【平安名純代・米国特約記者】名護市辺野古の新基地建設を巡り日本政府が14日に強行した埋め立て区域への土砂投入に、欧米の識者らから批判が相次いでいる。

<土砂投入から1週間>埋め立て区域への土砂投入が続く名護市辺野古の沿岸部=20日午前10時33分(小型無人機で撮影)

 言語哲学者のノーム・チョムスキー氏(マサチューセッツ工科大言語学名誉教授)は土砂投入について「沖縄の人々や米国人にとって、暗澹(あんたん)とした瞬間だ。人々の圧倒的な反対にもかかわらず、基地建設を進めるという決断は恥ずべき行為だ。この世の中で必要とされている紛争の平和的解決の可能性を損なうものでもある」と述べた。

 米平和団体「ピースフル・スカイズ連合」のキャロル・ミラー会長は、「米国は米軍が民主主義と自由を守っていると米国民に伝えているが、普天間飛行場移設計画は、ペンタゴン(米国防総省)が他国でも民主主義を破壊していることを示している」と批判。「沖縄の基地は縮小し、沖縄の人々に返すべきだ。米軍基地が沖縄を占領する時代は終わった」と強調した。

 北アイルランド問題の平和的解決への取り組みでノーベル平和賞(1976年)を受賞したマイレッド・マグワイア氏は、工事を強行する日本政府について、「アジア太平洋地域の米軍の増強を支持する日本政府の姿勢を注視している。軍事化が進むと人々や環境が危険にさらされ、暴力的な紛争の可能性も高まる」と警鐘を鳴らした。