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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]峰竜太、涙の賞金王 住之江SG「グランプリ」優勝戦

2018年12月25日 紙面から

グランプリを制し黄金のヘルメットをかぶりうれし涙の峰竜太=住之江で

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 大阪・住之江ボートのSG「第33回グランプリ」は24日、最終日の12Rで優勝戦が行われ、1号艇の峰竜太(33)=佐賀=がインからコンマ12のSで逃げを決め、グランプリ初制覇。SGは2017年オーシャンC以来2度目で、優勝賞金1億円を獲得。今年の年間獲得賞金額は2億円を超え、毒島誠を抜いて逆転で自身初の賞金王に輝いた。11Rのシリーズ優勝戦は、1号艇の平尾崇典がイン逃げで12年・チャレンジC以来2度目のSG優勝。

 人目をはばからず号泣した。勝者となってピットに戻る峰はヘルメットを脱ぐ前からあふれる涙が止まらない。その元に駆け寄る弟子の上野と山田康が片手ずつを上げて記念のフォトショット。その最中も熱いものが峰の頬を伝え流れる。電光石火の逃走劇。歓喜のVゴールにスタンドは割れんばかりの大歓声。ゴール後に即、高々と右手を上げると感情が爆発した。

 「今でも現実感がないというか昔、憧れていた黄金のヘルメットが自分にきたのか、と。これからニヤニヤしながら感じていくんだろうなと思います」

 平成最後のグランプリ。6強入りした全員がこの舞台で最高の栄誉を勝ち取る以外、頭にない。外枠の毒島が、菊地が、コースを奪うべく勝負に出る。結果、毒島が回り直す一方で、内水域は舟がスタートラインに向けゆっくり進み出す。90メートル起こしの深いイン戦。その胸中や穏やかではなかったが、峰はドキドキしながらもコンマ12のお手本通りのSタイミング。「いま思うけど適当に行きましたね。起こしもダッシュもきていないし。あっという間に1マークがきて、気付けば回っていて『アッ』という感じ」。5度目のGP挑戦で2年連続2度目のファイナル。大激戦のトライアルを勝ち抜き、自力でつかんだ絶好枠でコース死守。「仕上がりは本当に万全でした」と快速を飛ばすと、1M出口を過ぎ、舟が前を向けばVを確信できるほどだった。

 優勝賞金1億円を加算。自身初の年間2億円プレーヤーとなり毒島を抜いて逆転で賞金王に輝くと、さらには4年連続での年間勝率1位の座もこれで確定。「4年いったから5年もいってみたい。誰にも追いつけないくらい上りつめたい」と胸を張った。ボートレーサー14年目でみせた最上級のパフォーマンス。パーフェクトな成績を収めた1年が幕を下ろす。「前にSGで優勝したときより、きょうの方がほっとした涙もあった。でも、これが(涙は)最後」と冗談交じりに笑った峰が、さらに進化して2019年のSGシーンもとことん盛り上げる。(角田大輔)

<峰 竜太(みね・りゅうた)> 1985(昭和60)年3月30日生まれの33歳。172センチ、50キロ。血液型はB。佐賀県唐津市出身。唐津西高校卒業。選手養成95期生、佐賀支部所属。同期には山田哲也、藤崎小百合、金子拓矢、河村了、岡村仁、海野康志郎らがいる。2004年11月・からつでデビュー(2着)。05年11月・からつで初優勝。SG初出場は07年・オールスター(住之江)。17年・オーシャンC(まるがめ)で初優勝。今回のグランプリでSG優勝は2回目。GI優勝8回を含む通算優勝は57回。

 

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