【一般スポーツ】岡谷工・グルング千金トライ 全国高校ラグビー初戦突破2018年12月28日 紙面から
1回戦8試合が行われ、中部勢は2大会ぶり30度目出場の岡谷工(長野)が和歌山工に13-7で競り勝った。右膝半月板損傷の大ケガを克服し、先発に抜てきされたロックのグルング・カルロス(1年)が逆転トライの活躍を見せた。3大会ぶり3度目出場の魚津工(富山)は鹿児島実に14-45で敗れた。 岡谷工の強力FW陣が敵陣ゴール前15メートルのラインアウトからモールでグイグイ前進した。5-7の前半終了間際、最後は170センチのグルングが逆転のトライ。「僕はたまたまボールを抑えただけ。FWみんなのトライ」と喜びを爆発させた。 日本人とペルー人のハーフの母と同じペルー国籍のグルングは、愛知県豊橋市で生まれ育った。小学6年で地元のスクールで競技を始めた。スクールの先輩、SH金田(2年)に誘われ、「芝生のグラウンドがあって練習環境が良い」と岡谷工へ進んだ。 花園に30度の出場を誇る岡谷工だが、先発15人中、競技経験者は3人だけ。グルングは中学まではCTBだったが、入学早々、フッカーとして出場機会をつかんだ。しかし体育の授業中、思わぬアクシデントで右膝を負傷。懸命のリハビリで9月には練習を再開した。長野県予選には間に合わなかったが、念願の花園で、ロックとして復帰を果たした。 中学時代には柔道73キロ級で愛知県8強入りした実績もある。ただタックルを支える体幹の強さはラグビーで養ったと自負している。「攻撃で目立てなくても、小柄でも低く入ればタックルは決まる」と磨きをかけてきた。後半、自陣での守備が続いた時間帯では得意のタックルを連発、守備でも大きく貢献した。 2回戦はBシードの強豪・天理(奈良)と対戦する。グルングは「FWで前に出る岡谷の魅力を出せば勝機はある。大きなFWに低く刺さるタックルを決めたい」と力を込めた。 (伊東朋子)
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