「スマートスピーカー」をご存じだろうか。一般的にスマートスピーカーとは、「Wi-Fiでネットワークにつながり、搭載されたAIで対話による音声操作ができるスピーカー」と定義されている。有名なのは、Appleの『Home Pod』やGoogleの『Google Home』、そしてAmazonの『Amazon Echoシリーズ』など。
なかでも『Amazon Echoシリーズ』はラインナップも豊富で、スマートスピーカー初心者から上級者まで、生活シーンに合わせた選択が可能だ。また、最近、新型が発表されたことでも話題になった。しかし、ラインナップが多いからこそ、どれを選べばいいかわかないといった悩みも……。
そこで今回は、『Amazon Echoシリーズ』でできることを踏まえたうえで、それぞれのおすすめ活用法を整理してみた。
- 【目次】
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- ■Amazon Echoシリーズとは?
- ■Amazon Echoシリーズでできること
- ・「スキル」を活用してさまざまな情報を収集
- ・スケジュール管理・アラームやタイマーもひと声で
- ・音楽を再生
- ・家電も声でコントロール
- ・Amazon Echoシリーズ同士でコミュニケーション
- ■手軽に楽しめる「画面なし」モデルは3タイプ
- ・『Amazon Echo Dot』は玄関に
- ・『Amazon Echo』は寝室や子ども部屋に
- ・『Amazon Echo Plus』は寝室に
- ■できることが広がる「画面あり」モデルは2タイプ
- ・『Amazon Echo Spot』はキッチンに
- ・『Amazon Echo Show』はリビングに
Amazon Echoシリーズとは?
まずは、『Amazon Echoシリーズ』の基礎知識から。『Amazon Echoシリーズ』には「画面あり」「画面なし」を合わせて5つのモデルがあり、バッテリー駆動ではなく電源につないで使用する。Wi-Fi接続が前提で、「画面なし」モデルでは、初期設定や機能拡張などをスマホの「Alexaアプリ」から行う。
Amazon Echoシリーズでできること
スマートスピーカーがAIを搭載していることは冒頭で述べたが、『Amazon Echoシリーズ』に搭載されているのはEchoの頭脳となるクラウドベースの音声サービスAmazon Alexa。CMでも「アレクサ、電気消して」というシーンがあるように、『Amazon Echoシリーズ』では「アレクサ、○○して」と話しかけることで反応してくれる。
この「○○」に入るものはスマホでいうところのアプリのような「スキル」と呼ばれる拡張機能で利用することができる。そして、そのスキルの数は、なんと2,000以上もあるのだ。
・「スキル」を活用してさまざまな情報を収集
たとえば、「radiko」のスキルをインストールしておけば「アレクサ、TBSラジオをかけて」と話しかけるだけで、聴取が可能になる。ほかにも、天気予報やニュース、スポーツの結果、日経平均株価、交通情報などを教えてくれるスキルも存在する。
ちょっとした情報を知りたいけど、わざわざスマホのロックを解除して、アプリを立ち上げて確認するほどでもないときには、かなり便利だ。音声で情報を取得することに慣れると、スマホでの入力がまどろっこしくなるくらいだ。
・スケジュール管理・アラームやタイマーもひと声で
もちろん情報収集以外にもいろいろなことができる。Googleカレンダーなどと連携させれば、予定の追加や確認といったスケジュール管理に対応。また、アラームやタイマーもひと声かけるだけでセット可能。キッチンで手が濡れているときに、「5分タイマーをかけて」と話しかけるだけなのは便利だ。アラームも「朝7時に起こして」のひと言でOK。
・音楽を再生
「AIスピーカー」なので、音楽を流すことも可能。「Amazon Music」やauの「うたパス」、「Apple Music」といった定額サービスを利用すれば、「(曲名やミュージシャン名、ジャンル)をかけて」というだけで再生が始まる。
