛省は声明で「海上自衛隊のP1哨戒機が(韓国海軍の駆逐艦から)数回にわたりレーダーを照射された」として「哨戒機が火器管制レーダー特有の電波を一定時間継続して複数回照射されたことを確認した」と強調した。防衛省はまた「(自衛隊の)哨戒機が韓国の駆逐艦(広開土大王)の上空を低空で飛行した事実もない」と主張した。
これに先立ち韓国軍合同参謀本部関係者は24日、国防部の定例記者会見で「韓国海軍が日本の哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」と明言した。「広開土大王」(3500トン級)の射撃管制レーダーには、目標物(航空機)の大まかな位置を把握する探索レーダー(MW08)と、目標物の位置・速度を精密に把握してミサイル・砲を誘導する追跡レーダー(STIR)の2種類がある。韓国国防部と海軍は、探索レーダーは稼働させたものの、日本の主張する追跡レーダーの電波を哨戒機に向けて照射した事実はないと説明した。
また、日本の哨戒機は当時、機体の日章旗マークが見えるほどの低空飛行で、約300メートルの高度で韓国の駆逐艦の上空を飛行していたことが分かり、韓国軍もこれを否定しなかった。
日本の防衛省が25日に出した声明は、韓国軍側の主張に全面的に反論したものだ。韓国国防部はこの日、防衛省の声明に再反論する代わりに「緊張緩和のために日本側は発表内容を事前に(韓国側に)通報してきた。日本側の発表の通り誤解を解消するための協議が進められる」と説明した。決定的な対立を避けて対話を続けるというわけだ。
韓国国防部は24日の発表が事実に合致しているとの立場だ。韓国海軍は駆逐艦の艦長など乗組員らに対して何度も確認作業を行い、電子戦装備でも追跡レーダーが稼働していなかったことを確認したという。ある消息筋は「追跡レーダーの電波は強力で、実際に稼働していたのなら駆逐艦の電子戦装備に痕跡が残るが、それがなかった」と話した。