週刊新潮・新聞協会賞 「手抜き除染」キャンペーンに自作自演の闇がある! 続き
「手抜き除染」報道に自作自演疑惑 補足資料

週刊新潮2014.10.23号
p48~50
証拠メールで「朝日新聞」反論の嘘がばれた!
「自作自演」は無反省!
「手抜き除染」に新聞協会賞の資格があるか!

 朝日新聞の「手抜き除染」キャンペーン。昨年度の新聞協会賞を受賞した一連の記事に自作自演があったことは、先週号で報じた通りである。朝日は慌てて反論したが、それが真っ赤な嘘であるのは「証拠メール」からも明らか。やはり無反省がお家芸のようで。

 10月9日、朝日新聞の慰安婦報道を検証する第三者委員会の初会合では、委員から「朝日は都合のいい事実だけ拾って報道し、都合の悪いものは無視する体質だ」という声が上がったという。自らの体質を少しは自覚しているのかもしれない。だが、一歩踏み込んで、「都合のいい事実」を「自作自演」しているとまで指摘されると、おいそれとは認められないようだ。
 本誌が先週号に掲載した特集記事「新聞協会賞『手抜き除染』キャンペーンに自作自演の闇がある!」に対し、朝日新聞は8日付朝刊で「事実誤認」と反論するとともに、本誌編集長に宛てて「抗議書」を送ってきた。とりわけ後者は、
<「自作自演」などと決めつけ、報道機関としての朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損するもので到底看過できません>
 などと強い調子で書かれているが、むろん「決めつけ」ではない。それどころか、<朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損>しているのは、朝日新聞とその記者自身ではないのか、と問い返したいが、それは追って詳述する。その前に、朝日の「手抜き除染」キャンペーンと、そこに浮上した疑惑を報じた本誌記事を振り返っておかねばなるまい。
 新聞協会賞を受賞したキャンペーンの概要は、本誌への反論が掲載された8日付の朝日から引用する。
<本誌は2013年1月4日付朝刊で「手抜き除染横行」(東京本社版)の見出しで、環境省が福島県で進めている除染作業で、汚染物質が回収されずに現場周辺の山や川に捨てられている実態を報じました。(中略)取材班は12月11~18日に除染現場にのべ130時間にわたって張り込み、環境省ルールに沿わない手抜き作業を13か所で確認し、写真や動画に記録しました。さらに週刊新潮が取り上げた元作業員を含む約20人から、手抜きに関わったとの証言を得ました>
 ところが、朝日に証言した元作業員、梶村圭一郎氏(31)によれば、朝日の取材には自作自演があったという。それを梶村氏の実名による告発として報じたのが、先週の本誌記事だった。現在、横領罪などで拘置所に収監されている梶村氏から寄せられた150枚を超える手紙に加え、直接の面会で得られた証言によって、朝日の”手口”を具体的に暴いたのである。
 たとえば、梶村氏の手紙から、こう引用した。
<記事では、作業員が勇気を持って、録音を自身で決意した等となっていますぅが、実態はA記者からICレコーダーを手渡され、録音を依頼されましたlしかも、現場監督が不法投棄している部分という注文付きでした。同記者は、多少誘導的になっても良いから、現場監督の録音が欲しいと言って来ました>
 13年1月4日付の朝日の記事には、「20代男性」すなわち梶村氏が、現場監督から汚染物質を「捨てていい」と指示されたとしたうえで、
<男性は納得できなかった。(中略)これで除染したと言えるのかー。/作業開始から1カ月余りたった11月27日、男性は現場監督にただした。そしてそのやりとりを録音した>
 と書かれている。が、現実には、朝日による”マッチポンプ”だったと梶村氏は訴えるのだ。これに対し朝日は反論記事に、
<記者に、元作業員から「録音する機械を貸してくれれば、作業の指示を記録する」と提案があったため、記者はICレコーダーを渡しました>
 と書き、さらに「抗議書」ではこう言い切る。
<ICレコーダーで音声を録音したのは、取材協力者の意思によるもので、記者からの依頼によるものではありません>
 そこで本誌は、あらためて梶村氏に面会したが、
「A記者と初めて会ったとき、”お近づきの印に”とクリームパンとICレコーダーを渡されました。”多少、誘導してもいい””と言われたのは事実だし、”作業員でなく現場監督の声欲しい”とも言われた」
 と明言するのである。

