【大相撲】稀勢13勝3敗、三番稽古で大関高安を圧倒 右膝も「大丈夫」2018年12月28日 紙面から
右膝負傷で先場所を途中休場し、初場所に進退が懸かる横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が27日、都内の部屋で弟弟子の大関高安(28)と、同じ相手と続けて取る三番稽古をし、16番取って13勝3敗と圧倒した。三段目力士相手に相撲を再開した前日に続き、徐々に調子を上げている。 稀勢の里が、心身とも元気いっぱいを印象付けた。前日と一転し、稽古を公開したのは、横綱として堂々と臨む覚悟の表れか。若い衆相手に6番取って肩慣らしを終えると、高安と土俵に入った。 九州場所前の稽古で取って以来、調子のバロメーターとなる大関を迎撃した。いきなり左四つにがっぷり組んで寄り切り。その後も立ち合いで馬力勝ち。低い攻めで何度も押し出した。右膝、左胸筋など患部に不安は見当たらない。再起へ合格のスタートを切った。 「気持ち良かった。(右膝も)大丈夫」と納得顔。必勝型の左差しにこだわらず、押し勝つ相撲が多かったことに「一番いい形でやろうと思った。いろんな場面があるし、まわしが取れないこともあるから」と話した。 先場所は横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗を喫し、5日目から休場。得意の左差しを封じる相手の対策にことごとく敗れた。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。 三番稽古後は高安から「どうっすか」と、ぶつかり稽古の胸出しを志願され「ごっちゃん」と受けた。約5分、何度も転がされ、若い頃のように全身は泥だらけになった。 横綱としては珍しく、まげをつかまれて引きずり回された。弟弟子の“アシスト”に応えるのは本場所で復活することだ。 (荒木司)
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