八雲 紫

登録日:2009/06/04(木) 14:37:56
更新日:2018/10/21 Sun 14:42:24
所要時間:約 12 分で読めます




八雲 紫(やくも ゆかり)は、東方Projectの登場人物。

種族 妖怪
能力 境界を操る程度の能力
テーマ曲 「ネクロファンタジア」(妖々夢)

幻想郷の創造に深い関わりを持つ妖怪の賢者。
スキマ妖怪という一人一種族の妖怪で、「境界を操る程度の能力」を持つ。

外見は金髪に大きなリボン付きの特徴的な帽子を被った少女。身長は少女にしては高い方だが可変。
服装は中華風の導師服が有名だが紫のドレスの場合もある。
またファッションとして日傘を常用している。





妖怪拡張計画により幻と実体の境界を張って幻想郷を隔離した張本人であり、また博麗大結界の提案と創造にも関わっているらしい。
幻想郷の外の世界を知っている。神隠しと呼ばれる現象は、主に彼女が境界に揺らぎを起こすために起こるといわれている。

境界を操る能力によって空間の裂け目に出入りしてどこにでも移動できるため、神出鬼没。
この裂け目の中にはたくさんの目や手が見えるが、これは幻想郷から外の世界を見たイメージで、
人間の欲の手と他人の目、役に立たない人工物のイメージとして道路標識が見えることもある。

一日の半分以上を寝て過ごす上に冬の間は冬眠するという風変わりな習性を持ち、その間の世話は式神の藍に任せている。



1200年以上前からその存在が確認されている古参の妖怪で、西行寺 幽々子とは彼女の生前からの知り合い。
鬼の四天王である伊吹 萃香とも旧知の仲である。
また、自らの式神として九尾の狐の八雲 藍がおり雑用を任せている。
一方で閻魔の四季映姫のことは苦手としており「あの方には逆らえない」とのこと。
死神の小野塚 小町に対しては普通に接している。
鬼神長が幻想郷で災害を起こしてもアクションが無い為、鬼や死神のような末端ならともかくとして、彼岸や地獄の管理職に対してはあまり立場が強くないようである。

茨木 華扇が紫と同じ幻想郷の賢者であることが判明しており、紫と似たような立場である華扇のやり方については基本的に傍観。
紫の方針に引っかかるものであれば訪ねて苦言を呈するが、華扇の事自体はとても気に入っており、身内として抱き込みたいようで積極的にアプローチをかけている。

東方天空璋では紫と同様に幻想郷の創造に携わった三人目の幻想郷の賢者、摩多羅隠岐奈が登場。
本人曰く、裏から幻想郷のバランスを取る、言うならばフィクサーという仕事をしているらしい。
直接言及はしていないものの、紫の事もよく知っている模様。ちなみに華扇も旧知の仲だと語っている。

他にも賢者は複数人存在するらしい。だが一枚岩では無いらしく、それぞれが気ままに管理しているようだ。

「幻想郷は全てを受け入れる」との言葉通りに外からの来訪者には基本的に寛容。
しかし、「幻想入り」と呼ばれる正規の手段以外で入ってくるものに対しては厳しい態度を見せることもある。
それは植物であっても例外では無く、西洋タンポポが幻想郷に不法入国するような形で生息域を広げた時は在来種を守るために色々と頑張っていたようだ。
賢者という立場も色々と大変そうである。

◆性格
基本的に掴みどころのない言動が多く何を考えているのか不透明であるため、他人からの信用も薄い。そんな性格であるため物事の中心になったり他者を率いるということには全く向いておらず、旧知の友人である萃香ですら彼女の誘いをにべもなく袖にする場面があった。そういった存在が不確かで正体が掴めないという点である意味ベーシックな妖怪像である。


だがそんな影や霧のような紫も幻想郷に対する愛においては確かな質量を有し、彼女ほど幻想郷を愛する存在は他にいない。
博麗神社に自分の家系の神社を結びつける細工をおこなった比那名居天子に対して普段の口調が消え失せるほどに激昂したこともある。





◆能力
「境界を操る程度の能力」とは、万物に存在する境界を操り意のままに従える能力であり、幻想郷でも最高クラスの能力である。
物事の存在には境界が存在し、全てのものに境界が存在しなければ、それは一つの大きなものであることになるので、
即ち論理的創造と破壊の能力である。
論理的に新しい存在を創造し、論理的に存在を否定する。神に匹敵する力とされる。