「お渡ししたいものが」
 それでも朝日は、自身の情報源であった梶村氏をウソツキ呼ばわりするのかもしれないが、彼は以前、こうも語っていた。
「(同僚作業員の)木田裕太君(仮名)に渡すICレコーダーを、A記者と2人でいわき市内の家電量販店に買いに行きました。A記者は、木田君はブランド好きだから”ソニー^がいい”と言って、ソニー製を買って渡していました」
 そこで木田氏に尋ねたところ、こう証言するのだ。
「A記者は、除染の下請け会社社長の発言や会話を録音してほしいと、私にICレコーダーを渡してきました。一方的に”録音してくれ”と渡されました」
 しかも、12年12月10日の、A記者と木田氏の間のEメールによるやりとりが残されていた。

A記者<あとでお渡ししたいものがあるのですが/お会いできませんでしょうか??>
木田氏<渡したい物とはボイスレコーダーか何かですか?>
A記者<わ、すごいカンですね(^-^;/ご自身の身を守っていただきたくて>

 余談だが、翌11日にはこんなやり取りもしている。

A記者<女平の道路の高圧洗浄は、今日はやってますでしょうか?>
木田氏<今日は行わないようです>
A記者<ありがとうございます!写真、もし危険がなければお願いします。危険がなければ、で!>
木田氏<どういった写真が欲しいのですか?>
A記者<ピンクのひもの向こう側に木とか葉っぱとかぽいっとしてるところを。やらせでなく、通常作業で。すみません>

 録音ばかりか、写真まで作業員に”依頼”しているが、写真は<のべ130時間にわたって>張り込んだ記者が記録したのではなかったのか。しかも、わざわざ<やらせでなく>と断るとは、意味深である。
 本誌先週号の内容に戻る。朝日の動画サイトや「報道ステーション」で流された自身へのインタビューについて、梶村氏は、
<少なくとも私の発言内容は、A記者が作成した内容です。私が、不法投棄の現場を案内した際、一枚のメモ帳を渡され、「これを読んでいる所を、録画させて頂いても良いですか」といわれましたので、「はい」と答えて応じました>
 と手紙に綴っていた。これに朝日は反論記事で、
<記者はメモは渡しておらず、インタビューの元映像にも何も手に持たずに話す場面が記録されています>
 と主張するが、梶村氏の反論はこうだ。
「細長いメモ帳に走り書きしたQ&Aを渡され、撮影前にA記者に返しました。だから、映像に映っているわけがないのです」
 それに、そもそも梶村氏が「手抜き除染」について”台本”なしに的確に喋れるのか、と疑う声があることにも触れておきたい。7万円を横領されたとして梶村氏を刑事告訴した元除染作業員は、こう語る。
「朝日の記者と接触したとき、梶村はまだ10月に現場に来て1カ月も経っていなかった。現場の指揮系統だってよく分かっていないやつが、この除染が手抜きだなんて判断できるわけがないんだ」
 さて、先週の記事の山場は、A記者が梶村氏を扇動し、「手抜き除染」の告発文書を環境省に送らせたというくだりである。
 概要はこうだ。12年12月16日、A記者に「環境省の担当者と話してほしい」と頼まれた梶村氏は、A記者のハイヤーに同乗した。A記者は車中から環境省の担当者に電話し、梶村氏に替わった。梶村氏はA記者に指示されるまま不法投棄の実態を説明。その後、A記者がパソコンで環境大臣宛ての告発文を作成し、「梶村君の実名で出してくれるよね」と頼んだ。それを渡そうと環境省に向かうが、多忙の担当者には会えず、A記者は渋谷のコンビニからファックスで送信した。さらに、梶村氏によれば、
「郵送したとも聞きました。告発文書にかかわる費用はすべてA記者持ちです」