※スマホ内のすべての曲が聴けるということはありません。 ※プライム会員の方は、Amazon Musicのうちの100万曲以上のPrime Musicが追加料金なしで聴き放題、さらに、Amazon Music Unlimitedは、月額980円で4,000万曲以上が聴き放題(Amazonプライム会員は会員特別価格の月額780円)です。
・家電も声でコントロール
さらに、「au Home」と連携させれば、家電のコントロールも可能に。au HOMEは、スマホと家電を連携させることで、以下のようなサービスを利用できる。
- ・「赤外線リモコン」を使って声で家電(エアコン、テレビ、照明など)を操作
- ・「スマートプラグ」で、スマホやLEDで接続した家電の電気使用量を確認
- ・「ネットワークカメラ」で外出先から自宅を確認
- ・「センサー」で窓、ドア、引き出しなどの開閉や、人やペットの動きを検知
作業中や荷物で手がふさがっているときに声だけで家電を操作できるのは時短になり、大変便利。外出先から家の中を見守りできるのも安心だ。
また、Amazonプライムの会員なら、パソコンやスマホを使わず話しかけるだけで買い物が可能だ。
・Amazon Echoシリーズ同士でコミュニケーション
もうひとつ忘れてはいけないのが、『Amazon Echoシリーズ』同士や、スマホの「Alexaアプリ」と音声通話などでコミュニケーションをとれること。リビング、キッチン、寝室、子ども部屋など、部屋ごとに設置しておけば、呼び出して通話ができる。たとえば食事の時間に子ども部屋に呼びかけて知らせたり、朝、寝坊しそうな家族をEchoを通して起こしたりできるのは忙しいときには非常に助かる。
実は『Amazon Echoシリーズ』、部屋ごとにあるとかなり便利。そもそも、バッテリーではなく、AC電源を使用していることからもわかるとおり、定位置で使うことを前提にしている。キッチンに置いておけば、キッチンタイマーの役割を担ったり、なくなった消耗品をすぐにAmazon.co.jpで注文したり、レシピの確認をしたりすることが考えられる。洗面所で使えば、支度をしながらニュースを聞けるので、忙しい朝には時短にもなるだろう。
手軽に楽しめる「画面なし」モデルは3タイプ
それでは、どの場所にどの『Amazon Echoシリーズ』を置けばいいのだろうか。『Amazon Echoシリーズ』は、大別すると「画面あり」と「画面なし」のモデルにわけることができる。ここからは、それぞれの特徴を見ていこう。
「画面なし」は、コンパクトサイズの『Amazon Echo Dot』、高機能なスピーカーがついた『Amazon Echo』、高機能スピーカーに加えてスマート家電を簡単にセットアップできる『Amazon Echo Plus』の3タイプ。『Echo Dot』と『Echo Plus』は、2018年10月に新世代モデルが発売された。日常の中で手軽に楽しみたいなら、この「画面なし」がオススメだ。
・『Amazon Echo Dot』は玄関に
『Amazon Echoシリーズ』の入門機。低価格で必要最小限の機能を備えているので、「まずは試してみたい」という人にピッタリ。前モデルの『Echo Dot』よりも音質が向上し、パワフルな音を実現。筐体デザインも刷新された。こちらは玄関などへの設置がオススメだ。出かける前に天気予報を確認したり、消し忘れた家電の電源をオフにしたりするなど便利に使えそうだ。
・『Amazon Echo』は自室や子ども部屋に
『Amazon Echoシリーズ』のスタンダードモデル。2.5インチウーファーと0.6インチツイーターとDolby デュアルスピーカーを搭載し、高音質で音楽を楽しむことができる。音楽配信サービスなどを活用する人なら、自室や子ども部屋に置くスピーカーとしてこちらを選ぶといいだろう。
・『Amazon Echo Plus』は寝室に
