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外国人労働者、最大34万人受け入れ 閣議決定

 政府は二十五日、改正入管難民法に基づく外国人労働者受け入れ拡大の新制度について、基本方針などを閣議決定し、全容を固めた。深刻な人手不足を理由に、高度専門職に限っていた従来施策を変更。特定技能1号、2号の在留資格を新設して単純労働分野にも広げ、来年四月から五年間で最大三十四万五千百五十人を受け入れる。外国人が大都市圏に集中しないよう措置を講じるとしたが、地方との賃金格差などを埋める施策を打ち出せるかどうかが課題だ。

 閣議で受け入れ見込み数などを記載する分野別運用方針、関係閣僚会議で受け入れの環境整備施策をまとめた総合的対応策も決定した。会議で安倍晋三首相は「施策を着実に実行し、外国人が働いてみたい、住んでみたいと思える制度の運用に全力を尽くしてほしい」と述べた。

 基本方針では、受け入れの必要性を具体的に示すよう関係省庁に要請。対象は十四業種で、見込み数は大きな経済情勢の変化がない限り上限として運用する一方、必要に応じて見直し、受け入れ停止を検討することも記した。報酬額は日本人と同等以上を求め、同一業務や業務内容に共通性がある場合は転職を認める。

 基本方針は改正法施行後二年をめどに検討し、必要があれば見直す。

 分野別運用方針には十四業種別の受け入れ見込み数や業務内容、新資格取得に必要な技能試験の開始予定時期などを記載。共通の日本語能力判定テスト(仮称)も新設し、当面はベトナムなど九カ国で実施する。現行の日本語能力試験で基本的な日本語を理解できる「N4」以上と認定されれば代替できる。

 介護業、宿泊業、外食業は来年四月から技能試験などを始める。雇用は原則直接だが、農業と漁業は派遣も認めた。総合的対応策は「政府全体で共生社会の実現を目指す」として百二十六の施策を盛り込んだ。全国百カ所に生活相談に応じる一元的窓口を設置し、医療や防災など各種行政サービスの多言語化を進める。外国人の都市部集中を防ぐ一環で地域別就労状況を把握する仕組みを構築する。

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