【大相撲】貴景勝、大関とりへ「初V忘れた」 横綱復帰の初場所は「本当の勝負」2018年12月26日 紙面から
新関脇に昇進した貴景勝(22)=千賀ノ浦=が25日、東京都台東区の同部屋で会見し、「もう一つ上の番付を目指していく」と大関への意気込みを語った。九州場所は13勝2敗で初優勝を飾り、ここまで三役で通算22勝。目安は三役で通算33勝で、今場所の成績と内容次第では昇進の可能性もあるが「いい意味で(初優勝を)忘れられている」と謙虚な姿勢で臨む。 どこまでも謙虚な姿勢を崩さなかった。貴景勝は2018年を漢字一文字で表すならば「学ですね」と即答。「優勝したことじゃなく、けがしたことで学べた」。春場所で足をけがして初めての休場を経験した。「入院しているとき、相撲中継を見ていて、勝つこともできない、負けることもできないと。すごく考えさせられた。このままじゃダメだと思った」と自身を見つめ直した 初優勝でスター街道まっしぐら。だが、「優勝できると思ってなかったし、一つ夢を果たして優勝で満足感が出ると思ったけど、いい意味で忘れられている自分がある。跳び上がるほどうれしいものでもないし、プロなら2カ月後に次の場所が来ますし」ときっぱり。九州場所で休場した横綱も、初場所では復帰する。「横綱、大関は別格だと思いますし、本当の勝負かな。落ちるか上がるか自分次第」と、大関昇進の可能性があっても、真っさらな状態で挑む気持ちが強い。 もちろん、東関脇は大関に一番近い番付。「次はもう一つ上の番付を目指して」と目標に定めているが、「まずは実力を上げること。精神的にもう少し強くなること」と優先順位は明確だ。 元日馬富士に兄弟子の元貴ノ岩が暴行された問題を引きずる中で幕を開けた2018年。10月には入門時の師匠だった元貴乃花親方(元横綱)が突然の退職。そして今月になって元貴ノ岩が付け人への暴力で引退を決めた。 「いろんなことありましたけど、あまり気にならないし、あまり意識していないです」 自分を見失わず学んできた1年が、新しい年に実を結ぶ。 (岸本隆)
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