とまあ大層な能力に思われるが決して全能ではなく、西行妖や相手では分が悪く
月に出入りするには満月でなければいけないなど能力の限界もみられる。
だいたい明らかな格上に対しては通用しない。

それでも応用は多々あるが、主な用途は空間の裂け目を作って離れた場所同士を繋げて移動すること。また裂け目から物を出し入れすること。


そもそも上記のとんでもない記述は稗田 阿求著の「幻想郷縁起」(東方求聞史紀)の自身の項であり、
幻想郷縁起の検閲をしているのは他ならぬ八雲紫自身である。 AQNにいくら積んで書いてもらったんだ…。


攻撃手段としての事象の境界の操作も弾幕ごっこでのみの使用に限られ、直接戦闘では裂け目(スキマ)を作り、標識や電車などを呼び出して攻撃する召喚師のようなイメージが強い。
しかし、「知能と脚の境界」のような強力な攻撃手段も存在しており、弾幕ごっこ以外の戦闘能力は未だ未知数である。


スキマ使いという点では豊聡耳 神子が似たような事ができるが、あちらは他者でも習得可能な仙術の一つである。
中継に使う空間が違うだけで移動の手順は同じである。

同じ賢者である摩多羅隠岐奈も紫と酷似した空間移動能力を持つが、隠岐奈はスキマではなく扉を創り出して移動する。
ちなみに茨木 華扇も瞬間移動と思わしき能力を使用してる描写があるが、仙術なのか固有の能力なのかは不明。

能力とは別に超人的頭脳を持ち、無間の底や北斗七星が北極星を食うまでの時間を一瞬で求めることもできる。

身体能力については吸血鬼のようなでたらめな身体能力は持たない。
緋想天では「この年になって山登りをするなんて」などと言う事を口走っているため老体であるかのようなアピールがあるが、腐っても妖怪、人並みには身体能力はあるようで、パチュリーのような完全インドア派ほどではなく直接打撃もある。
体は鍛えているというより、霖之助が振り下ろした木槌を受け止めたときも怪我ひとつ無かったがそのときの感触は「フカフカの布団を叩いたような不思議な手ごたえ」とのこと。また、非想天則にて美鈴いわく「服の下に何かがあるような変な手ごたえ」だそうで、肉体の頑強さ以外に能力を応用して1枚挟んでいるのは確かのようだ。


漠然とした凄く強いというイメージを持たれやすいのだが、能力(と性格)の関係から自分から事を起こしても前線には出る事はあまり無く、もっぱら奇襲やバックサポート、頭脳労働が多い。


◆黄昏フロンティア作品
弾幕アクションゲームにおいては、イメージの通りトリッキーキャラで統一されている。
火力は可もなく不可もなく、中の下くらい。キャラ限コンボが対応している相手にはそれなりの火力。
近接か遠距離かで言えば間違いなく遠距離タイプ。バリバリの弾幕キャラには見劣りするものの、それらと渡り合えるだけの光る射撃は持っている。
近接能力はお世辞にも優れているとはいいがたいが、スキマと標識を飛び出させるの存在から、他キャラではありえないほど不自然に姿勢が低くなる技、やたらリーチと判定が強い技などが一部あり、そう言った部分をうまくぶつけていければ中~近距離でも渡り合う事は可能。

一部のスペルカードを絡めた画面端の連携では相手に回避を許さずに一瞬でガードクラッシュにまで持ち込める強力な連携を持っていたが、残念ながらそれがあった「緋想天」の時代では他キャラでも似たようなレベルの理不尽連携を多数持っていたため、紫だけの特権とまではいかなかった(紫が勝つ時は十全に活躍する強力連携なのだが)。
この連携は、多数のキャラがマイルド調整を受けた非想天則ではいくつかの仕込みを経なければ連続ガードにならなくなった。

防御面は正直言って低いクラス。
食らい判定がかなりデカい上に機動性周りにも難を抱えている。
小町や幽々子らの長身組と同等の身長を持ち、そしてそれらよりも横幅が広いため、特定の技を合わせられた時を除き、相手にとって「スカってしまう攻撃」と言うのが基本的に無い。
また地上・空中ダッシュの性能にも穴があり、足元の判定が無くなって下段をスカせるのはいいが、一定距離をダッシュするごとに「切れ目」が入り、長時間持続する射撃をグレイズし続けられないという欠点がある(非想天則で改善)。
空中ダッシュは空中ダッシュで、出だしに僅かなタメが入りガードができるようになるまでが他キャラよりも遅い。
通常の必殺技には無敵技が無く、スペルカード(超必殺技)になら無敵技はあるが根元にポケットがある上に出も早くは無く、それでいて外したら盛大に反撃確定と言う使いづらいものしかないため、ガーキャンと回避結界だけでしのぐしかない。