「朝日新聞社記者に頼まれ」
 このお手本のようなマッチポンプに、朝日は、
<環境相への文書を出したのも元作業員の意思によるものです。/文書は、記者が元作業員から頼まれ、話を聞きながらパソコンでまとめました。手抜き除染の実態や本人の本籍地など、記者が知り得ない内容が含まれています>
 と記事で反論し、「抗議書」でも同様に訴える。そこで梶村氏が言う。
「自分の意思だったら、環境省に自分の携帯で電話するはずだし、A記者がそばにいるわけないじゃないですか。自分の意思なら自分で行きますよ。それに”記者が知り得ない内容”って、12月2日の時点で私はA記者を現場に案内しているし、以後もA記者と寝食を共にしてプライベートの話もしている。本籍地だって、妻と暮らす住所を書くのが嫌で、それにしたんです」
 この日、梶村氏がA記者と行動を共にしていたことは、くだんの環境省の担当者も記憶している。
「私宛にA記者の携帯から電話があって”不法投棄の恐れがある事案を作業員が告発したい”と言うんです。A記者の隣に梶村さんがいたようで”電話を替わるから話を聞いてくれ”と言われ、梶村さんと話しました。私は”資料があればファックスしてほしい”と伝え、その晩にファックスが来て、後日、郵送でも届きました」
 この”情報提供”がもとで翌13年1月10日、梶村氏は環境省のヒアリングを受けた。その模様について、同省の手になる「除染適正化プログラム」①には、こう記されている。
<情報提供者が、大日本土木の現場監督から指示されて草木を投棄したこと、朝日新聞社記者に頼まれて指示の様子を録音した、との回答があった>
 朝日は「抗議書」で、
<ICレコーダーで音声を録音したり、環境省に通報文書を贈ったりしたのは、すべて元作業員の意思で行われたものです>
 と断じるが、ここまで記してきた一連の経緯のいったいどこに<元作業員の意思>が見出せるというのだろうか。ちなみに、梶村氏の”正直な”発言が掲載された右の「プログラム」を環境省が発表したのちのことを、梶村氏はこう手紙に綴っていた。
<上司に厳しく注意された、とA記者に怒られました>
 元朝日新聞編集委員の川村二郎氏が言う。
「除染作業員と一緒に環境省に行ったり、録音を頼んだりするのは、取材活動を超えているのではないでしょうか。録音を頼まれた作業員が張り切って、記者の意向に沿うようなことを言わせようとしたのも、無理ないと思います」
 実際、梶村氏の同僚だった元作業員に聞いても、
「梶村がICレコーダーを持ち、写真も撮っていたのは知っています。でも、現場の木戸ダム上流は風が強く、葉を集めてもすぐ側溝に溜まってしまう。現場監督がそれを”落としていい”と言ったことがあるかもしれないが、意図的に不法投棄したなんて感覚は現場にはありませんでした」
 手を抜かずに”除染”すべきは、火のないところに煙を立たせる朝日新聞の体質ではないのか。<著しく毀損>された同紙の<名誉と信用>を回復するには、自作自演の”やらせ”記事を取り消し、新聞協会賞を返上するほかあるまい。


記事中の赤字:朝日新聞の反論記事部分
参考→「手抜き除染」報道、朝日の反論

「除染適正化プログラム」
環境省「除染化適性プロブラム」2013.1.18
→http://josen.env.go.jp/tekiseika/pdf/torikumi_130118.pdf
p18~21
② 楢葉町本格除染

(a)指摘・通報の内容
 12月26日深夜、石原環境大臣あて、除染作業に従事していた作業員から、除染で出た枝葉等について違法性が疑われる投棄が行われていたと、FAX(後に郵送)で情報提供があった。「作業員は、10月2日から木戸ダム周辺(大日本土木が担当している現場)で、除染作業に従事しており、木戸ダムをはさんで上流5キロ、下流5キロほどでモニタリングに係る作業をしていた際、大日本土木の現場監督より、草木を崖や斜面の下に投げるよう指示を受けた。10月20日ごろから、木戸ダム上流5キロ区間で除染の作業をしていた際、大日本土木の監督者より、枝葉を崖や斜面の下に投げるよう指示を受けた。11月27日には、大日本土木の監督者からの指示を録音した。現場には投棄された草木の山があるはずであり、ネットが落ちるはずのない場所にネットが落ちている(写真あり)。」

 同様の内容について、1月4日付の朝日新聞朝刊に掲載。「草や落ち葉を崖下に捨てるよう大日本土木の現場監督から作業員に指示があり、それに作業員が従った。11月27日に現場監督からの指示を録音、年末に投棄させられたことを環境省に通報。」

 また、11月頃、環境省本省担当宛に、除染に従事していた作業員と思われる方から情報提供あり。「特殊勤務手当が払われていない。環境省の対応が悪いと、現場で起こっている事案を暴露する。」

 11月19日には、コールセンターに、除染に従事していた作業員と思われる方から情報提供あり。「元請は前田建設、一次下請はユタカ建設、三次下請は藤建の現場にて作業を行っていた。除染の仕方も、あれは除染と呼べないやり方。現場の監督は『ガイドライン通りやらなくてもいいから、早く見栄え良く、やったように見せておけ。』と言っている。今月中にきちんと特殊勤務手当が作業員に支払われないなら、今まで撮影していた除染風景などをネットで流したり、マスコミに情報を渡したりする。」

 また、11月21日には、コールセンターに、除染に従事していた作業員と思われる方から情報提供あり。「楢葉町ではただ草を刈って見栄えを良くすればいいと監督から指示が出ている。草刈機で刈って袋に詰めて終わり。邪魔な枝等はゴミの奥に捨てていいと言われ、スピードを早くしろ、予算削減しろとの指示が出ている。特殊勤務手当について全然改善されていない。町での除染作業も全部動画で撮っているし写真もあり、マスコミに流してもよい。」