「画面なし」の最上位機種。『Echo』よりもさらに音質を追求したモデルで、3.0インチウーファーと0.8インチツイーター、Dolby デュアルスピーカーを搭載している。ちなみに、こちらのスピーカーも先代よりも音質が向上。より満足できる高音質になった。リラックスした時間を過ごしたい寝室やリビングなどに置けば、生活の満足度が上がりそうだ。
もうひとつの特徴は、「スマート家電の簡単セットアップ」が可能なこと。「デバイスを探して」と話しかけるだけで、ZigBee(近距離無線通信)に対応した家電と自動的に連携する。ZigBeeとは、デバイスとデバイスを接続する通信規格のひとつで、安定性のある接続が特徴。これを搭載した照明やエアコン、テレビなどに、声をかけるだけで簡単に接続ができるというわけだ。
また、今回のモデルから、『Amazon Echoシリーズ』で唯一「温度センサー」を搭載したのもトピック。室温を教えてくれるだけでなく、温度がある一定の数値に達したら、エアコンのON・OFFが自動で操作される設定も可能になった。
できることが広がる「画面あり」モデルは2タイプ
「画面あり」は、2.5インチ タッチスクリーン付きの『Amazon Echo Spot』と10.1インチ タッチスクリーン付きで高機能スピーカー、スマート家電の簡単セットアップまで備えた全部入りの『Amazon Echo Show』の2タイプがある。スクリーンで動画の視聴ができ、目的に合わせて選んでほしい。
・『Amazon Echo Spot』はキッチンに
解像度480 x 480pixelの2.5インチ タッチスクリーンを搭載。コンパクトなフォルムで設置する場所を選ばない。カメラも搭載しているので、「画面あり」モデル同士や『Alexaアプリ』を搭載したスマホとは、ビデオ通話も可能。また「呼びかけ機能」を使えば、外出先から部屋の様子の確認もできる。
画質は『Echo Show』と比較すると低く、『Amazon Prime Video』の視聴などには対応していないが、ちょっとしたビデオ通話やペットの見守りくらないなら十分。レシピ動画を提供するスキルを追加すれば料理中に作り方を確認できる。
最近はレシピサイトも動画に力を入れており、参考にしている人も多いだろう。音声のみで動画の再生ができるのは、両手が塞がった調理中にはとても便利。サイズもコンパクトなので、キッチンに置いても邪魔にならない。ただし防水モデルではないので、水がかかってしまう場所に置くのは厳禁だ。
・『Amazon Echo Show』はリビングに
『Amazon Echoシリーズ』の機能が全て入ったモデル。『Echo Spot』の約4倍サイズのタッチスクリーンを搭載し、解像度も1,280 x 800pixelとHD画質。視認性も操作性も大きく向上し、タブレットに近い感覚で使える。しかも『Amazon Prime Video』の視聴が可能で、小型スピーカーでも低音が響く高音質サウンドを実現するパッシブラジエーターを搭載した2.0インチ×2スピーカーはDolby対応なので、映画も迫力の音で楽しめる。
また、カメラも500万画素で高画質。『Echo Spot』よりも明瞭な映像で、遠方の家族や友人とのビデオ通話ができる。もちろん「スマート家電の簡単セットアップ」も搭載。こちらは、リビングに置く中心モデルとして導入するといいだろう。
『Amazon Echoシリーズ』は目的に合わせて使い分けよう
『Amazon Echoシリーズ』は、家のさまざまな場所に設置しておけば、より使い勝手がよくなる。リビングには『Echo Show』、キッチンには『Echo Spot』、寝室や個人の部屋には『Echo』、洗面室や玄関には『Echo Dot』など使い分けて、それぞれに必要なスキルをインストールするといいだろう。
さらに『au Home』と連携させれば、家電を音声で操作もできる。「スピーカー」という部分だけで必要ないと思っていた人も、スマートホームに興味があればコミュニケーションや家電操作のハブとして、検討してみてはいかがだろうか。
文:コージー林田