総じて、戦えるだけの材料を持ち弱いキャラではないのだが、その材料を生かし切るための必要スキルがかなり高い上、上位陣のような「圧倒的な武器」を持たないため、中堅に甘んじているキャラ。


◆儚月抄
千年以上昔の逸話である。実と嘘の境界を弄り、湖に映った月に飛び込み月に攻め入った事があるという。
増長した妖怪を集めて行ったが、月の近代兵器の前にあえなく惨敗する。
これ以来、妖怪達は自分のテリトリーを越えて攻め入る事は少なくなったと言われる。
この騒動を機に、この境界の妖怪の力が人間の間にも知れ渡った。

時は流れ、かつて置き土産の罠で妖怪達を嵌めた八意永琳が幻想郷へ入居。
彼女に消えない恐怖を刻み付けるために紫は第二次月面戦争を計画した。
力では絶対に勝てない相手に対し、今度は知恵でもって挑み、それすら目くらましに
東方ファンの幻想的に多大な犠牲を払いながらも見事目的を達成した。


これまで今ひとつ何を考えているかわからなかった紫の心中が深く掘り下げられ、
「意味不明な規格外の妖怪」が明確な行動原理を持つ一個の登場人物として形を得たお話。
儚月抄に限っては、霊夢を含む月面侵略組は紫に言われるまま動いていただけなので、実質紫が主人公だったと言ってもいい。







◆二次設定

カップリングは幽々子、霊夢、霖之助など。

色彩で言うと橙+藍=紫。一緒に暮らしているわけではないようだが格ゲーでは紫が藍を呼ぶとき一緒に橙も呼んでたりする。

また生前、現在共に幽々子とは仲が良い。

秘封倶楽部のマエリベリー・ハーンとは何らかの関連があるのではないかと言われているが公式では言及されていない。答えは神主のみぞ知る…
ちなみに紫=メリー説を採用した二次創作は大抵シリアスかつバッドエンドで終わる事が多い。

二次創作ゲームでは防御特化型という扱いが多数。
異常なほどに硬いが火力は低いのがお約束。

ちなみに二次界隈では様々な異変を起こし、数多の人間を幻想郷に招いている元凶とさえ言われているが、原作では第二次月面戦争以外は異変らしい異変は起こしていない。
かつてはすべての元凶、何を考えているか余人はわからず、あらゆる事象は掌の上な黒幕キャラだったが、儚月抄を経てなんだか苦労性で出不精な管理人さんという親しみやすいポジションに変化しつつある。主なのに藍にぞんざいに扱われることも多い。
現在の幻想郷は紫がデウスエクスマキナとして強引に収められるほど単純な勢力図じゃないしね。
二次創作ゲームでも一時期は裏ボスやラスボスとしての扱いが多かったが、現在はあまり他のキャラと扱いは変わらない。

妖怪と人間が中心であった以前と違い、月や地獄といった幻想郷の外からの来訪者、そして今は神霊も台頭してきたため状況は混迷を極めている。
紫は妖怪側の首脳の一人と言ったところだろう。

とはいえ東方二次創作屈指の便利キャラは健在で、スキマはぶっちゃけ某青狸の腹のポケット。何処にでも現れるし、大体なんでもできる。

儚月抄ショックで多少イメージが中和されたものの、悪役っぽくされがち。
どうしても胡散臭さが滲み出てしまうので仕方ないのかもしれない。


ちなみに、少女と言うにはやや威厳とカリスマと貫禄と色気に満ちているのが災いしてか、
永琳神奈子、幽々子、白蓮といった同じ属性を持つと思しき面々と共に、心無いファンからとある失礼極まりない蔑称で呼ばれる事が多い。
言うまでもなく熱心な彼女らのファンには毛嫌いされている二次ネタなので時と場所を弁えて言うように。
幻想郷には少女しかいないんだよ!!!


また、
橙=猫
藍=狐
な為か、よく狸にされることも…。
確かに、胡散臭いところといい、性格といい、ずる賢さといい、悪知恵が働く(ryと思ったら新作で本物の狸が登場した。








アニヲタwikiは全ての追記修正を受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ


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