(b)事業者からの報告
 10月下旬から11月末までに女平工区で行われていた除染作業について、作業を指示した現場監督に聞き取りを行ったところ、報道された作業員に対する投棄の指示またはこれを容認した事実は判明していない。投棄されたネット及び枯葉等について、事業者が行った12月25日以降の調査でも該当する事実は確認されていない。以上から、現時点(1月11日)の調査では、不法投棄に関する事実は確認されていない。

(c)環境省の見解
ア)調査内容
 指摘当日の状況につき、作業日報を確認した。1月7日に監督職員が、9日に秋野大臣政務官及び監督職員が、現地調査を行った。さらに、1月11日、13日には、調査範囲を広げて、監督職員が現地調査を行った 。

 1月13日、15日に、情報提供にあった現場監督者(大日本土木)にヒアリングを行った。また、1月10日に、情報提供内容の詳細を確認するため、情報提供者へのヒアリングを行った。さらに1月17日に当該現場に係る作業指揮者へのヒアリングを行った。同日、情報提供者と同じ現場に従事した元作業員へのヒアリングを実施しようしたが連絡が取れなかった。

イ)調査結果
 作業日報(参考資料②(1)-1)によれば、11月27日に女平工区で森林・法面除染を実施していたとされている。

 1月7日、9日、11日及び13日の現地調査で、以下の事項を確認した(参考資料②(1)-2)。
・ 情報提供にあったネットが落ちている写真と同一と思われる箇所(以下「情報提供箇所」という。)が存在した。
・情報提供箇所付近は、道路と崖に挟まれた法面が存在し、道路沿い延長約20m区間では、道路から約20mの除染実施範囲を超えて、崖までの残り最大10m程度の範囲(以下「除染対象外区域」という。)で刈払いが行われていた(この約20m区間を除く道路沿いの法面では、除染実施区域以外の刈払いは行われていない。)。
・ 除染対象外区域における刈払いでは灌木の途中で切断されているのに対し除染実施範囲の刈払いでは灌木が根元で切断されている等、その状況が大きく異なっていた。
・情報提供箇所に係る崖途中の小段に周辺状況とは異なる1立方メートル程度の一団の落枝群が存在し、その中には切断面が比較的新しい枝が存在した。
・ 除染対象外区域における灌木の切断面と一致すると思われる切断面を有する落枝を落枝群中に発見した。

 1月10日、情報提供者へのヒアリングにおいて、事実関係の詳細を確認した。情報提供者が、大日本土木の現場監督から指示されて草木を投棄したこと、朝日新聞社記者に頼まれて指示の様子を録音した、との回答があった。その証拠の提供を求めると、朝日新聞記者に渡したので、そちらに話をしてほしい、との回答があった。

 1月13日、現場監督2名へのヒアリングにおいて、朝日新聞が指摘事項について録音記録を持っていることを踏まえたうえで、朝日新聞が今回の投棄ととらえられる可能性のある指示をしたかどうかを確認したところ、1名は、指示をした記憶はないと回答し、もう1名は、指示をしていない、投棄については事実無根との回答があった。

 1月15日の現場監督1名へのヒアリングにおいて、除染対象外区域の刈払いを指示したかどうかについて確認したところ、当該場所付近は、除染作業範囲外として指示しており、除染することは考えられない、との回答があった。

 また、1月17日の作業指揮者へのヒアリングにおいて、除染対象外区域の刈払いを行ったかどうかを確認したところ、除染対象外区域の刈払いを行ったことはない、との回答があった。

ウ)環境省の見解
 情報提供箇所に係る崖下の一団の落枝群は除染対象外区域における刈払いにより発生した落枝が人為的に投棄されたものであると考えられる。

 現場監督及び作業指揮者からのヒアリングによれば、除染対象外区域の刈払いは行っていない旨の回答を得ていること及び同一の班が行ったこの区間以外の区間では除染対象外区域の刈払いは行われていないこと並びに除染対象外区域と除染実施区域の刈払い等の実施状況が大きく異なることから、当該除染対象外区域の刈払いを事業者が行ったものであると断定するには至らなかった。

 以上を総合的に考慮すると、何者かが情報提供箇所に係る崖付近の灌木を刈払いし、それによって発生した枝を崖下に投棄したことはほぼ確実であると考えられるが、今回の調査では、その投棄した者を特定するには至らなかった。


(´・ω・`)つくづく思うのは
朝日の調査力<<<<<<新潮の調査力
でございますね
環境省の調査報告書を見るに
スクープニダ~新聞協会賞ニダ~とホルホルするに値しないと思います

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